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愛がいっぱいの定食屋さん

こんにちは。Maicoです。

昨年、北海道から東京に引っ越してきたわたしたち夫婦。

ご縁あって住むことになった土地の最寄駅の周辺は、「せんべろ」の名店が軒を連ねるような安くてうまい大衆酒場が集まる繁華街。

駅を出てまっすぐ進むと、大きなアーケード商店街があり、そのなかには昔ながらの八百屋さんや魚屋さん、ときどき演歌歌手が歌いに来るようなシニア御用達のレコード店から、なじみのある牛丼やラーメン店などのチェーン店、スーパーに100均、最新のおしゃれカフェに至るまで、ごちゃごちゃといろんなお店が立ち並んでいます。

東京のおしゃれで洗練された街もステキだなと思うのだけど、なんていうか、老いも若きも、ジャンルも何も関係なく包み込んでくれるようなカッコつけない人間味ある街って、なんだかいいな、と思うのです。

引っ越してきた当初は、繁華街が近いし、治安はどうなんだろうと心配や不安もありましたが、今ではすっかりこの街が気に入っています。

にぎわうアーケード街をぬけると、これまた小さな商店街が続いていて、ここにはさらに昭和レトロなお店が立ち並ぶ風景が続いているのだけど、そのなかでもわたしが気に入っているのが、昔ながらの定食屋さん。

お店の外観は、赤いテント屋根にお店の名前が大きくどーんと書かれているのが目印。ドアの横には手書きで書かれたメニューと写真がズラリと並んでいて、入る前から食欲をそそります。

ガラガラ、と年季の入った木製の引き戸を開けると、左手にカウンターが4席、右手に4人がけのテーブルが3卓のこぢんまりした店内。お母さんのやさしい笑顔がお出迎えしてくれます。

店内にも、ところせましと貼られた手書きのメニューと、写真付きメニューたち。
カツ丼、生姜焼き定食などの和食から、ハンバーグ、スパゲッティなど洋食にいたるまで、とにかくメニューが豊富!そしてぜんぶ安い!

年配のご夫婦で経営されているこのお店は、たいていいつ行っても大にぎわい。1人で来ているサラリーマンから家族連れまで。地元のさまざまな人に愛されているお店なんだなと伝わってきます。

お父さんひとりで、この豊富なメニューを次から次へと作って出してくるスピーディーさには、毎回おどろかされます。手際よくホールをきりもりするお母さんとの息の合った連携プレーもまた気持ちいい。

わたしが先日頼んだのは、チーズハンバーグ定食。

大きなチーズハンバーグにデミグラスソースがたっぷり。横には目玉焼きも。そして付け合せのサラダに手づくりナポリタン、冷や奴におしんこも。最後に、ほぼどんぶりだよねというサイズのご飯とお味噌汁。

これで、なんと970円!驚きの価格。

味ももちろん美味しいから、もう箸が止まらない。普段そんなに大食いじゃないわたしも、ここに行くと大盛りごはんもぜんぶ食べきれてしまう不思議な定食。

うまく言えないのだけど、とにかくお父さんお母さんの愛がぎゅうぎゅうに詰まっている定食で、食べるとすごく気持ちが温かくなるのです。

どこにでもあるチェーン店では感じられないエネルギー。やっぱり料理にもその人の愛情や思いは、味つけのひとつとして加わっているものなんだなと感じます。

せっかく外食するのなら、わたしはこういう料理にお金を払いたい(ご夫婦を応援したいな)と思います。


昨日、お店の前を通りがかったら、「明日からしばらくお店を休業します」という貼り紙を見つけて驚いたのだけど、よくよく読むと、「慰安旅行のため」と書いてあってホッとしました。

ご夫婦で旅行かな、お子さんやお孫さんもいるのかな…なんて妄想も膨らんで、それだけでも心がほっこり幸せな気持ちになりました。




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