オン読_ブランドメディア_

【オン読】17.05月のまとめ

オンライン読書会「オン読」。5月のテーマは、問い本【ブランド「メディア」のつくり方】(嶋浩一郎編・誠文堂新光社)を課題図書にして「どんな情報発信が、世の中からよい期待感を持ってもらうことにつながるか」を考えてみます。情報発信っていうのは中々業が深い領域というか、何をやっているのかという実態と、それが周囲にどう認識されるかというイメージは、必ずしも一致しない。大きく見せようとする輩もたくさんいるし、伝え方がへたくそで損をしているプロジェクトもたくさん。この本はプロジェクトの情報発信ということではなく、そもそもメディアの編集者たちのノウハウの編纂本なので、発信すなわち中身であり実態なのだけど、それくらいの濃い発信の現場で、プロが何を考えているのかについては分かりやすい本だと思います。ではでは、まとめてみます。

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何を大事にしたいのかっていう「スタンス」が大事

どの編集者の記述にも共有しているのが、「自分たちのチームは何を大事にしたいのか」という、スタンスがあるということ。スタンスが、文体や、編集の方針や、事実の切り取り方、更新頻度や編集体制にまでかかわってくる。つくり手側のスタンスが、諸々の因数を決定づけで最後に、なんというか、そのメディアから立ち上る人格みたいなものになって伝わっていくんだと思うわけです。「こういうときは、うちならこうします」っていうスタンスが、まるで人柄のように立ち上がり読者に伝わっていくのは、言い換えればプロジェクトも人間と一緒だなと。

やり方を、言語化する。

そんなスタンスがこの本を読むとすごく「秘訣やコツ」として目白押しで、大変勉強になるんだけど、これも実は当たり前のことじゃないんだよね。要するに、自分たちのやり方とか、大事にしていること、あるいは経験則で見出された勝ちパターンって、ほとんどのプロジェクトやチームは、こんなにきれいに言語化しないまま、日々の運営をしているんじゃないかなと。僕自身、自分が日頃やっている仕事を折に触れて立ち止まって、「あの仕事はなぜうまくいったのか」「自分が知らず知らずに大事にしているポイントはなにか」「いつもどうやって物事を決めているのか」、案外わかってない。スタンスがしっかりあって、それが外に伝わる形にまで煮詰められているプロジェクトは、そこがちゃんとわかってるんですよね。暗黙知が「秘訣やコツ」にちゃんと昇華されている。当たり前なんだけど、自分で言語化できていないものが、外側に伝わるのはなかなかあり得ないことで。もちろん細かく一切合切整理する必要もないし、言語化できない、なんともいえない「らしさ」みたいなものも存在するんだけど、それは再現性が低くて、毎回毎回少しずつずれたスタンスになって現れる。チームの誰が担当したかによって仕上がりがバラバラする。そうすると、最初の問いにもあったような「自分たちにとって望ましい期待値を周りにもってもらう」ことにはなかなかならないんだよね。ある安定したスタンスの上で、毎回少しずつ新しいことを発信していく。そのためにも、一度言語化してみることがいいと思うわけです。

前回の課題図書でも話した「自分だけの秘伝のタレを漬け込んでおくこと」も、つながる話。そしてそのタレが、どういいのかを言語化できて、どんな料理のどんなときに使うと、どんな味になるのかを理解していること。それを反復して繰り返し、ある種「お約束」を伝える相手との間に共犯的に形作っている。突飛なことや面白いことはそのうえにこそ映えるんだと思いますです。

ちょっと抽象的で分かりにくいかもしれないので、簡単に意識できることをひとつだけあげるとすると、プロジェクトの区切りのタイミングで「今回のプロジェクトの進め方の良かったところ/悪かったところ」を振り返る、ってことからはじめてみるといいと思います。本番が終わった後、その本番そのものの良し悪しだけでなく、そこに至るまでのやり方を振り返る。それを何度か繰り返していくことで、「我々らしい、うまく行かせ方」みたいなのが見えてくるかと。

スタンスを考えよう。それが今回の最大の教訓かなと思います。

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そんなわけで、「どんな立ち居振る舞いで周囲に働きかけていくのか」について、考えるきっかけとしてはやっぱり良書だったんじゃないかなと思います。大事なのは「言語化」なので、めんどくさいとは思いますが、あらためて自分の企画のこれまでのやり方や、それを言語化したときにどんな「スタンス」だと言えるのかを見返したいなと思った次第。企画考えるときに自分のnoteを見返してます、良く考えたら自分。なんてね。
次回の課題図書は、またすぐにオープンします!もしよかったら次回も参加してくださいませ!


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