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aikoを好きで心底愛して

2024年2月8日。
大好きなaikoのライブに初めて行った記念日。

何ヵ月も前から、この日に照準を合わせて生きてきた感覚があって、ついに迎えた当日は、何故か胸がいっぱいで泣きそうだった。本物のaikoの歌が聴けて、同じ空間に居られるなんて夢みたいだ。

普段、好きなアーティストのライブとか行ってもあまりグッズとか買わないタイプの人間だけど、気持ちがはやり過ぎて、開演の4時間前に会場に到着した僕は、グッズの列に並んだ。少しでも今日という日を記念に残したくて、パンフレット、Tシャツ、パーカー、タオル、スマホケースを購入してしまったのには、自分でも驚いた。旅行に行こうがなんだろうが、熱が冷めたときに実用的になるかどうかでシビアに物を購入する自分が、グッズに18000円も使ってしまった。

良い天気だったが、風が強くて外は寒い。とりあえず近くのコメダで購入したパンフレットを見ながら時間を潰す。

そしていよいよ開場時間。会場の日本ガイシホールは名古屋のライブ会場としてはかなり有名なので、もっと広いかと思ったら、わりと中はキュッとしてて近さを感じる。そして、僕の席はスタンド席だけどかなり前列で、aiko名物のアリーナを貫く花道が、5mくらいの距離まで伸びていて驚いた。余裕で肉眼でaiko観測できるじゃん。

初aikoライブだけど、映像作品でaikoのライブは見まくっていて定番曲や会場の感じなどはなんとなく知っている僕はさながら素人童貞。初情事の前に胸が苦しくなり、泣きそうになる。両隣とも女性2人組で、会話を盗み聞く限りかなりライト目なファンっぽかったので、挙動不審な男と思われて引かれるのが嫌で、なるべくおとなしくしていた。

前行ったつばきファクトリーのライブ同様、猛者が集うアリーナと比べ、やっぱりスタンドはライト目なファンが多いのかな、と思っていたら、開演直前になり真後ろから野太い声で「aiko〜!!」と絶叫する2人組が。振り返って顔を見るのも失礼かなと思ったので見れなかったけど、おそらく男女(もしかしたらそうでない人かも)。隣の女性2人組も明らかに気圧されている感じ。どこのファン層でも、声張り上げる系の人っているんだすごいなって思っていたら、いよいよライブが始まった。

流石に少し遠いメインステージにaikoの姿を確認した僕のボルテージは、一気にマックスに…!ってことは意外となく、毎日聴いて、映像でも見ているaikoがいるというこの空間は現実なのか…?とか思いながらボンヤリしている自分が居た。一方で、一曲目からかなり大好きな曲でライブがスタートしたことに大興奮している自分もいて、冷静な自分と陶酔している自分が、2人いる感じ。

他のアーティストのライブにもぼちぼち行ったことのある僕が思うaikoのライブの特徴は、まずはセトリが本当に真のファン向け。大体のアーティストは、例えばアルバムツアーならアルバム曲メインで代表曲を散りばめ1、2曲ファン大喜びのレア曲が入っている、って感じだと思う。周年ライブならベスト盤的なセトリになるし。
だけどaikoのセトリは、1曲目だろうが容赦なく代表曲しか知らない人は振り落としていくセトリ。今回は、わりと最新アルバム曲もたくさんやったけど、他のアーティストなら封印しちゃうような7、8年前のコアなアルバム曲とかを何曲も掘り起こしてやっちゃう嬉しい喜び。

それでいてちゃんとヒット曲とかライブ定番曲もしっかりやれるのは、シンプルに公演時間が長いから。
aiko曰く、名古屋は遠くから来てる人が多く、終電の関係で途中で帰ってしまうことが多い、なんで今日はMCも巻きでサクサク行きます安室奈美恵スタイルで!、とか言って突然「TRY ME」を歌い出す、なんてくだりがあったが、そんなこと言いつつアンコール含めてきっちり3時間もやってくれた。アンコールが7曲もあるなんて、他のアーティストで聞いたことないよ。

そして、上記のMCの感じも含め、とにかくファンと今日だけの時間を作ろうとしてくれようとしてくれるのが嬉しい。僕みたいな捻くれた人間は、僕にとっては貴重な1回のライブでも、アーティストにとっては何公演もあるうちの1つにすぎないんだよなぁ、みたいな気持ちになることがあるんだけど、aikoの場合は一部セトリがその日の感じによって変わったりする、アドリブで突然歌い出してくれる、MCでもその日のその感じを拾ってくれるなど、今日だけの特別感みたいなのをたくさん感じた。あちこちに現地妻がたくさんいるのに、ウチは特別なんや、みたいな勘違いをさせてくれる遊び人みたいな感じ。(変な例え)

公演前に、目下5mくらいまで伸びる花道に期待を膨らませたように、aikoは何度も近くまで走ってきてくれた。オタクがよくやる幸せな勘違い、今絶対目が合って手を振ってくれた!ってのを僕も感じることができた。とりあえず好き!を届きようとめいいっぱいの笑顔で手を振った。後半になるとだんだん手拍子と手を掲げるタイミングの微妙なニュアンスの違いも即座に分かるようになってきた。

3時間のライブという料金の割に贅沢すぎる時間は一瞬で過ぎ去り、なるほどこれがaiko沼というやつかと、帰りの電車の中でぼんやり考えていた。ちゃんと、ファンクラブに入って、本腰を入れて応援すべきかもしれない。もともとそれなりに好きだったaikoのガチ勢になって2、3年。推しができて、応援できるというシアワセをヒシヒシと感じている。本当はあの曲のあそこが良かったとか話せるともっと良いのだけど、まだ横アリと武道館に参加する人が読んでくれてるかもなので、ネタバレなしで…。いつか同じ熱量でaikoを応援できる友達ができたらな。

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