熊谷拓明

【コラム】真似る先に

2011年にアメリカから帰国してすぐに始めた作品作り。
それは脳裏に焼き付いている映画、舞台、映像、人物を僻みながら真似る日々だった。

大きな舞台に立ち続けたシルク・ドゥ・ソレイユな日々から戻った僕は、日本で自分が思う舞台表現を発表しようと意気込み作品を作り出した。

さぁ、何をやろうか。となると頭のなかに出てくるのはYouTubeなどで見ていたピナバウシュやピーピングトム の作品の中の光景だっ

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【コラム】攻めない。守らない。踊らない?

□追い詰めた先のエネルギー

10代から舞台で踊らせて頂いて、40歳になろうとしている今まで変わらないのは緊張しないこと。

15歳でダンススタジオに入会して、16歳で発表会に出させてもらった。
僕は7作品に参加、札幌教育文化会館大ホールで沢山のお客様の前、とんでもなくで続けるアドレナリン。
楽しくて、幸せで、「見てくれ!俺は足がここまで上がるんだぜ!こんなに回れるんだぜ!」が体から溢れていた事を

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【脚本】踊る楽語シリーズより。 『傾けると吉』

【踊る『楽語』】とは。
オリジナル落語風脚本を熊谷が執筆、上演。
脚本の『熊谷』の部分を座布団に座って演じ、物語の登場人物の台詞はそここら立ち上がり一人芝居踊りをする。
座布団と一人芝居踊りの行き来もまるで『踊り』のように見えるオリジナルジャンルである。

-あらすじ-
健康食品会社に勤める進藤まさるが、小料理屋居酒屋の若女将坂下はなこと交際を始めてから2年。
地元の友人達と酒をのみ、互いの近況を

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【コラム】嫌いを探さず、好きを選ぶ。

□選択肢が増える事と、知識が増える事と。

踊りを踊りたいのは確かだったが、何を踊りたいのか。
踊りたい踊り。踊りたくない踊り。果たして何が向いているのか。

15才で初めてダンススタジオに通い始めた頃、ミュージカルに憧れてダンスを志した僕は、おそらくジャズダンスやバレエがやりたいのだろうと思い入会したもののあまりのジャンル多さに驚く。

ミュージカルの中に出てくるダンス(僕はCATSが全てだった

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【コラム】群れない群れ達

□ダンスのこれからには興味はない

ダンスがもっと日本でも文化として根付く為に何が出来るか?よりも、ダンスを続けて来た僕が今社会にどう根付くか?が大切。

25年ほどダンスを続けて来た中で、日本でダンスってのはやはり難しいのかなぁと思った事が幾度となくあった。
まぁだったら海外に行けばよいし、色々な事情で日本にいるのか、そもそもやはり日本が好きなのか人それぞれだと思うが、どちらにしても日本にいて日

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【コラム】ダンスに関わる事と、ダンスで関わる事。

□おじさんには関係のない部類の事だ

今年で所謂ダンスを始めて25年が経ちました。
ダンスと関わるようになって25年です。

15歳でスタジオに通い始めて、それから5年ほど経ったある夜。僕はタクシーに乗り家に帰ろうとしていました。
車内でタクシードライバーさんが『お兄ちゃんそんな髪の色してなにやってるの?』(※当日金髪の若者は今ほど多くなく、なんだか妙に札幌で目立っていたのか、目立ちたかったのか。

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【コラム】負けるから始める。

□踊場の広い階段

15才でダンスを始めた僕はとても平和に踊っていました。
舞台で少し前よりも多くのパートを踊らせてもらうだけで、とても幸せで今の自分のダンスに幸せに浸る事が出来ました。まるで数段上るとすぐに大きな踊場がある階段のようだった。

25年前の札幌でダンスを始めた頃は、ダンスの動画をYouTubeで観る。なんて事は皆無であり、日々目の前で繰り広げられるダンスが全てで、憧れでした。

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【コラム】やめない先に。

ダンス劇作家と言い張って7年。最高に報われた日があったわけではないが、このスタイルやめよう。とは思ったことはなく。それは僕が頑張ったのではなく、その渦に僕を巻き込んでくれた人達がいたからなんです。

□小さな「ヤッタ!」

どんな規模でも、どんな場所でも、自分の信じるスタイルでパフォーマンスをしていると、「面白かった」「なんなんですか?これは?良かったです」とか言って下さったり。
Twitterで

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【コラム】稽古場のあり方

□目的と期間

このところ自分以外の人に振りを付けたり、演出をしたりすることが多い数ヵ月を送っている。出演者が複数いる稽古場での演出家、振付家のあり方について考えてみた。

僕自身はとにかく言葉数多く伝える、そして本当に怒らない。“怒らない”とあらためて言葉にすると、子供相手じゃないんだから怒らないだろ。と思う方もいるかもしれませんが、プロの現場でも見事なタイミングで渇を入れて出演者達を導く事に長

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【小説の欠片】~嗚呼、愛しのソフィアンぬ~より。

2017年に千歳船橋のアポックシアターにて上演された、熊谷の一人ダンス劇「嗚呼、愛しのソフィアンぬ」
相方に逃げられた漫談師“じょセフィーヌ”が1人居抜きで借りた元スナック“あかひげ”でコアなファンを集めて夜な夜な一人漫談を繰り返し。元相方へのひねくれた悶々とした愛を消化しきれずに過ごしていく様を描いたダンス劇脚本を元に、ダンス劇で描かれた以前のコンビ結成までを、熊谷本人が書く短編小説の【欠片】を

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