あなたは、どこまで節税したいと思いますか?

1か月近く前の話になるのですが、
私は年末近くに出る
「税制改正大綱」を
気にかけています。

税理士ではないのですが、
税理士事務所へ勤めたこともあり、
経理、税務関連のサポートの仕事を
職種として長くしてきたこともあり、
今でも税金関連への
アンテナは高い方だと思います。

主に見るのは、個人に関する税金が
メインですが、今回は
子育てされている世帯や
40歳未満の若年ご夫婦などへの
配慮が目立つなと個人的には感じました。

住宅ローン控除や生命保険料控除などで、
優遇措置があるという点です。

そんな税金関連に関してですが、
不動産投資、大家業をされたい方の
サポートをしていると、必ずと言って
良いほど聞かれることがあります。

それは「節税」についてです。

「どれくらい、税金の支払いを
 抑えることができるのか?」

「経費は、どのくらい入れても
 大丈夫なのか?」

私は税理士ではなく、個別具体的な
計算をすることができませんので、
一般的なことをお伝えさせて
頂いています。

不動産投資、大家業のメリットの
1つとして、節税があげられていることが
多いことも、上記の質問につながって
いるのかな、とも感じます。

そこで、最初に私がお伝えすることは、

「所得税や住民税という、
 今払う税金を抑えるという点では、
 不動産投資は期間限定」

「相続税に関しては、
 節税効果が出やすい」

という内容です。

節税の質問をしてくる方の多くは、
前者の意図、つまり、
今の所得税や住民税を抑えたい
という意図で話されてきます。

そのため、私が、長期的な視点に
たったお話をさせて頂くと、

「節税を一番の目的として、
 不動産投資、大家業をしようと
 考えるのはやめます」

とおっしゃられる方が多いです。

「賃料収入<経費」となり
不動産所得がマイナスとなることで、
給与など本業の収入と相殺し、
所得税、住民税を下げられる
というのが、
大枠としての仕組みにはなりますが、

「相殺できない利息分がある」

「減価償却も、
 築年数に応じた期限がある」

ことにより、思ったほどの節税効果、
つまり相殺できるマイナスが
生まれにくかったり、
生まれても数年で効果が切れたり
ということが、往々にしてあります。

あなたにも、ぜひこの点は、
抑えておいて頂きたいな、と思います。

また、経費をどこまで入れられるかに
関してですが、教科書的な言い方をすれば、
収入に関連するものです。

いろいろな領収証を経費に入れ込もう
とする方もいらっしゃいますが、
もしも万が一、税務調査などが
あった場合は、手痛いしっぺ返しを
くらうこととなりかねません。

そもそも、不動産投資、大家業は、
あまり経費がかからない業種だと
私は感じています。

遠方に物件を保有していて、
視察、管理で現地へ行くなどであれば、
旅費などが経費になるかもしれませんが、
基本的には、利益が出やすい業種だと
私は感じています。

そうなると、利益が出る=税金を払う、
にもつながるのですが、私個人的には、
それで良いのでは?と考えています。

税金を払った後、手元に残ったお金は、
税務署など誰に文句を言われることなく、
自由に使えるからです。

例えば、税率が30%の方だとして、
利益が100万円出た場合。

単純計算すれば、30万円を税金として
払うことになりますが、70万円は
自由に使えるお金として
手元に残すことができます。

少々極端な例ですが、
その利益100万円を減らすために、
100万円の経費を用意するとします。
(減価償却費は加味しません)

この場合、経費に相当する100万円を、
なんらかの形で使う、つまり
お金として支払う必要が出てきます。

そう考えると、最初の逆で、
税金として出ていく予定だった30万円は
手元に残せますが、経費として
100万円支出しているので、
結果としては、差し引き70万円の
お金が出ていっていることになります。

税金を払えば、70万円お金が残る。

税金を抑えれば、70万円お金が減る。

節税を第一目的に意識して取り組んで
しまうと、このような本末転倒な
結果が生じかねないのです。

お金を税金で払いたくない意図で
行う節税が、ふたを開けてみたら、
お金が減ってしまっていた。

あなたには、
このような結果には陥らないように
気を付けて頂きたいと思います。

節税するのであれば、限られた範囲には
なってしまいますが、「所得控除」を
活用するのが良いと私は考えています。

資産形成という意図であれば、
「イデコ」が一番の選択肢
になるかと考えます。

私のような個人事業主や法人役員の方
であれば、「小規模共済」も
良い選択肢だと考えます。

その他は、ふるさと納税や寄付を行ったり、
ご両親や配偶者、お子様などが
扶養の範囲でいらっしゃれば
漏れなく控除を受けること。

昨年の私のように、医療費が
多くかかった場合は、
医療費控除も活用する。

所得控除で節税していくメリットとして
私が思うのは、お金を借りられる
余地を残しておきやすいことです。

金融機関が融資の審査をする場合、
給与は額面の収入になりますが、
事業や不動産に関しては、
所得(利益)をベースに判断されます。

そのため、所得控除は、その所得(利益)
からマイナスして、税金がかかる
課税所得を下げる効果はありますが、
融資審査などの判断には影響を
及ぼさないのです。

節税は、どうお金を使い、どうお金を
残していくか、を考えるポイントに
なってきます。

あなたも私も、自分が
持ち合わせているお金の経営者です。
お金をどう采配して、使っていくかを
考えるという意味で。

無理に多くの税金を払う必要は
ありませんが、できる範囲で
節税は行った上で生じた利益に
対しての税金は、そのまま
払う方が、実はお金を残せる
ことにもつながる可能性も
あるという点、
お考えの選択肢のひとつとして
頭の片隅に
入れて頂ければと思います。

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