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スラウェシ島の温泉をめぐる旅 5日目 カツオとマグロの町ビトゥンへ行く

今日マナドは朝から晴れていてとても気持ちが良い。ホテルの屋上から見える景色は透明感があり街の色がより鮮やかに見えた。

沖合に見える形の良い島はマナドトゥア(Manado Tua)島、その右に平らに広がる島はダイビングで有名なブナケン島。
わたしは北マルク州の双子の島、テルナテ島とティドレ島のことを思い出していた。

スラウェシ島は貧しい家が多いのか、ゴロンタロもマナドも屋根をトタン板にしている家が多い。瓦を敷いている家は稀だ。しかし、トタン屋根はトタン屋根で統一感があれば、街並みとしては味わい深く見えるから面白い。


バスでビトゥンに向かう

マナドとビトゥンは距離にして40キロとまあまあ離れている。グラブバイクで気軽に行ける距離ではないので、久しぶりに公共バスに乗ることにした。
ビトゥン行きのバスは、Paal Duaバスターミナルから頻繁に出ているらしい。
ホテルを11時前にチェックアウトし、グラブバイクで向かう。2キロで10,000ルピア(100円)だった。

ターミナルに着くと20台くらいバスが並んでおり、わたしはそのうち人が数人乗り込んでいる1番出発が早そうなバスを選び乗り込んだ。バスは冷房がなく、止まっている間は風が起きないのでとても暑い。

20分くらい客待ちをし、半分強埋まったところでバスは出発した。出発前におばちゃんが料金を徴収しにくる。1人20,000ルピア(200円)。
バスは高速道路があるのに使わず、下道を走っているようだ。
それでも40キロの距離を1時間ちょっとでAl-Mikala Pak Habibiバスターミナルに到着した。
まだ新しい建物で大きい。ここからゴロンタロやパロ行きのバスも出ている。

バスターミナルから今日のホテルまではまだ10キロあるので、グラブを呼び港のそばのホテルに向かった。

ビトゥンの町は想像以上に小さく感じた。ゴロンタロよりは流石に大きいが、マナドに比べると数分の1といったところだ。
その代わり、町中に魚の工場がたくさん立っていて、工場と港を中心に町が形成されていったのだろうと思われた。

ホテルにチェックインし観光に行く

ホテルはかなり古い建物だが、カビ臭さはなく風通しが良さそうだった。スタッフたちの愛想も良い。
シャワーは水でちょろちょろしか出ない。珍しくバスタブがついているところを見ると、昔は名のあるホテルだったのかもしれない。

ホテルのロビーに飾ってある。メバチマグロって大目鮪って書くのかと驚く

レンタルバイク屋は近くになさそうだったので、ホテルの前で休憩しているオジェックに相談して、3か所を2時間で回ってもらうことで合意した。100,000ルピア(1000円)。

(1) Tugu Jepang (日本の石碑)

鎮魂の碑があるというので行ってみた。わたしは戦争で亡くなった方々に安らかに眠っていただくための石碑は大事だと思うが、なぜ兵士だけを弔うのかは疑問だ。
戦争で巻き添えになった民間人は日本人、現地人に限らず数多く、その方々も含め全員を弔う碑を作った方が地元の方々もお参りできるし、愛される存在になると思う。

この碑は残念ながら亡くなった日本兵のための碑のようだった。
日本語で「鎮魂」と書かれている。
そして、東を背に西を向いて建てられていた。日本の兵士向けに建てたのであれば、わたしなら日本に向かって北向きに建てるだろう。モロタイ島の中村輝夫の像は日本を向いて立っていた。

鎮魂と漢字で書いても現地の人には伝わらない。案の定落書きだらけになっている。
そして、この石碑の横の草っ原には砕かれた墓石がそのまま置かれていた。
墓という字が刻まれているのが読める。

もう少し考えて作った方がいいなと思った。

(2) マグロ工場を見学する

オジェックの運転手が気を利かせて、鰹節工場を一緒に探してくれた時に見つけてくれた。
ここは何ら加工を施すことなく、魚の種類や大きさ別に選別し箱詰めして出荷している工場で、冷凍倉庫の中には魚が山のように積まれていた。

カツオとベビーツナがメインで、大きなマグロがとれた場合は、別の取り扱いになるようだ。
インドネシア各地に送られている。

ベビーツナ

(3) 鰹節工場

Ikan kayu Kenji Katsuoという名前がGoogle mapで出てきたので行ってみることにした。イカンカユとは木の魚、鰹節のことだ。
工場という規模ではなく、家内制手工業レベルの手作り感あふれる場所だったが、紛うことなき鰹節だった。
カビ付はせず、乾燥だけさせる花鰹に使う鰹節だ。

この蔵のような建物の中でカツオが燻されている。燃料はやしガラ

オーナーは近くの自宅で休んでいたのに来てくれて、詳しい話を聞かせていただいた。

鰹節を作るようになったのは、丸啓*の御前崎工場で働いてから。
*丸啓は鰹節メーカーの大手でインドネシアにも進出している。
奥さんもそこで働いていた。社名のケンジは、日本に住んでいたからつけただけで、日系人とか日本人と血の繋がりがあるわけではない。(わたしが日本人の子孫かと聞いたために答えてくれた)
(鰹節は日本に輸出しているのか?)日本ではなく、ジャカルタとスラバヤに販売している。
(インドネシア人が鰹節を食べるの?)食べる。花鰹に加工して、主にたこ焼きに振りかける鰹節に使われている。マナドやビトゥンにもたこ焼き屋はあるが、量は僅かで、ジャカルタとスラバヤ向けが中心になる。バンドンにも販売先がある。
(燻す期間はどれくらい?)5日間。ヤシガラを焼いて燃料にしている。
(価格はどれくらい?)1本15,000ルピア(150円)

燻製している様子も見せてもらった。

中の様子

とても面白いものを見させてもらった。
たこ焼きがブームになって、鰹節の消費がインドネシアでも増えてきているというのが特に興味深かった。
丸亀製麺もインドネシア産の鰹節を使って、トッピングに鰹節を入れてくれないだろうか。
あと、パパイヤ(日本食スーパー)あたりもPBで花鰹を売り出してくれないだろうか。
手作業で丁寧に煙で燻して5日もかけて作られている商品だ。贅沢品だと思う。

(4) Blessing Hill

山の上からビトゥンの町を眺めようと行ってみた。
運転主が勘違いし、わたしが行きたかったのと同名の別の場所に来てしまい、閉まっていた。というより閉鎖されていたようにも見えた。

木が伸び放題に繁り眺望を阻害しているため、少しでも上に行ってみようと階段を登り、つる草に生い茂られた木の見張り台のような建物に行ってみた。
それでも景色はイマイチだった。

海の向こうはレンべ島

夕食はマグロの炭火焼き

マグロを見たので、三日連続になるが今日もマグロをいただこうと、ツナで有名な店を探してやってきた。
King Fish Bitungという大きな小屋のような炭火焼の店。これは絶対に美味しいやつだ。

わたしは冷蔵庫の中に入っているマグロの切り身を選び焼いてもらうことにした。
大きさ的にベビーツナと思われる。
他にカツオがあれば注文しようと思ったがなかった。

そして食べてみたかったミークア(Mie Kua)というマナド名物のラーメンを注文してみる。食べ切れるだろうか。

マグロの炭火焼きがライスとカンクン(空芯菜)と一緒に運ばれてきた。

マグロは火が通りやすいように厚さが半分になるよう割って焼いたようだ。
最高の焼き具合。
インドネシア人はどうしてこんなに魚を焼くのが上手なんだろう。

マナド名物のサンバル2種をちょっとつけながら食べてみるとうまい。ライムを絞るととても合う。

食べ終わる頃にミークアがやってきた。

日本だと塩ラーメンの味が近い。

インドネシアの袋麺でもあるAyam Bawang味とも近い。
これは美味しい。麺は相変わらずイマイチだが、スープは素晴らしい。
アヤム(鶏)ではなくバビ(豚)だともっと合うような気がした。
マナドに戻ったら探してみよう。

本日のレストラン
King Fish 

マナドからパルへ向かう飛行機を取ろうとしたら良いのがなく4/11(木)のフライトになってしまった。
ビトゥンは明日対岸の島へ渡ってみて、それで終わりにしマナドに戻ろうと思う。
マナドでは行きそびれた温泉がいくつかあるので、レンタルバイクを借りてリベンジするつもりだ。またエンストしなければ良いが。


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