見出し画像

どうやって自分軸を作っていくのか?~自分らしくイキイキ暮らすための手順~

「自分らしくイキイキ暮らす」というのは比較的よく見かけるフレーズな気もします。確かにそりゃそうなりたいんですが、問題はどうやったらそうなれるのかという話です。

ところで成人発達理論では自分軸と他人軸の行き来によって成人は発達していくとされています。そういう文脈で、「自分らしくイキイキ暮らす」という目標のためには成人発達理論は示唆深いものがありそうです。

今回は成人発達理論を参考にしながらも専門用語などは使わずに、日常的な言葉で「自分軸をつくる」こと、つまりは「自分らしくイキイキ暮らす」ことについて書いてみます。


まず前提として他者を受け入れる~自分の中の独裁者を克服しよう~

人は生まれたばかりの時は無力であり、親などの保護者によって庇護された状態であることが人生のスタートです。求めたものが与えられる世界で暮らしながら、そこから少しずつ”シャバの世界”の洗礼を浴びて生き延びる作法を学んでいきます。

すると最初の課題としては、「周囲のひとびとを欲求や願望を満たすツールとしてとらえること」をどう克服するのか、というものが現れてくるんですね。

この他者をツールとしてとらえるパラダイムにいると、「自分の欲求や願望を満たすために他者をコントロールしたい」という願いが生じてきます。自分の中の独裁者が育っていくんですね。この状態は欲求に忠実という意味で自分軸ではあるのですが、他者の視点を自分の内部に組み込めていない”自分本位”でもあります。

まずはしっかり自己開示をするなど自分の内側に他者を招き入れ、周囲と信頼関係を構築していくプロセスを踏むことで内面的発達を進めていく必要があります。そうしないと、もっとポジティブなにおいのする「自分らしくイキイキ暮らす」状態にはたどり着くことはできません。

他者を尊重しつつ自分なりの価値観を育てる

さて一度しっかりと他者を自分の内側に取り込むプロセスを味わったら、いよいよ再び自分軸を作っていくことになります。ちなみに成人の約半分ほどは、この「他者を内側に取り込みつつも、自分軸をつくるまでには至っていない」という状況にあると言われています。

この時点で「自分らしくイキイキ暮らしたい」という欲求が出るということは、周囲の規範を受け入れているもどかしさがあるのかもしれません。また一方で、自分なりの規範を確立することへの抵抗感も同時にありそうです。

ここのブレイクスルーのためには、一歩ずつ自分なりの価値観を育てていくことが必要です。大多数の他者とは違うことにもチャレンジして、自分なりの価値基準で判断し行動するということですね。そしてその価値観を自分で明らかにして確信を持っていくフェーズでもあります。

以前の「独裁者」との違いの一つは、他者をコントロールして支配下に置こうという行動を避けるということです。自分なりの価値観がハッキリとしてくることで、他者が他者なりの価値観を持って行動しているということが理解できるようになります

「自分は自分、他者は他者」という線引きをしっかり持った自分軸の価値観を獲得するプロセスですね。他人軸からの開放であり、ここがおそらく、「自分らしくイキイキ暮らす」ための最低ラインになってくるのではないかと思われます。

もう一度自分の価値観を疑ってみる

ただし、成人の成長の旅路はここで終わりではありません。次は確立した自分像を手放すプロセスが始まります。

自分を自分たらしめていた価値観、アイデンティティを手放して、再び他者の価値観の中に身を投じていきます。それによって新しい自己変容を自ら受け入れ引き起こしていくんですね。

言ってしまえばここは自分軸からの解放でもあり、より「ありのまま」日々を暮らすことができそうです。しかし残念ながら、ここの境地に至る成人は1割にも満たないと言われています。

これらの成長のプロセスはスキップして進めるものではなく、長い時間をかけて焦らず進めていくものでもあります。自分の人としての内面的成長の補助線にしていきたいですね!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?