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インドネシアでブームが来そうな日本食 2回目:ギョウザ(Gyoza)

日本人にとって餃子はラーメンやチャーハンと共に中華料理という認識なのですが、インドネシアでGyozaというと日本風の焼き餃子を意味します。
中国の焼き餃子は餃子と言わず「鍋貼:クオティエ」ですし、一般的に食べられている水餃子(水餃:スイジャオ)はDimsumのメニューの一つになります。

わたしがジャカルタに駐在していた15年前には餃子屋はなく、居酒屋や日本食レストランのメニューとしてあっただけです。
ところが、今やローカル経営のGyoza専門店がありますし、回転寿司やラーメンといった日本食レストランでもGyozaはなくてはならないメニューになりました。
それどころか、ストリートフードのような屋台系の店でもJapanese foodという看板を出してGyozaを売っています。

そして、繰り返しになりますが、Gyozaを頼むと必ず焼き餃子が出てきます。Gyozaで水餃子は出てきません。

前回のおにぎりと同じく、Gyozaは大学のクラスメイトには浸透しているのに、寮のスタッフや関係者にはほぼ浸透していません。
今回はこの辺りの事情を探ると同時に、バンドンの餃子屋についてもご紹介したいと思います。


1.餃子の浸透度がターゲット層によって異なるわけ

ギョウザは日本食レストランに行けば必ず目にするし、回転ずしでも流れている食材なので、日本食レストランで食事をする所得層か、そうでないかの差が大きいと思います。

それと年齢の影響も大きいです。
すべての日本食に当てはまりますし、インドネシアに限ったことではなく日本人にも当てはまりますが、年寄は味覚が保守的になります。
新しい料理や味に挑戦する気持ちがなくなりがちということです。
最近では屋台の日本食も増えていて、Gyozaもあるので、気軽に食べられる食品になっています。日本と同じ冷凍食品もあります。それでも手を出さないというのは、味覚が保守的なんでしょう。

若者はトレンドに敏感ですし、友達が食べたと聞けば自分も食べてみたいと思う人が多いです。あとでご紹介する餃子屋はSNSで若者たちの間で話題になり行列ができる店になりました。

価格は5個入りで15,000から30,000ルピア(150〜300円)で、他の食事に比べると高く感じますが、中に肉がいっぱい詰まっていることを考えれば妥当な価格帯です。

2.インドネシアの餃子はおいしいのか

わたしは屋台も含めいろいろなところで食べましたが、1軒を除きすべておいしかったです。
1軒は名前は伏せますが、ローカル資本の寿司チェーンで、冷えた餃子が出てきました。冷えたら皮も固くなるし、中身のジューシーさも消えますので、無理です。
「お前のせいで餃子がおいしくない食べ物と思われたらどうするんだ」と文句を言いたい気持ちになりました。

インドネシアの餃子の特徴

すべてそうだという訳ではないのですが、典型的な例をあげます。
- 初めから辛いマヨネーズ(明太マヨとかサンバルマヨ)がかかっていて、タレをつけずにそのまま食べる形式。メイン画像の写真を見ていただければわかると思います。 
これは回転寿司でも見られる傾向です。

- たぶん焼くだけで、最後お湯や水をかけていない。
調理している場所を見たのは2か所だけですので分かりませんが、食べたときの皮の感じでもそのように感じます。
ここは簡単なことなので是非改善してもらいたいです。

‐ しょうゆしかなくお酢がない。ラー油はある。
お酢がある店はあとでご紹介する本物の中華料理屋だけでした。
これは最後までこのままかもしれませんし、地元の味覚ということであればこのままで構いません。
インドネシアの回転寿司屋でガリとワサビは頼まないと出てこないのと同じ世界だと思います。

‐ 具の材料は変わり映えがしない。
野菜だけにしてみるとか、海産物にしてみるとか、中身を激辛にしてみるとか、いろいろチャレンジすればいいのに、たいていの店で同じ味です。
もしかしたら冷凍餃子をそのまま使って焼いている店が多いからかもしれません。

3.バンドンのおいしい餃子屋のご紹介

(1)Okosan Gyoza

わたしのクラスメイトのお店です。ここは注文を受けてから包み始めるこだわりで、出てくるまで時間がかかるのが難点ですが、味は日本の餃子と同じレベルにあります。

今のところ鳥肉だけで、現在お客からのリクエストが多い牛肉を検討中らしいです。
ここの売りは餃子に加えデザートで、Mochi Daifukuというイチゴ大福が人気です。
ちなみに、Mochiはほぼインドネシア語といってよいほど浸透しており、スンダ餅といえば、地元の名物になっているほどです。ローカライズされています。

ちょっとずれますが、サッカーインドネシア女子代表コーチになった望月さんという方がいまして、わたしはクラスメイトから「MochizukiのMochiは食べ物のモチなんだろ?」と聞かれました。

話をおこさん餃子に戻すと、わたしはこの店に2回食べに行きましたが、2回ともわたし以外全員女性客でした。
女性の口コミで人気が広がっているようで、Okosan Gyozaで検索するとたくさん引っかかってきます。

(2)Rumah Makan Santung(山東鍋貼)

1972年創業の老舗で、おそらくバンドンの餃子屋の元祖と思います。
ここの名物は焼き餃子ですが、揚げギョウザもやっていますし、餃子以外のメニューも豊富で、全部おいしいです。
ただ、ギョウザとは言わず、餃子の字も使っていません。メニューにはKUOTIEと書いてあります。

味は日本の焼き餃子と異なり、中国の水餃子を焼いたものとも異なり、この店独特の餃子です。文句なしのおいしさです。
具はニラと白菜が共通するくらいで、春雨や炒り卵が入っていたりします。また餃子の大きさはとても大きいです。

5個入り35,000ルピア(350円)

わたしはこの店にジャカルタ在住の中国人の友人一家を連れて行ったことがあります。奥さんは山東省の出身で、この家族はこの店をとても気に入りました。
クオティエは山東を始めとした中国北部の名物で、具材はなんでもいいのだそうです。なので、この店のクオティエの中身に違和感はないと言っていました。
また、わたしがこの店の餃子は大きすぎるように思うのだがどう思うか尋ねたところ、夫妻は「これが山東料理だ。すべてが大きい。」と楽しそうに言っていました。
刻みニンニクをセルフで入れるシステムも山東あるあるらしく、山東では生のにんにくをそのまま手に持ってかじるスタイルだそうです。

家庭で食べる料理とは違うが、まさに正統派の山東料理と言ってよく、とても美味しいそうです。結局5人で大きなクオティエを40個食べました。
他の料理も頼んでいたのに、本当においしいと言いながら餃子ばかり何回もおかわりしてました。

この店はバンドンのチャイナタウンにあたる場所にあるため、店に行くついでに付近を散歩してみるのも楽しいかもしれません。

コロナで閉鎖され廃墟のようになっているChina Townというエンタメ系の建物があったり、寺があったりします。

ちょっと見では寺には見えない寺

ジャカルタのチャイナタウンとは賑わいが全く違うので、期待せずについでに見るくらいがちょうどよい場所です。

Gyozaとは関係ないですが、バンドン市はもうちょっと街づくりを頑張ってみてはどうかなと思いました。

終わり




 








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