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50代以上を見越したキャリア/転職・嘱託・フリーランス・スモビジ

2/23に合同会社を設立して3年目に突入しました。特に2023年はスタートアップ不況に巻き込まれてえらいことになりましたが、お陰様でなんとかやっています。

元々私の会社も「定年も定時も関係なく、自身が気の済むまで無限に気持ちよく働くこと」を念頭に作ったような節があります。最近では60代の大学教授の方からもキャリア相談を頂いたりもしておりますが、今回は私自身の戦略や周囲の状況を踏まえつつ、50代以上のキャリアについて現状を整理していきたいと思います。

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50代以上を見据えたキャリア戦略

早速現状を整理していきます。

日系大手メーカーにあってWeb界隈にはまだない「役職定年」

ここのところ人事の集まりによく呼んで頂けるようになりまして、大手企業の皆さんとも交流させていただいております。

皆さんとお話をしていく中で、私自身平均年齢が30歳前後のベンチャーやスタートアップを中心に渡り歩いてきたので馴染みがなかったのが「役職定年」です。

役職定年はある一定の年齢(55歳など)で役職から外され、給与改定も起きるというものです。人材系のある会社では55歳で新卒と同等の給与まで落ちるため、早期に転職していく人が多いそうで人材の循環に繋がっています。あるメーカーさんでは一定の年齢になると各部署で社内向けの求人が立ち、試験を経て年収が再査定され、異動が確定していくそうです。「なんちゃってジョブ型雇用にシフトするイメージ」とのことで想定より不満の声も少なくやれているそうです。

メーカーなどから来た人だと「なんで役職定年がないんですか?」と言われたりします。恐らくはまだ全体的に年齢の若いIT業界、特にWeb界隈では問題があまり表面化していないこと、転職が一般的なこと、定年より先に会社が無くなることが多いことなどが原因としてありそうです。今後、プレイヤーが年齢を重ねることによって、Web界隈でも大手を中心に導入される可能性も無いとは言えません。何かしらの想定はしておいても損はないでしょう。

正社員転職の受け入れ先

以前、下記のような50代、60代のキャリアについてお話をしました。現状ですが、文中で紹介したポジションについては充足したのか求人が閉じている状態です。企業によってはコロナ禍の金余り現象下では寛容になっていただけの可能性もあるので、過度に楽観視はしないほうが良いでしょう。

特にスタートアップでは2022年までは投資が潤沢だったためにお金もあり、採用目標人数を追っており、CSRのような側面で(年齢的な)シニア人材の活用を謳いながら採用もしていました。WBSなどでもシニアの活用事例として取り上げられていました。取り上げられていた何名かのその後をウォッチしていたのですが、皆、程なくして転職していました。

シニア向け求人媒体を見ると、今でも70歳定年を謳う企業はあるものの絶対数が少なく、あってもすぐに充足してしまう状態です。契約社員や年収レンジが低い場合もあるので、正社員転職を40代以前のような形で実施するには厳しいところがあります。

一部企業では嘱託職員が明るい?

弊社のお客様でも見られるのですが、嘱託職員という選択肢を積極的に取られている企業もあります。下記の3点がアンド条件で揃うと成立するようです。

  • これまで十分な活躍をしており、コアメンバーである

  • 高度に専門的な人材であるため代わりの人材を見つけるのが難しい

  • リモートワークであることによって通勤のような体力的な問題をクリアしている

ただし嘱託職員の場合は一般的に給与が低いため、ライフプランとのバランスがポイントになります。給与見直しの話も出ますが、若手経営層からの反発がある場合もあり、一筋縄には行きません(何したんですかね)。

フリーランス、スモビジ

弊社ではレンタルEMや人材業界の顧問が主要事業ですが、こうした私のキャリアは「エフェクチュエーション」と呼ばれるそうです。

手持ちのスキルですぐに始められる事業を立ち上げ、その後に経営方針を柔軟に変えていく。ターゲットの市場を定め、逆算して事業計画を練る従来手法とは対照的なアプローチ

私はスモールビジネス(スモビジ)で行っていますが業務委託については契約のハードルが正社員に比べて低いため、後述する内容さえ気を付ければ長く収入を得られる可能性があります。

今でこそ認知されてきたフリーランスですが、しっかりと準備し顧客を捕まえてから出ないと非正規雇用と同様の展開に陥ります。副業などであたりをつけつつ、顧客をつけた上で独立されることをお勧めします。

顧問

私も何社か担当しておりますが、自身の強みを元に顧問を引き受けるというパスです。顧問も色々なものがありますが、自身の知識を元に企業にアドバイスをしたり、社員に教育をしたり、壁打ちなどをしていきます。開発業務であれば体力的にも1-2案件が限界ですが、コンサル業務、顧問業務、アドバイザリー業務などであれば複数案件を抱えることでリスクヘッジが期待できますのでお勧めです。

顧問仲介サービスの方とも何社かとお話をしますが、思うように決まらないという側面があるようです。顧問というと顧問弁護士や顧問税理士などが出てくるため、契約ハードルが高いと思われます。アドバイザーやメンターなどの名目で打ち出した方が誓約が期待できると考えられます。

退職と共に急に顧問先を探すのは現実的ではないため、在職中から動いてみることをお勧めします。

都合の良い情報を寄せ集めたために決まらないフリーランスからの正社員戻り

一方、ある程度年齢が行ってから「フリーランスから正社員に戻りたい」という方にもお会いします。何故正社員に戻りたいのかという部分を掘り下げていくと下記のような意見が出てきます。

  • 自身のスキルを高めたい

  • 案件を探すのに疲れた(ので一時的に正社員となり、いつかまたフリーランスに戻りたい)

  • 体調不安により有給が欲しい

  • 看護介護の福利厚生が欲しい

  • JTCで窓際族として年収2000万円欲しい(Windows2000)

いずれも利己的な意見であるため内定に繋がることは少ないです。「会社は学校じゃないんだ」という話がありましたが、介護施設のように思っている方が居られます。Windows2000などは多くの会社で過去のものですが、仮にあったとして新卒から貢献した人達ならまだしも、外部から来たポッと出の中途を、ぶら下がってもらうために入社してもらうような企業はないでしょう。

これまでフリーランスでやってきた方であっても、過去にリーダーやマネージャーをやっていた人であれば採用の可能性は十分あります。しかしずっとプレイヤーだった場合、「何故20代の若手メンバー層ではなく、あなたを採用しなければならないのか」という質問に答えなければなりません。

セーフティネットのフリをした非正規雇用業界

正社員の解雇が難しい日本において、一方的な解雇はされにくいものの、中途採用における事実上の年齢制限は継続されています。正社員のレールから外れ、独立などの選択肢も無いとなると派遣社員などの非正規雇用が待っています。先のコンテンツでリスキリングのお話をしましたが、そこでも派遣会社が動いています。

どのくらいの収入があれば思い描く暮らしができるのかを考えた際、非正規雇用で足りるかどうかを思案し、足りないのであれば備えることが必要です。

リファラルを意識した3つのポイント

ある程度のスキルレベル、年収レベルを越えてくると契約形態が正社員なのか、業務委託なのかはさておき「いつでもリファラルの声がかかる状態」にあるようにしておくことは重要です。そのためには次の3要素がポイントとなります。

1点目は人脈です。ある経営者と「スキル的なミドル層の人材紹介経由での採用が難しくなっている」という話をしていた際、「一定の経験があって業界に何年も居る方で、人材紹介しか頼れない人を採用したいかと言うと、したくない気がする」というお話がありました。社外勉強会なども増えているため、人脈形成は容易になっています。SNSやテックブログの発信もきっかけになりやすい状態です。

2点目は自己PRです。リファラルであってもどういった内容を求めているときに自身に声をかけるか想起してもらう必要があります。そのために自身が何屋であり、どういった課題を解決できるのかという分かりやすさが必要です。「◯◯社で中間管理書をしていました」だけだと自社で活躍してくれる人材かは不明です。具体的な成果などを挙げていく必要があります。合わせて職務経歴書も作りこんでおきましょう。

3点目は話し掛けやすい雰囲気づくりです。個人的にも平均年齢が26.5歳の組織に38歳で入ったこともあります。基本的には「デフォルトで年上は怖い」と思われていると捉えて良いです。彼らから積極的に話してくるとしたら勇気と好奇心のある一握りの人くらいです。常に笑顔で話し掛けやすい雰囲気を作ることをお勧めします。何を相談すれば良いのか、自分が話せるトピックなどをまとめて先に広告しておくことも有効です。

ある年齢になると雇用主のほうが自分より若い人が増えていきます。その差はどんどん開いていきます。上司が自分より若いということも多々あります。みすみす自身のキャリアの選択肢を減らす結果にならないよう、日頃から備えていくことをお勧めします。


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