ミールクーポンの期限が切れるので対象の駅ビルのレストラン街で鰻など食べる事にした。コロナ禍前はほぼ毎日外食だった。出社でも客先でも毎日が外出で、帰宅して食事を作る体力も気力もないし、そもそもお腹ペコペコでとにかく早くお腹に何か入れたかった。

そんな頃毎日のように食事をしていたレストラン街で、向こうの方にはサラリーマンが食べているのが見えて、かつての自分の日常を思い出した。

あれは仕事にエネルギーをつぎ込んで、消耗した分のはけ口だったな。欲求を満たす権利があるんだとでも言うような。お金なんか気にしてなかった。1000円札なんてお金の価値があると思ってなかった。

今日は最後の退職の挨拶訪問だった。これであとは事務手続きだけ。同行の社員たちが今日に続く日常として業務の会話をしている。相槌を打ちながらも、わたしはもうその世界にはいない。送別会もきっとそういう場になるんだろうな。みんなは共通の話題として会社の話をする。みんなとは違うところに来ちゃったと感じる時間になるんだろうな。

ミールクーポンなんてなければ真っ直ぐ家に帰りたかった。
一人で外食しながら、独りぼっちだな、と思った。

憂さを晴らすようなものだったから、一人の外食はこれからはあまりしなくなるんだろうな。消耗して消費で憂さを晴らしていた立ち位置が、変わったんだな、と思った。どんな時間になっていくのかな。これから積み重ねていく。まだ見えない。

ちなみに退職を決めてからしたこと。携帯用の水筒を買って持ち歩いてる。ペットボトルの飲み物を買うのを止めた。我ながらみみっちいね。エコだけれども。

鰻は美味しかった。

■やったことFACT

・あとちゃん受診。血液検査。

・退職の挨拶訪問。最後の1件。

ヘッダー写真は夕食の鰻。