見出し画像

【数学】偏差値とetc

今回は入試問題を通して偏差値を考えましょう


横市医2016





偏差値とは母集団の分布のどのあたりに位置しているかを表すもので
人間が定めた一種の指標です

問題にある通り偏差値は $${偏差値=50+10 \times \dfrac{x-\overline{x}}{s}}$$ で定義されます

$${x}$$は実際の点数,$${\overline{x}}$$は平均点,$${s}$$は標準偏差となります

分散や標準偏差は,データの散らばり具合を表す指標であり
大きければ大きいほど 点数差が大きく散らばっていることになり
小さければ みんなの点数がほぼ同じくらい ということです

$${\dfrac{平均点との差}{全体の散らばり具合}=\dfrac{x-\overline{x}}{s}}$$ の部分だけで1つの指標になるのですが
これだと値が小さく,また負の数になることもあるので
調整した結果が定義の$${偏差値=50+10 \times \dfrac{x-\overline{x}}{s}}$$ということです
便宜上 中央を50としているだけですね

上下に限界はありません
偏差値200も偏差値-10もあり得ます
テストの点数なら その時点での母集団の中での位置を表すものであり
それ以上の意味をもちません
瞬間的かつ個人的なものです

定義からわかる通り 異なる母集団の偏差値を比較しても意味がないですね

したがって 中学受験の偏差値と高校受験の偏差値を同じ目で見てはいけませんし
高校受験においては 他県の偏差値と比較しても参考程度にしかなりません

ある地方の県では偏差値が一番高い高校の偏差値が65である なんてことがあります
学力幅が大きく 65~東大京大レベル ということになります
一方 首都圏の場合の偏差値65の高校では 偏差値65あたりに集中した生徒があつまっています
理由は 首都圏の生徒数と地方の生徒数に大きく差があるため
例えば上から300人を切り取ると 地方のほうが学力幅が大きくなるからです
同じ偏差値でも 実際の生徒の学力は全く違う内容となるんですね
まして 首都圏(東京神奈川)の場合には中学受験で上位者が多く抜けているので 高校の偏差値が高く出る傾向があるかもしれません

そもそも論として 学校の偏差値 という言葉が個人的には嫌いです
学校の偏差値とは 前年の入試での80%合格偏差値等 であり
受験生にとっては 1つの大事な指標となるものですが
あくまで入学時のという瞬間的なものであり そして個人のものです
学校の価値を決める数字でもなく 教育力の水準を決めるものでもなく
入学時に合格した生徒の学力を表している数字ですから それ以上の意味はありません

似たような話ですが さらに付け加えるなら
大学受験においては国立私立によって 教科数が異なるので
国立大学と私立大学の難易度を比較することはできません
戦っている土俵が違うんですね


というわけで 偏差値のお話でした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?