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とーます模話 小説作品集

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自分の中の煙を吐き出し、取り出してみてみる。そして、それがどんなものであるかを確かめたい。いつの日か、何もかもありのままで自分を受け入れる時がくると信じたい。
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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

「S、じゃあ、最初から4曲通しでもう一度ね」 「コグレさん、またですか?」 「あと、1時間し…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

バンド内の軋轢とフラストレーションによる緊張でスタジオはひりひりしていた。 Fがいきなり…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

いよいよ明日がライブの日だ。 今夜、Sの住む街のスタジオでバンド練習がある。 Sが夕刊配達…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

Sが戻ってきた。 また通しで練習していた1曲目「カモンエブリバディ」だった。 止めるのが嫌…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

「ユキオ、コーヒー飲むか?」 ヒデキはネルドリップで出してくれる。 それが喫茶店よりうま…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

ユキオにはロックやギターの師匠にあたる人間が何人かいた。 ヒデキはいとこで5歳年上。 元プ…

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立ってみよう④~」

Fがハイテンションで入ってきた。 1時間以上の遅刻だ。 残り1時間足らず。 「コグレさん、ステージ成功させましょうね!」 臆面もなく、握手を求めてきた。 この手の握手を求めてくる奴にロクなやつはいない。 手を蹴飛ばそうと思ったが、まあ、仕方なく握手に応じた。 Fはメンバーに陽気に、かつ強気に遅刻をわびる様子もなく、 軽口をかわしながら、一人ずつに声をかけている。 要領のいい、「うまい男」なのだな。 メンバーからは、遅刻の件をぶつくさ言われつつも、 なんだか仲が良さ

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

サマータイムブルースが始まった。 Sは、いちおうサマータイムブルースを覚えてきたような感…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

「コグレさん、Sがボーカルをやるって言ってます。他のバンドで出るDがコーラスをしてくれるこ…

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【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

ユキオは25歳になっていた。 サラリーマンを辞めて、マンガ編集のアルバイトをしていた。 脱…

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【ロック少年・青年小説集】「東京にやってきた④~ロックビデオを見に行こう後編~」

店を出たユキオはアートシアター新宿を探した。 靖国通りは初めてだった。 途中に楽器店もあ…

とーます模話
2週間前
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【少年小説】「ぼうくうごうから」⑧~最終回~

東京から実家に帰ってからしばらくして、ゆきおには〈おまえは死ね〉という声が聞こえるように…

とーます模話
2週間前
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【ロック少年・青年小説集】「東京にやってきた③~ロックビデオを見に行こう前編~」

ユキオは東京の5月をたいへん気に入っていた。 都会の割に緑地は多いし、公園はきれいだった…

とーます模話
2週間前
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【少年・青年小説 食シリーズ】「東京に食べるためにやってきた①~鍋で食べるマルちゃんのタヌキうどんの話~」

ユキオは今日、上京した。 四畳半、キッチン付き、共同トイレ、共同玄関の2階だ。 窓は、南側で明るかった。 家具は自分で東京で買うことにして、親からお金だけもらっていた。 とはいえ、なべや日用品などは段ボールであらかじめ送ってもらっていた。 大家さんにあいさつしたあと、部屋に入った。 夕方近くだったことに気づいたとき…電灯を買ってなかったことにやっと気づいた。 あらかじめ、部屋には100ワット電球がついていたので、真っ暗な夜になることはなかったが、夜に近づくにつれて暗く