保育園に子供を通わせていて
興味深いことのひとつが
親たちの観察です。

などと書くと、
あけすけないのですが
とくに親しくもないひとの
夫婦関係や、
親子関係をこんなに頻繁に
しかも間近でみる機会って
そんなになくて、
わたしには面白くてたまらないのです。

幼稚園などと違って
行事もそんなにないし、
とにかく共働き家庭の
お母さんもお父さんもやたら忙しい。

なので、
やれ誰とランチしたとか
誰のお誕生会に呼ばれたとか
そんな優雅と面倒の
紙一重のような付き合いに
気を揉むこともいっさいないです。

お迎えのときの情報交換や
たまに週末公園で
遊ばせたりとか
淡〜い感じの付き合い。
で、私には保育園付き合いは
これくらいがちょうどいいんです。

そんななかでも、
比較的連絡をとりあう
人ができたりもします。

あるママは、
いっさい子供に媚びるところのないキャラで
彼女の２歳の子供にも
「はやくしなさい！」
という調子でビシビシ
叱りつけてるのではじめは
ちょっとキツいひと？
みたいに思ってたんですね。

ほら、たいていの親は
家でビシビシ言っても
保育園みたいに「外」では
優しめに振る舞うものではないですか。

ただ、その飾らなさというか
「ひとによくみられたい」願望のにじまない
態度が気になっていたのと

その一見地味な
ひっつめ髪に黒っぽい服装も、

よくみると靴は
ディオールだったり
凝ったカットのスカートを
まとっていたり、
ざっかけなくみえて
こだわりのあるお洒落で、
そういう
お洒落に私は弱い。

で、いろいろ話してみると
「子供第一！」ではなく
「週末は習い事があるから…私の」
とか、好きな舞台や演奏会に
きちんと通ってるところなどが
「大人の楽しみはちゃんと続ける」
という矜持みたいなものがあって
（未就学児いながらそれは
けっこう気力と努力を要する）
なかなかいいなあ！と思ったのです。

とはいえまったく
ベタベタする隙はなくて
一見、ぶっきらぼう。
そもそも簡単に
笑顔をみせない感じの
優しさ安売りしないタイプの人なんですよ。

さて。
そんな彼女とLINEで
とあるイベント情報のやりとりを
していたときのこと。
顔文字いっさいなし
本文のみの交信の
「ではまた〜」のあとに
珍しくスタンプがきました。

それはかの赤塚不二夫のバカボンの
重要キャラなのですが
わたしはちょっと
ぐっときてしまいました。

というのはスタンプ自体が
彼女からくるのが
初めてで、
おっ？と思ったのと
そのバカボンキャラの名前が
彼女のお子さんと同じだったんです。

なんというか
ベタベタ可愛いがる
感じをいっさいみせない彼女の
愛情を垣間見た気がして。

午前中いっぱいくらい
いいおみくじを
引いたあとのような
心持ちがしたのでした。