ひとりぼっちのヒヨドリ その17
前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その16
2日後
夕方私が外出から戻って車から降りた時、
突然頭の上で
ピーーーッ! ピーーーッ! ピーーーッ!
とヒヨドリの声。
見上げると、道端の電線に止まって
こっちを向いて鳴いている。
あ、 ひよちゃん !
間違いない。
あんな小柄なメスヒヨはひよちゃんだ。
「ひよちゃん! どうしたの?
こっちにおいでよ」
ひよちゃんはじっと電線に止まって
ピーーーッ! ピーーーッ! ピーーーッ! と
私を見降ろして鳴いている。
? ? ?
何か訴えているのだろうか、
何回も何回も鳴いている。
「いいものあげるからおいでよ!」
ピーーーッ! ピーーーッ!
もう一度「こっちにおいで!」と声をかけ
バナナを上げようと家の方に歩きだしたら、
ひよちゃんはサーッとどこかに飛んで行ってしまった。
ナンダロ ((+_+))
何だったのかなあ・・・
帰宅したところを見かけて嬉しかったの?
それとも何か困ったことでも?
違うね、
困った事なんか私に訴えるワケ無いわね。
きっと何となく嬉しくて呼びかけてみたんでしょう。
「もしかしたらエサをねだってたのかも」と、
バナナを皮ごとヘタから5~6センチの所で切って
ユスラウメの枝に固定しておいてみたけど、
ひよちゃんはそれっきり来なかった。
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あれからもう・・・4日?
ひよちゃんは全く見かけなくなってしまった。
あの時大きな声で私に向かって鳴いてたのは
お別れの挨拶だったのだろうか?
その代わり、道の向こうの林の中から
幾つかのつがいのヒヨドリが鳴き交わすらしい声が
にぎやかに聞こえてくる。
ひよちゃんもやっとひとりぼっちじゃなくなって
あの中にいるのかなあ
だったらいいなあ。
・・・・・
もしかしたら、
あの日電線から私に向かって鳴いていたのは
何かを伝えたかったのかも
「結婚したよー」とか、
「これからタマゴ産んであっためなくちゃいけないから
しばらくは来ないからねー」とか、なんて
まさか ねえ (^ _ ^;)
ひと月ほどしたら立派なオスと小柄なメスが
下の畑の桜の木あたりで
4羽のヒナたちの世話を焼いてるのを
見かけるようになったりしたらいいなァ
「ひとりぼっちのヒヨドリ」じゃなくなって
「幸せなヒヨドリ」とか、
タイトル替えられたらいいなァ
〇
〇
〇
そしてまた チラッと嫌な想像が頭をかすめる。
モズなんかにやられないでね!
きっと無事で また元気な姿見せてね!
つ づ く
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