見出し画像

初夏を、生きる@class of 2022🎓③

卒業式が終えた後、家族が言った。
「今日は、みんな、卒業式に来てくれてありがと~。
 じゃ、気をつけて帰ってね!!」
そのまま家族は、仲間同士でぎゅう詰めの車でカフェに出かけていった。
しみじみ感涙と共に、親と静かに帰宅するって感じではない・・・✨

それから数時間後、一旦帰宅。
家族を降ろし、明るいクラクションが盛大に鳴らされた後、
家族の友人の車は走り去った。
ガウン姿のまま、仲間とカフェでしばらく過ごし、
その後は学校近くの広大な自然公園に集合。
有志で(かなりの数だったそうだ)沈む夕日を見てきたそうだ。

帰宅後、家族はすぐ、仮眠のために自室に籠った。
学校を会場に、夜の11時から始まる夜通しパーティに行くためだ。

この「夜通しパーティ」のことを聞いた時、かなりびっくりした。
母国でこの発想、あるのかなあ・・・?!
このパーティは、家族の学校の伝統の一つだ。
保護者と生徒が主体で行われ、学校・学校の先生は関わらない。
一種のファンドレイズ(学校の資金集め)の一つで、
入場料のチケット代に、それまでの気持ちも込めて
学校へかなりの額の寄付を上乗せする人も多いらしい。

画像1

パーティ会場には、学区にある食料品店・レストランからの寄付の料理が
たくさん置かれ、いつでも飲食ができる。
ムーンバウンス(空気を入れた風船建物)やカジノ、大きなボードゲームが置かれ、飽きることがなかったそうだ。

また数回、豪華景品が当たるラッフル(くじ引き)が行われたのだとか。
景品は、各人が選ぶことができるので、当たると嬉しいばかり。
景品のアイディアの豊富なことも、とても興味深かった。
高校卒業生が喜びそうなAir pods pro、筋トレ製品、美容製品、
テレビ、家具、洋品店やカフェのギフトカードなど。

また、「~大学入学セット」もあったそうだ。
この「~大学入学セット」は、その大学名の入ったトレーナーやTシャツ、
スポーツウェア・文房具などのグッズはもちろん、
寮生活に必要な寝具、電気スタンド、洗濯籠などの一式。
これに当たれば、大学入学準備のショッピングも不要。
景品を車に満載して出かければいいだけとなる。
プレゼンターは、その大学の卒業生である保護者が務める。
いかにその大学での生活が楽しかったか、
その後の人生の彩を増したかをたっぷり語った上で
当選者を発表してくれたそうだ。

画像2

それぞれが景品を手にした後。
大会場にみんながあつまり、全員参加できるゲームを楽しむ。
子供の時にやったような簡単なゲームだが、それが新鮮。
ひとしきり、和気あいあいとゲームをした後、グラウンドに出る。
皆で朝日を眺め、パーティは流れ解散となる。

ちなみにその2時間後は、学校の始業時間。
卒業生以外の生徒たちに、通常通り授業をしている。

画像3

その後。
方々の友人の「卒業パーティ」に、毎日のように家族は出かけていった。
ホテルのバンケットルーム、レストランが会場のものもあれば、
自宅の裏庭を会場にして、招待客が自由に出入りできるパーティもある。

近隣の高校の卒業式の日は違うため、
同じ高校卒業生で一台の車に乗り、共通の友人達(全員同じ中学出身)の
パーティをハシゴすることもしていた。
たくさん訪問するなかで、「はじめまして」の人のパーティにも
行くこともある。そこで、その主役と周囲の人との出逢いを楽しめる。
家族の友人は、同じ大学に入学する予定の友人を、
これらのパーティを通じ、新たに得たりしたそうだ。

この地のパーティ文化が私は好きだ。
その目的は、家族や親族、友人とコミュニケーションを楽しみ、絆や繋がりを深めること。楽しいいひと時を共に過ごし、感動を共有することにある。そのためか、ここの人達はあまり気負うことなく、気軽にパーティーを開くし、出かけていく。

母国のように、完璧なまで細部まで気持ちと物を行き届かせる
「おもてなし」の文化は美しいと思うが、
主催する側・招待される側、気を使ってしまうかもしれない。
だから人生の大きな節目の時に、オーガナイズしたパーティを
するばかりに、なるのかもしれない。

長いようでいて、短い今年の夏休みを満喫してから、
卒業生たちは新たなる旅立ちに出る。
Congrats, class of 2022!! 

ありがとうございます! あなた様からのお気持ちに、とても嬉しいです。 いただきました厚意は、教育機関、医療機関、動物シェルターなどの 運営資金へ寄付することで、活かしたいと思います。