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なにも知らない福岡の人

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なにも知らない福岡の人

最近の記事

美術館デビューのはなし

2021年、私は博物館デビューをした。ミイラ展と徳川展に行った。どちらのこともほぼ知らない状態で行ったけれど、展示はとても面白かった。 その翌年、2022年に私は美術館デビューを果たした。 私は美術に興味が無い。アートってよく分からない。わざわざ見に行く必要性ある?全然分からない…と思っている人間だった。 東京に住んでいる父はよく美術館巡りをしているらしい。たまに、めちゃくちゃお洒落な缶や瓶に入ったお菓子をお土産にくれる。美術展で購入できる限定のものらしい。 父は知識豊富

    • 徳川展 @福岡市博物館

      私は歴史が苦手だ。 受験勉強で年号を丸暗記した記憶はある。社会の成績は悪くなかったし、見事、志望校にも合格した。 高校時代は地理と倫理と公民、あと現代社会の勉強はしたけれど日本史・世界史を学んだ記憶は無い。そして、暗記したはずの年号や出来事はあっという間に忘れてしまった。大学受験は歴史は選択しなかった。 そして今に至るので、歴史の話をされても全くついていけない。 そんな私の長男は歴史が好きだ。学校の友達から武将の話を聞いて興味をもったらしく、図書室で様々な伝記を読み漁ってい

      • ミイラ展 @福岡市博物館

        2021年4月、ミイラ展を見に福岡市博物館に行った。目的はミイラ展というよりも、大沢たかおさんの音声ガイドだった。 とはいえ、音声ガイドが何かはよく分からない。とりあえず、会場へ向かう。 音声ガイドは会場入口で貸出されていた。料金は600円。首からかける携帯電話みたいなものにイヤホンがついている。番号を押して再生するとイヤホンで解説の音声が聞けるらしい。 今回の目的は音声ガイドを聴くことなので迷わず借りて会場内へ入った。 会場は薄暗く、少し怖い。 会場には展示品とともに

        • 博物館デビューの話

          私が初めて自主的に博物館へ行ったのは2021年の4月だった。 学生時代に校外学習で行ったことはあったけれど、私にとっては『よく分からないものがたくさん置いてある場所』でしかなかった。唯一、その時に見たもので記憶に残っているのは金印ぐらいだ。感想は、金色でピッカピカだけど思ったより小さいな?以上。だった。そして、その後自分で博物館に行こうとは思うことはなかった。 そんな私が、福岡市博物館で開催された『ミイラ展』に行った。 『ミイラ展』と最初に聞いたときの感想は、ミイラ…怖い

        美術館デビューのはなし

          十五夜の蛙

          十五夜に、子ども達に月の蛙の話をした。福岡市美術館で開催中の『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展』で月の蛙のことを知ったからだ。忘れないうちに十五夜がきて良かった。 お月様にいるのは兎だけじゃないらしいよ?蛙もお月様に住んでるんだって。 ふーん。 そうなんだ。 だって、お餅つきするの『よっこらよっこら』しなきゃいけないもんね。 ??? ちょっと意味が分からない… よっこらよっこら?何してるのそれ? うさぎさんは『ぺったんぺったん』でしょ?ぺったんぺったんしたら『よっ

          十五夜の蛙

          大仏様と子ども達

          聖福寺の大仏様に心臓を止められた私は、もし子ども達がこの大仏様を目の当たりにしたらどんな反応をするのかとても気になった。 大仏様は子どもの心臓も止めるのだろうか。 休みの日、私は子ども達を連れて聖福寺に向かった。 「あそこの建物さ、中見れるから見ておいでよ」 「分かった〜!!!」 長男は興味津々に中を覗いている。娘はちょっと控えめながらも普通に覗いている。次男は少し離れたところで立ちどまっている。 「次男?見ないの?兄姉といっしょに見ておいでよ」 「だいじょうぶ。ここ

          大仏様と子ども達

          そうだ 聖福寺に行こう

          『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展』に行った翌日、仕事のあと子どもを幼稚園に迎えにいくまでに30分程時間があった なにをしよう。 コンビニに寄ってなにか甘いものでも食べるかな。うーん…一度家に帰る?うーん…特にやること無いしな… あ!!!!!!聖福寺に行ってみよう!! 職場から車で5分程度の距離だ。ちょうどいい。早速、行ってみることにした。 博多駅からすぐ近く、祇園の交差点から少し裏通りに入ったところにある。境内に入ってみるとびっくりするほど広い。緑に囲まれていてと

          そうだ 聖福寺に行こう

          栄西禅師と博多

          福岡市美術館で『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展』の関連企画展として同時開催されている『明恵礼賛展』で栄西禅師という人物を知った。 中国に留学した栄西さん。中国からお茶の種を持ち帰ってきた。そしてそのお茶の種を明恵さんにあげた。お茶を育てた明恵さん。そして茶道をひろめた。 この二人がいなかったら、栄西さんが留学していなかったら、抹茶フラペチーノは飲めていなかったかもしれない。キットカットの抹茶味も存在していなかったかもしれない。 明恵さんのことはなんとなく分かった。私

          栄西禅師と博多

          明恵上人とお茶

          『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展』を訪れるまで、私は明恵上人のことを知らなかった。 高山寺のお坊さんだということは、その特別展で知った。1枚の絵を見て、優しくて穏やかそうな人だと思ったけれど、どんな人か全く知らない。 鳥獣戯画展の関連企画として行われている『明恵礼賛展』では、明恵上人についての解説があった。 明恵上人は、釈迦を父と慕っていた。仏教ガチ勢。だから、インドに留学したいとずっと思っていた。けれどそれは叶わなかった。 悲しい…推しの故郷を訪ねてみたいという

          明恵上人とお茶

          明恵礼賛展 @福岡市美術館

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展が開催されている福岡市美術館の古美術企画展示室では『明恵礼賛』の展示がおこなわれている。特別展のチケットで観覧できるので、鳥獣戯画展のあとにそのまま見に行く。 福岡市美術館の古美術展示室は私のお気に入りの場所だ。入って少し進むと右手には迫力満点の仁王像が待ち構えている。仁王像の奥には大きな仏像とその周りを囲むひとまわり小さな仏像。 まわりを囲んでいる仏像は『十二神将』で十二支が頭に乗っている。可愛いかったり格好よかったり、それぞれ個性があ

          明恵礼賛展 @福岡市美術館

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 鳥獣戯画編

          入場後、全てを飛ばし鳥獣戯画を見た私はその後ほかの作品をゆっくりと鑑賞し、また鳥獣戯画コーナーに戻ってきた。 ちらほら人はいるけれど、余裕をもって鑑賞できる。再び甲巻を右から順に見る。丁巻も。やっぱり可愛い。すごいなぁ…こんな絵が描けたら楽しいだろうなぁ…私に絵心があったらなぁ… 鳥獣戯画の部屋の次には、ちょっとした休憩コーナーがある。少し疲れたので腰掛け、置いてある図録の鳥獣戯画を鑑賞する。 見た見た。さっきこれ見た。本物がすぐそこにあるのに図録で見るなんて。でも、ここ

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 鳥獣戯画編

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 お気に入り編

          基本知らないことばかりだけれど、特にへぇ…だった事、特に私が気に入った作品について 『月に蛙図』福岡市博物館所蔵 中国の古代伝説によると、蛙も月にすんでいるらしい。へぇ… 兎はよく聞くけど、蛙は初めて知った。鳥獣戯画だけじゃなく、月でも兎と蛙はお相撲してるかもしれない。この話は十五夜に子ども達に披露しよう。 『異代同戯図鑑』福岡市美術館所蔵 え…観音様が火縄銃を構えている。斬新すぎる。目がマジ。あれは百発百中だと思う。狙われたら終わり。新しい一面を知ってしまった。狙われな

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 お気に入り編

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 菩薩編

          高山寺のお宝の中で一際私の目に止まったのは『文殊菩薩像・もんじゅぼさつぞう(重要文化財)』だった。 なぜなら、私は文殊菩薩を知っているから。 文殊菩薩は知恵の仏様。『三人寄れば文殊の知恵』の文殊が文殊菩薩の文殊だと知ったときは興奮した。そして、クッパに乗っている。スーパークール! ※本当はクッパではなく獅子。でも、私が最初に見た文殊菩薩はどう見てもクッパに乗っていた。スーパーマリオさながらにクッパを倒した仏様だ!格好いい!!というのが第一印象だった。 高山寺の文殊菩薩が乗る

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 菩薩編

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 高山寺編

          鳥獣戯画に放屁合戦絵巻、仙厓さんの作品の数々を目の当たりした私のテンションはうなぎ登りだった。鳥獣戯画を見に来たつもりだったけれど、福岡にこんなにたくさんのお宝があったなんて知らなかった。きっとまだまだ知らないお宝だらけだろう。わくわくする。わくわくわくわくわくわくしすぎて、若干疲れた感もある。 知らないことが多すぎるので、美術館や博物館に行くと受け止めきれないほどの情報に埋もれて思考停止しそうになる。 今回は、放屁合戦でかなりのエネルギーを使い切ってしまった。そのうえ仙厓

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 高山寺編

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 可愛い編

          圧巻の『放屁合戦絵巻』に心動かされた私のテンションはかなり上がっている。 次はどんな作品があるんだろう… あ!これ見たことある!! 福岡市美術館のお宝の『豚』や!!! 知っている作品と出会あうことは私にとってとてもとてもめずらしいことなので、ここから更にテンションは上がる。 私の目に飛び込んできたのは仙厓さんの絵。 私は仙厓さんも知っている。胸を張って「知っている!」と言える程ではないけれど、博多のお坊さんなこととゆるい墨絵をのこした人だということは知っている。 私にし

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 可愛い編

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 衝撃編

          無事に1番の目的だった鳥獣戯画を見てひとまず私は満足した。私でも知っているレベルの有名な国宝を独り占めしてあんなにじっくり隅々見る機会なんてそうそう無いだろう。やっぱり、ちょっと無理してでも強行突破するに限る。満足。満足。でも、この会場にはきっとまだ私が知らないお宝がたくさんあるに違いない。 鳥獣戯画コーナーから進み作品を見ていく。そして、ほとんどの作品が福岡市美術館所蔵になっていることに気が付いた。 え…ここにこんなお宝があったんだ。全然知らなかった…すごい…見せてくれて

          国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展 衝撃編