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#3 ディス・イズ・ザ・デイ

津村記久子さんの小説。

選書の理由)
宇都宮徹壱さんの作者インタビュー記事を読んだのがきっかけ。サッカーサポーターにまつわる小説。

感想文)
サッカー2部リーグのサポーターにまつわる、11の物語。9つはにやにやして、1つはすっごく共感して、1つは泣きました。
ほんとにいろんなサポーターさんが登場します。音楽好きだったのでチャント制作をお願いされて、そのままゴール裏でドラムを叩く事になった元吹奏楽部の男の子、我が子の事よりチームに長くいる選手が心配でしかたないお母さん、降格のかかった最終節の事を考えたくないのに、なぜか対戦チームサポーターと知り合いになっちゃう学校の先生。
みんな、自分のチームに勝って欲しくて、負けたら悔しくて。1点差のときは、まだ余裕だけど、2点差にされるとさすがに穏やかじゃなくなったり…。4点差にされると大の大人が泣くらしいです。めっちゃわかる。
印象に残ったのは、次の2つ。
第4話、鯖江アザレアSC vs 倉敷FC。
倉敷FCの野上選手をずっと見守ってきた誠一。彼は今シーズンで引退すると言われていて、今日が最後の試合になるかもしれなかった。どんな選手もいつかは引退する。わたしはまだないけど、そのときに、こんな気持ちになるのかもしれない、と思うと泣けてきました。
第3話、オスプレイ嵐山を応援してるヨシミちゃん。
“なぜ縁もゆかりもない、勝ったからといって自分に何の利益もないこのチームにどうして勝ってほしいと思うのか。
それはヨシミがこのチームを好きだからなのだけれども、そもそもどうして人間はサッカーチームなんてものを好きになるのか。”
最近のわたしの悩みそのもの。もちろん、その答えは出ないままです。

ちなみに、登場人物の多くは1人で試合を観に行っていて、2部だからという理由で人を誘うのに気後れしている。そんなん、3部はどうなるの!笑
と、思いましたが、もちろんそういう意図じゃないから、思わず、ふふっと笑ってしまいました。

#とは #サッカー #Jリーグ #読書感想文 #新米サポーターの本棚

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