Mai Ikura

蝋燭作家Mai Ikuraに纏わるあれこれ (1分間で読める小話)

Mai Ikura

蝋燭作家Mai Ikuraに纏わるあれこれ (1分間で読める小話)

最近の記事

しあわせ?

今日 息子が私に聞いてきた 「ママはしあわせ?」 「ママはあなたがいてくれるから とても幸せよ」 そう答えたら うれしそうに微笑んで いつまでもこのままだったらいいのになぁ

    • いいじだい

      いい時代とはいつのことだろう 今よりきっと少し不便だったけど 人と人との温かみを感じたあの時代と人はいう。 今は全てがスマートで 効率的でタイパもコスパも良くて 豊かな暮らしのために作られたスマートな物事に すこしさびしさを感じている私もきっと もれなくいい時代を過ごしてきたひとりなのだろう。 スマートとは真逆の世界の「蝋燭のある暮らし」 私はこれからも細々とこの良さを伝えていきたい。

      • またね

        またね とても切なく希望に満ちた言葉 また会おうね これから少し離れてしまうけれど またきっと会えるよね また会えるその日まで 私も元気でいるから あなたも元気でいて そして次に会えた時にはまた またねって言い合おうね

        • はじまりはおわりのはじまり

          4月からいよいよ展示室「蝋燭 祈雨」がはじまる はじまるということは 終わりに近づくということ わたしも これからはじまる展示室も いつかはなくなる なくなることがわかっているのに どうしてこの場所をつくったのだろう その理由を これから歩む道の中で見つけたい ほんとうはうっすらわかっているのだけど

        しあわせ?

          どっちだとおもう?

          長男はときどき 「どっちだとおもう?」と私に聞く。 「⚪︎⚪︎と⚪︎⚪︎、ぼくがえらんだのはどっちだとおもう?」 その度に答えるのだけど、 だいたい当たる それはなぜかというと 正解のほうの説明の方が長いから 長男はときどき 「ママってなんでぼくのことぜんぶわかるの?」 と聞いてくる ふふふ おかあさんはあなたのことが大好きだから

          どっちだとおもう?

          さくらのあるけしき

          淡路島に移住し初めての春を迎えた時 山の中に咲く桜を見て驚いた 私の地元である東京の桜は 道や公園に咲いていて その景色をずっと 気にとめることもなく育ったから 淡路島に来て驚いたことは他にもある たとえばオクラは上へ上へと成長することや ピーマンの収穫を逃すと赤くなること 海や空の色が毎日変わること 私はこういうことがしたかった なんでもある東京でも 経験できないことがたくさんあって 私が知っているひとつの「普通」だけでなく ほかの「普通」を感じたかった 淡路島に

          さくらのあるけしき

          あめのおと

          雨の音はおもしろい ザーザー ポタポタ サーサー ピチャピチャ 雨粒と何かがぶつかって いろんな音を出している 雨はいいな 私も雨のように いろんな音を出したい

          あめのおと

          もうすぐとべそう

          先日香川県にある小豆島へ行った。 小豆島には映画「魔女の宅急便」の ロケ地となった場所があり 魔法のほうきを借りてフォトジェニックな撮影ができる。 この場所にくることをとても楽しみにしていた長男。 早速ほうきを借りて、 写真映えのする大きな風車のある丘で1枚、、 と思ったらなんだか長男の様子がおかしい。 あ、さては本当に飛べると思っていたのに 飛べなかったからショックを受けているんだな そう思った私は寄り添おうと声をかけたが その声は息子の耳に届いていないようだった。

          もうすぐとべそう

          うまれたてのはだ

          春の作品を制作する それは 視覚聴覚嗅覚で移ろう季節を探すことからはじまる はる ハル 春 この春はどこにあるだろう 私が1番最初に見つけたこの春は 生まれたての肌だった 透き通る産毛がほわほわで さらさらで柔らかくて ちょうど蕾となった花と 緑が深くなりはじめた草と そして手の中に生まれた白い光 濡れた睫毛もかわいくて ずっと大切にしまっておきたくなるような想い そんな春を蝋燭で表現しました。 そしてもうひとつ いつもよりも色が鮮やかで華やかで 女性らしい

          うまれたてのはだ

          きげんのよいおっと

          先日、仕事から帰宅した夫の機嫌が良かった。 私はそれをなぜだか知っている。 前の日に夫のお母さんから 「淡路島出身の知り合いに見せたい」とのことで 絵葉書や地図の取り寄せを頼まれ、 そして無事に手に入れることができたから。 もっと言うと 「誰かの笑顔のために、良いことをした」から。 これは本当に不思議なのだけど 自分の欲しいものを手にするよりも 人への贈り物を選んでいる時の方が ワクワクしたりすることがある。 相手の顔を思い浮かべて 喜んでくれたら嬉しいな 役に立っ

          きげんのよいおっと

          こちらこそ

          私は毎晩眠りにつく前に 息子たちに 「今日も一日過ごしてくれてありがとう」と 言うのだけど、そうすると毎回 「こちらこそありがとう」と返ってくる。 人と人は鏡だなと これまでの人間関係で学んできた。 息子から「こちらこそ」と言われるたびに 私はこのまま生きていて良いのだと思わせてもらえる。 本当に大切なことは 口にしなくても、言葉にしなくてもよい そういう考えももちろんある だけど口にしなくてもわかりあっている(はず)と 思うことは その関係が近ければ近いほど少々危険

          こちらこそ

          てっこつはおいしい

          自宅と展示室を行き来する日々 先日長男(6)が付いて来てくれたので 久しぶりにふたりでランチをした。 スペアリブを頼んだ長男が 「パパはてっこつがだいすきだよねー」 と突然言い出した。 長男の言い間違いはよくある 一度見聞きした言葉を使いたい年頃で 概ね何を言いたいのか予想がつくので 普段は会話が成り立つのだけど、 今回ばかりはわからなかった。 「てっこつ?」 そう聞き返した私の頭の中では すでに夫が鉄骨に齧り付いている。 なに鉄骨って? てっこつだよてっこつ!

          てっこつはおいしい

          はじめましてと主な登場人物

          はじめまして 活動歴7年目、 蝋燭作家のMai Ikuraと申します。 3年前、 地元東京から淡路島に家族とともに移住し あれこれ考え抜いた結果 展示室「蝋燭 祈雨」を設けました。 これから私の周りで起きている おもしろいこと 興味深いこと ほっこりしたことなど 日常のあれこれを綴っていけたらと思います。 毎日のことは毎日少しずつ忘れてしまうから 備忘録を兼ねて⚪︎ 主な登場人物 私(40) 夫(31) 長男(6) 次男(1) なんでもない今日は いつかの尊い日 宜

          はじめましてと主な登場人物