「足裏で天使が夢見る夜は」

ザムザ阿佐ヶ谷で、素敵すぎる3名のアーティストが共演する舞台をみた。

ダンス、音楽、インプロ。それぞれ違うフィールドで活躍している人たち。

私は最近、これからのことを考える素晴らしい機会をいただき

素晴らしいものに当たったがために、なんだか色々考えていた。

自分の中ではとてもシンプルに答えは出ているのに、妙に頭で考えていた。

そして、そのモヤモヤした考えは、この舞台を観たことによって、いとも簡単に解決してしまった。


終わった後、居酒屋で、「楽しくてしょうがない」「幸せだ」と言った出演者の方々。

思わず、すごいですねと勝手に言葉が出た。

心の底からその瞬間を楽しみ、個々が立って信頼し合って、流れるようにコミュニケーションを取り、幸せだと言える人がどれだけいるだろう。

観ているだけで、息が出来ないくらい心が揺れるあの空間なのに(笑)

口で言うのは簡単だけれど、体現しているひとはどれだけいるのだろう。

失敗を恐れない、自分をさらけ出せ、正解を探すな。

それをこんなに、言葉をつかわずにみせてくれる大人がいた。

かっこいい大人だと思った。

嘘がなく、ハッピーで、真摯で、ふざけていて、可愛らしい。

愛さずにいられる人がいるのだろうか。

私だって十分大人の年齢なのに(29歳独身)、こんな大人になりたいと願った。


最近、亡くなったわたしの先生が言っていた言葉の意味を少しずつ理解出来るようになった。

「続けることが才能だ。」

続けるっていうのは、ただやっているってことじゃない。

惰性じゃなく、なんとなくじゃなく、続けているフリをすることじゃない。

目の前に、先生の言っていた才能を持った人たちが居た。


私は、演劇は人生の中で必ずしも必要なものではないと思っている。

なくても生きていけるものだと思っている。

けれど、演劇をしているのが、今までの人生の中で何よりも楽しい。

そして、自分も、自分の周りも、触れることによって生きることを見つめられるものだと思っている。


小学校2年生の時、一度、歌手になりたいと言ったことがある。

今でも覚えている。仙台の家の、キッチンで言った。

馬鹿じゃないのと返されて、歌手になりたいと言うことは馬鹿なことなんだと、

自分は恥ずかしいことを言ってしまったんだと思っていたあの日の自分を

私は今回の舞台で抱きしめてもらったと思っている。

噺家さんのおばあちゃんが、7歳の噺家さんにしてあげたように。

私も一緒に抱きしめてもらったと思っている。


演劇は、生きていくのに必ずしも必要なものではないと思っている。

けれど、私は今回の舞台を観れて良かった。
この舞台のおかげで、小学校2年生の、あの日のわたしを初めてちゃんと抱きしめられた。

生きていく中で、間違いなく自分の人生が変わるエネルギーを浴びた。

体現して生きていこうと思えた。


世界の重心の中心がここにあるんじゃないかと毎回感じる熊谷拓明さん、

初めて空から声が降ってきたという感覚をもらった原田茶飯事さん、

いつも魂を削って生きることをみせてくれる大好きなワタリさん、

それぞれの生き様を、苦しいほど心に響かせてくれた、

3名の天使に心からの感謝!!!

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