グザヴィエ・ドラン監督⑤「マイ・マザー」

 5本目はグザヴィエ・ドラン監督19歳のデビュー作。これ19歳ですよ、19歳!彼は6歳の時から子役として映画などに出演していたらしくて、自分がやりたい役がないから自分で監督しちゃえと思ったらしい。(グザヴィエ・ドランの父は俳優で、息子の作品にさりげなく出演している。この映画では不動産屋。)

 「Mommy」の原型となる作品かなと思う。思春期の少年と母親との微妙な関係が描かれている。母親に対する嫌悪感、無理解への怒り、またその反面母の愛を求めて苦しむ。愛と憎しみは表裏一体だ。血縁というものは厄介である。こういう心理には私自身も共感できる。また、少年がゲイであるということが一層ことを複雑にしていく。(MommyではADHDだったけど。)

 反抗的な息子に困り果て、母親は離婚した夫と相談して厳格な寄宿学校へ彼を転校させる。(Mommyでは措置入院
 少年は母に「捨てられた」と感じる。母親も苦しいのだが・・・。
 少年がまだ幼い頃、父と母は離婚していなくて、湖畔のコテージで幸せに暮らしていたのに・・。あの頃はよかったのに、どうして?
 幻想的な映像で幼少時のシーンが入る・・。

 今までに鑑賞した作品にも多く使われているグザヴィエ・ドラン監督に特徴的な映像美がすでに顕著だった。後には更に洗練されていく。
 ちょっとロマンティックな甘くて美しい映像クリアなこともあれば、ソフトフォーカスのこともある。
 そして・・・前衛的でとんがった映像心象風景を具象化した、割れるガラス。飛び散る塗料・・など。

 音楽の使い方も、グザヴィエ・ドラン監督だあ~という感じ。

 役者さんのこと、心に残る映像のことでもう一回まとめたいと思っている。この「マイ・マザー」では主人公の少年をグザヴィエ・ドラン監督自身が演じ、母親役は「Mommy」でも母親を演じたアンヌ・ドルヴァルだった。


 印象的なシーン。寄宿学校から少年が失踪したと連絡を受けた母親は、ありったけの罵詈雑言を校長に浴びせる母親だぁ~~~!息子可愛さで冷静さを失っている~~!かっこ悪くて馬鹿で下品だけど、まさに母親って感じ。

 

 ラスト・シーン。幼い頃に暮らしていた湖畔の岩場で、一人腰かけている少年。母が歩み寄り、寄り添って座る。肩に回される腕、重ねられる掌、絡む指。ちょっとほっとする。
 またいろいろあるかもしれないけれど、
 いつかきっと届くはず・・・。
 

 

 

うにゃにゃっ・・(=^・^=)
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足袋猫

観る・読む・聴く②

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