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今が先のご縁に繋がるかもしれない

台湾へ赴任する前に同じ課だった同僚から、久しぶりに連絡があった。
年齢は20代で一回り近く若いのだけれど、叩き上げの人が多いこの部門で珍しい異動組ということもあって、何かと会話する機会が多かった彼女。
まだ社内ではオープンになっていないけれど、近々退職するのだと言う。
大学時代の留学先でお世話になったホストマザーの紹介で、現地の学校職員として働くことになったのだそうだ。
彼女はいずれ転職するだろうな…とは思っていたので、その知らせ自体には驚くことはなかったけれど、その進路には小さな驚きと大きな納得感があった。

年齢で判断するというわけではないが、彼女は年齢から想像するよりもずっと落ち着いた雰囲気がある。
仲間内での日常会話では盛り上がることはあっても、仕事では表面温度が一定に保たれている印象で、誰に対しても態度を変えることはしない。
馴れ馴れしくなく、他人行儀過ぎることもなく、丁度良い塩梅で距離を保ち、一定の温度で接するという働き方は、誰に対しても敬意を以て接しているように感じられ、また一緒に働きたいと思わせる。
彼女のそんなところをとても良いなぁと思っていて、尊敬さえしている私は、退職のいきさつを聞いた時、咄嗟に「いつも周囲の人に誠実に対応していることで実ったご縁ですね!素晴らしい!」と声を弾ませてしまった。(思い出すとちょっと恥ずかしい)

彼女の人に対する姿勢や態度というのは、社会人になってから学んだものなのかなぁと思っていたのだけれど、この件で、学生の頃から持っていたものなのかも・・・と想像し、さらに感服してしまった。

Maya Angelou(マヤ・アンジェロウ)の名言にこんな言葉がある。

People will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel.
(人はあなたが言ったことも、あなたがしたことも忘れてしまう。だけど、あなたに対して抱いた感情を忘れることはない。)

ホストマザーは、古くからの友人に学校スタッフとして誰か紹介してほしいと頼まれ、彼女のことを思い出してくれたのだそうだ。
結果によってはホストマザー自身の信用に関わることだと思う。
彼女がホームステイ中に、信頼に足る人物だという印象を与えたのだろうと思うし、少なくともまた会いたいと思ってもらえたと言うことだ。
ホストマザーの中に何年も前に彼女に対して抱いた”感情”残っていて、それがポジティブに働いたのも感動だけれど、「あの時の亀です」くらいの時間差で、忘れた頃にご縁がやって来ると言うのもまた面白いなぁと思う。

長らく働いてきて、生きてきて、ご縁というものの大切さを身に染みて感じる場面がある。
今、目の前にあるご縁を将来の自分へ繋いでいくには、その目の前にいるその人に悪い印象を残さないのがまず第一歩だ。
別にだれかれ構わず「いい顔」をすべきと言いたいわけではなくて、然るべきタイミングで信頼できる人物だと思い出してもらえるように、いつも誠実に人に接していたいと言うお話。
働く人としての自分を振り返ってみると、いかなる時も誠実に対応できていたかどうかは正直自信がないから、あくまで今後も努力目標なのだけれど。

これまでのご縁。今、目の前にあるご縁。
どんなご縁がこの先どこでどう繋がるとも分からない。
どんなことが起こるのか分からないのが人生だから、また会いたい、また一緒に働きたい、この仕事を任せたいと思われるように一つ一つに向き合っていこうと思い直すのと共に、改めて気づきをくれた彼女の次のステージが、素敵で実り多きものになるように・・・と願うのであった。

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