PR・広報が見ておくべき3本

今回は、自分が若手のころ通っていたクリエーターの先生の私塾の同門の妹弟子Eさんからのこんなお題です。

めっちゃピンポイントですがPR・広報が見ておくべき映画でお願いします!

これってそもそも、PRとか広報っていう御仕事をなんだと思っているかがめっちゃ問われるお題ですね。ざっくり言ってしまえば「商品とかサービスのいいところを世の中に伝えるお仕事」であって、その中で伝えたい側の人が自分でお金払って世界観を作りこんで御伝えするのが「広告」のお仕事っていうことになるかなと。でもまあ、狭義のPR・広報って、「広告」以外のことを言うことのほうが多くて、「伝える」というよりは「”伝わる”段取りを考えて踏む」ために、世の中が何を知りたがって、見たがっているのかを、自分たちが言いたいことを言う以上にケアしている人たちだよなあって思ったり。なので、なんとなく、「世の中の観方」みたいなことを軸にしつつ、ちょっと選んでみましたです。

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ビル・カニンガム&ニューヨーク

2013年5月公開
監督:リチャード・プレス
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NYで何十年も、ストリートスナップを続け、ファッション界の重鎮達に愛され続けているあるおじいちゃんのドキュメンタリー。自分の目と体で、膨大な量と質の一次情報にひたすら接続し続けることで、誰も見出せない法則や感覚値にたどり着く。それでしか、プロフェッショナルであるとは言えないんだと、改めて反省。

「街が語りかけてくるのを待つんだ。”次は膝丈だ”と決めていくんじゃない。近道なんかないんだ。誰でもセンスはある。でも、勇気がないだけなんだ。」

「一つに偏ってはダメだ。コレクションを撮る。自腹ファッションを撮る。そしてパーティを撮る。3つやらないと見えてこない。」

名言多数です。”近道なんかないんだ”と。ついついまとめサイトをペロっと見たり、雑誌を眺めたり、SNSをクロールしたり、それだけで世の中の風向きを知った気になれてしまう時代だからこそ、「自分ならではの世の中の観方」を蓄積している人のすごみ、みたいなものがますますモノをいうのかもしれないですね。この映画から学び取れるPR・広報の学びは「世の中の観方がオリジナルなら、出てくる企画もオリジナルになる」ってことでしょうか。

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トゥルーマン・ショー

1998年公開
監督:ピーター・ウィアー
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平凡ながら幸せな毎日を送る青年が、その日常がすべて”作り物”であるという真相と戦うお話。自分の人生は、たとえ不確かでリスクに満ち満ちていて起伏や絶望が多くても、自分で作っていくことに本当の生きる手ごたえがあるんじゃないかっていうメッセージを強く込めた映画。プロットと設定が秀逸。プロダクトプレイスメントとか、いろいろよく出来た仕組みもあり、感心しながら見れました。終盤、もう少し主人公の絶望と再生をぐりぐりと描いてほしかったという物足りなさはあるなーとは思いつつ、とてもよくよくできた映画だと思います。ジム・キャリーはまあ、何をやってもジムキャリーなんだけど笑 これははまり役でしょう。この映画から学び取れるPR・広報の学びは「ネタにしていいものと悪いものの線引きはお大事に」ってことでしょうか。耳目を集めれば人のこといくらネタにしてもいい、みたいなことって、悪魔のささやきとしてやっぱりあるとおもうし、人によってはそういうことまで含めて成果出すことをむしろ「頭いい」「アイデアすごい」とかいう輩もいると思うのだけど、やっぱり、人をだましちゃいかんよなあとか、この映画を見るたびに思うわけですw こういう見方でこの映画見る人あんまりいないとは思うけど笑

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ネットワーク

1976年公開
監督:シドニー・ルメット
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ある不人気番組のキャスター更迭から始まる、視聴率をめぐるテレビ局の暴走のお話。当事者不在という状況がどうやって巻き起こるかという御話。鬱を発症し思ってもいないことで人々を煽る老司会。視聴率のことしか考えがないディレクター。感情をただ爆発させることだけを考えて扇動される民衆。だれがなにをしたいんだかワカラナイ流れで物事がどんどんと転がっていく恐ろしい状況が終始繰り広げられる。オチが極論だからこそ、際立つ。アカデミー主演女優賞はフェイ・ダナウェイ。何かが欠落している優秀な人間の怖い目がうまくて、怖い。この映画から学び取れるPR・広報の学びは「世の盛り上がりって、実は真ん中が中空なことってあるよね」ってことでしょうか。本質的に今の社会や人の生活にとって、どういう価値があるのか、そういうことは、本当に自分の踏みとどまりのラインとしてどこかに持ってないと、「盛り上がってるから盛り上げよう」みたいな理屈で、どこに向かうのかわからないことが、結構起こるのが人間の塊としての社会なのかなあと思うと、怖い。その切っ先で働くこの業界の人間だからこそ、自分の中に矜持をもってないとほんとおかしな情報ゴミを世の中にまき散らすのみならず、やべえことになる可能性もあるってことはキモに銘じないといけんよなあ。

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結果として、PRのお仕事への希望っていうよりも戒めみたいな3選になっちゃったけどw 戒めないといけないくらい、人の欲望と向き合ってそれを扱って動かすお仕事っていうことでもあるなあと。そこが魔力的な楽しさだったりもするので、難しいけど、欲があるから世の中まわるし、欲があるからものが売れるわけで、責任重大というか、倫理観問われるのは当然っちゃあ当然なのかもしれない笑 でも、モノにあんまり興味が持てなくて、人間の心理が大好きな私としては、「扱うのは情報と人間」という楽しくてうらやましい仕事だなあとか思ったり笑 なのであんまり暗くならずに笑、面白がってみてもらえればと思います!

「このテーマだったら俺ならこの3本だ!」という方のコメント、お待ちしてます。観ます!そして、バックナンバーはこちらにまとめています。

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吉田将英

THREE FOR YOU ~なりたい気分で映画3選~

「映画は嫌いじゃないけど、”自分が観たい映画”との巡り合い方が分からない!?」という人のための、『なりたい気持ちで映画を探せるマガジン』です。映画年間100本の経験値から、人に「3本」薦める企画をやってきた記録のnoteを付けていくマガジンです。
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