古今東西、人々を悩ませてきた問い。「才能と努力、どちらが成功を左右するのか？」。天才と呼ばれる人々は生まれつき才能に恵まれているのか、それとも努力によって才能を開花させたのか？

現代社会において、この問いに対する答えはますます曖昧になっている。努力すれば誰でも成功できるのか、才能がなければ努力しても無駄なのか？

本書「マインドセット」心理学者のキャロル・S・ドゥエック博士が、この問いに対する画期的な答えを提示している。

固定観念と成長観念：二つのマインドセット

ドゥエック博士によると、人の能力に対する考え方、つまり「マインドセット」が、成功を大きく左右するという。マインドセットは大きく二つに分けられる。

• 固定観念（フィックスド・マインドセット）：生まれつき与えられた能力は固定的なものであり、努力しても変えることはできないという考え方。

• 成長観念（グロース・マインドセット）：能力は努力や経験によって伸ばすことができると考える考え方。

固定観念の落とし穴

固定観念を持つ人は、自分の能力を証明することに固執しがちだ。そのため、困難な課題を避け、失敗を恐れるようになる。結果的に、本来のポテンシャルを発揮できずに終わってしまうことが少なくない。

成長観念の力

一方、成長観念を持つ人は、困難な課題にも積極的に挑戦し、失敗を学びの機会と捉える。努力を通して能力を伸ばしていくため、最終的には大きな成果を成し遂げる可能性が高い。

才能は努力によって開花する

本書では、数々の研究結果を通して、才能と努力の関係が明らかにされている。

• 才能は生まれつき与えられたものではなく、努力によって伸ばすことができる。

• 成長観念を持つ人は、才能を開花させる可能性が高い。

• 才能があっても、固定観念に縛られていれば、その才能を活かせない。

マインドセットを変える

マインドセットは、生まれつき決まっているものではない。意識的に変えていくことが可能だ。

• 自分のマインドセットを認識する。

• 成長観念を持つ人の考え方や行動を参考にみる。

• 困難な課題に挑戦し、失敗から学ぶ。

• 努力のプロセスを楽しむ。

まとめ

努力と才能、どちらが大事なのかという問いに対する答えは、「マインドセット」にある。