【ロック少年・青年小説集】「東京にやってきた」②~隣室のヘビメタギタリストi君とのおもいで~
ユキオの隣室にはi君というギターのうまい大学生が住んでいた。
i君は東北の地方都市出身。
得意なのはライトハンド奏法だった。
元々が坊ちゃん育ちなのか、木造共同アパートにもかかわらず、
かなり大きなアンプでヘッドフォンもせず、大音量で白い国産メーカーのSGを弾いていた。
ユキオもエレキギターを持っていたが、彼の腕前を見て、
リードギターは自分には無理だろうという諦めが強くなった。
高校2年までユキオが毎日のように中毒していた音楽ジャンルを得意にしていたi君は、かつて自