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くー先生となみみの相談室 #001~未病って何?~ 病院で「様子を見ましょう」と言われる辛さ

ナースなみみの新シリーズ「くー先生なみみの相談室」では、私なみみと漢方薬局のくー先生(仮名)が、中医学の基礎用語について対談方式でわかりやすく伝えていきます。

くー先生との出会い

私がくー先生(仮名)に出会ったのは去年の3月。友達とランチをしたお店の横にくー先生の漢方薬局がありました。
真っ白なドアと大きな窓。

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中にはカフェスペースのようなものもある、なんだか「漢方!薬局!暗いぞ狭いぞ怖いぞ!」という入りにくそうなイメージを払拭するようなイメージ

そして看板のイラストには可愛い「こじか」が・・

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思わずふらふらとドアを開けて中へ。
木を基調としたお店の棚には様々な漢方薬が並んでいます。

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そして奥の部屋からくー先生が出てこられました。

「こんにちは。何かお探しですか?」とても穏やかで優しい声。いつも店員さんから言われるとその瞬間から帰りたくなってしまうこの言葉。でも何故かくー先生のこの言葉は心地よく響きました。

気づいたら私は、自分が悩んでいた症状について長々と話していました。
一言でいえば「ピンときた」この先生との出会いで、私は先生の薬局に漢方相談に通うことになります。

これは相談室。開放的かつプライバシーにも配慮されています。

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そんなくー先生との対談方式で、中医学の基礎をお伝えしていきたいと思います。(実際は個別的な漢方相談を行っています。「相談室」での相談内容はほぼフィクションです。くー先生ならこう答えてくれるかな・・と想像しながらなみみが書いています)

行き場のない「不定愁訴」

なみみ「先生、最近体がだるいし、寝ても疲れが取れないんです。肩凝りもあるし便秘もひどくて。かかりつけのお医者さんに行って検査をしてもらったんだけど、どこも異常ないって・・・その先生には『不定愁訴だね。少し様子を見ましょうか』と言われちゃいました。」

くー「不定愁訴で片づけられると辛いですね。それは『未病』という状態だと思いますよ

なみみ「未病?まだ病気ではないってことですか?」

くー「そうです。西洋医学では、検査の数値が正常ならば、病名は特定されませんよね。なので『不定愁訴』という言葉が使われるんです。でも中医学では、検査では明らかな異常がない場合でも、本人の自覚症状を重視するので、『未病』(健康と病気のグレーゾーン)と捉えて治療対象になります。」

なみみ「じゃあ私の状態も治療対象になるんですね。」

くー「はい、未病の段階でも中医学の診断法を用いると、心身のバランスの崩れで症状が出ていることがわかってきます。この段階で生活の仕方(養生)を工夫することが大切です。」

なみみ「私はどういう診断になるんでしょうか・・?」

くー「これからゆっくり診断していきましょう。更年期での症状や加齢に伴う症状も未病の一つと考えることができます。」

なみみ「更年期も!?そういえば火照ったり、動悸がしたりすることもあります。婦人科では『ホルモンバランスの乱れ』って言われたけど、今の段階では様子を見ましょうって言われました。」

くー「女性ならば更年期は避けられない症状ですね。でも日々の生活に気を配る『養生』を行うことで症状を軽くすることは可能です。また養生は、人間のエネルギーの源になる『気』を養うことにもつながります。気力がみなぎると、老化を遅らせることができます。その結果加齢による体の不調にも対応することができますよ。」

なみみ「先生、養生でアンチエイジングもできるのですね。」

くー「そうです。でもそのためにはまず自分を知り、自分の体の中で何が起きているのを知ってからになりますね。」

なみみ「自分を知る・・・今まで働くことや子育てに精いっぱいで、自分を知ろうとしていなかった気がします。体調不良についても薬を飲んで何とか乗り切ってたり・・・自分の体の声を聴いていなかった気がします。これからは自分の体に興味をもってみます。」

今日の相談室からお伝えしたいこと

病院で言われて一番「あーあ・・・」と思うこと。それは、

「様子を見ましょう」という言葉。

私は看護師ですが、自分も患者さんによく言ってしまいます。「様子見ましょうね」って。

西洋医学では検査データや画像診断などから病気のある・なしを判断し治療を行っていきます。異常がなければ「要観察」つまり「様子を見る」ことになり、不調を抱えたまま悪化するまで過ごさなければなりません。

中医学(東洋医学)では、本人の自覚症状を元に丁寧な聞き取りを行い、その人の体の中で「何が起こっているのか」を知ることに時間をかけます。一時的なその部分だけの治療ではなく、体全体を「良い状態」にもっていこうとする考え方です。

異常が出れば西洋医学で治療、異常がないけど不調ならば、自分の体を知って中医学(東洋医学)で健康に!どちらの医学も上手に活用していけたら良いですね。

記事に出てきた薬局『こじか漢方薬局』

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