見出し画像

毎日写真を撮り続けて気づいたこと【#フィルムで撮る365日】

2020年は多くの人にとってライフスタイルが大きく変わった年。目まぐるしく変わる日々のなかで、当たり前だった日常は”特別なんだ”と気づかされた。テレビやネットは、日に日に大きくなる数字が目に飛び込んでくる。友達と県外に出かけては写真を撮るぼくの日常にも大きな影響が出た。会えない撮れないそんな日々。ぼくの周りでも”カメラ離れ”が加速し、あんなにも身近だった”写真”が少しずつ遠ざかっていくように感じた。

画像1

2020年12月31日に仕事を納めいつもと同じように電車に揺られながら家路につく。心地よい揺れと気にも止めなくなった車内の雑音。ふと2020年を振り返りながら「ぼくにとって写真とは?」と答えを出すのに何年、何十年とかかりそうな問いが頭に浮かぶ。もちろんその場で答えが出るわけもなく最寄駅に着いてしまった。けれど、ひとつの目標ができた。それは「毎日写真を撮る」ということ。答えが出ないのなら好きな写真と真剣に向き合ってみよう。休みの日だけじゃなくて毎日撮り続ければ今まで気づかなかったことに出会えるのではないか。そんな期待に胸が躍った大晦日、年越し蕎麦を食べながらヒリヒリしだした舌が気になりつつもカメラの支度をはじめた。

画像2

毎日写真を撮り続ける相棒に選ばれたのはNikonF6。このカメラはNikonのフィルムカメラ集大成。オートフォーカス、シャッター速度1/8000まで使えるため撮影の幅が広がる。さらに日付を印字する機能が備わっており365日写真を撮り続けるのにこれほどベストなカメラは他に無い。

画像3

"毎日写真を撮る"簡単そうで意外と難しい。テキトーにパシャパシャ撮るなら問題ないが、いざ撮るとなるとなかなかシャッターを押せない。「今じゃない」「もっと良いタミングがあるかも」「惹かれるものが無い」「映えそうにない」など理由はたくさん。フィルムカメラを選んだことも要因のひとつ。

画像4

数週間撮り続けて気づいたことがある。それは自分に正直な写真が撮れていないということだ。撮る際に「こうでなければならない」「こうあるべきだ」など誰かを気にして撮るぼくがいた。だから好きな写真なのにワクワクしないもどかしさを感じていたのだ。それからというもの考えを変えてみた。「素直になろう」当たり前だけどぼくにとってはハードル高め。ある意味リハビリのような感覚で少しずつ肩の力を抜きながら撮ることにした。

potra400.f6.山本写真機店.20210309-19

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210401-6

少しずつだが確実に前に進んでいる実感があった。なにげない瞬間ばかりが並ぶ映えとは対極な写真たち。けれどそんな写真たちが輝いて見えた。なぜならそこに「素直さ」が映し出されていたからだ。

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210401-10

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210401-13

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210428-2

それからは毎日が楽しくなっていった。写真を毎日撮るとなると当然ながら仕事の日も雨の日も関係ない。常にカメラを持ち歩いている。バッグに入れたカメラを「おっ」とか「あっ」とか「良い」など感情が動いた瞬間にサッと構える日々。どことなく自分らしさのような生き生きしたものを感じられた。そして出勤の仕方にも変化がうまれた。

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210428-15

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210428-32

毎日違う道を通る、いつもと違う車両に乗る、普段とは違う方を選ぶなど生活変化をつけるようになった。それからというもの新しい世界や新しい発見が多くなり宝探しのようにワクワクする日々。そのたびに心地よいシャッター音が耳に届く。

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210520-28

PORTRA400.F6.山本写真機店.20210520-31

一歩また一歩と"自分らしさ"が色づいてくる感覚。そして日記のように振り返り思いを馳せる。"こんなにも世界は広かったんだ"と。毎日撮り続けていて気づきはたくさんあった。これからもどんな世界が待ち受けているのかと胸が高鳴る。

画像14

画像15

画像16

毎日写真を撮り続けて気づいたこと。それは"自分に素直になる"ということ。SNS全盛期のいま、スマホをひらけば直ぐに人と繋がれる。誰かの写真を見ては自分には無い視点に魅了され肩を落とす。「ぼくもいつかこんな写真を撮りたい」「こんな素敵に撮れて羨ましい」など時には嫉妬すら覚える。けれどそこには自分という柱が存在しなかった。あくまでも比較対象となるのは"誰か"でいくらでもハードルや目標値が変わってしまう。明確な基準がないからこそ成長が分からない。いつまでも変われない自分に嫌気すらする。素直になることで自分と向き合えるようになった。「ぼくはなにがしたいのか?」「どんな写真を撮りたいのか?」「なんで撮り続けるのか?」まだまだ答え探しは続く。素直になれたことで自分らしさを知れた。おかげで今日も楽しく写真を撮り続けられている。

画像17

SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影
写真イベント企画 / 鳥取のPR活動も行なっている。
Instagram / Twitter / Portfolio / note

「ONE SCENE」というWebサイトで紹介されました


この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?