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お財布の中の小銭がはっきり見えるのがこんなにうれしいなんて。白内障手術をした。


2日連続。白内障の手術を受けた。

実はこの2年ほど、メガネで視力の矯正ができなくなっていた。
物書きという仕事柄、パソコンの文字が見づらいことは致命傷だ。

地元の目医者さんから大学病院へ紹介状をもらい、
考えられる検査をしたけれど、これといった原因が見つからないまま、
様子を見ながら約1年。

白内障というには本当に軽度だけれど、
白内障は自分が不自由だと思ったときが「手術のしどきだと言うよ」とドクター。

どうせなら早い方がいいと手術日を予約。
実感のないまま手術当日を迎えた。

まずは悪い方の左目から。

「痛くないよ」とドクター。
ネットにも痛みはないと書いてある。
でも、怖くて、不安で、緊張して、
「リラックスして」とドクターが声をかけてくれるけど、
そんなの無理だし。痛いし。
終わったときには、カラダ中がガチガチ。

翌朝、右目の手術の前にガーゼを外して、左目の検査。
「うん。問題ない。どう?」
「先生の顔がよく見える」という私に
目の前のドクターが「こんにちは」と手を振ってくれた。

さ、また右目。
昨日の左目より痛く感じる。
やっぱり怖くて不安。カラダ中が緊張でこわばる。
でも始まれば必ず終わる。

帰りに迎えに来てくれた夫と、コーヒーを飲みに行った。
レジで開いた財布の小銭がはっきり見えた。
うれしい。

パソコンの文字が見えづらくて不自由だったこともあるけど、
買い物に行ったとき、財布の小銭がよく見えなくなってきたことも
手術を決めた理由の一つだから。

両目の眼帯が外れて、
今、こうしてメガネをかけずに
パソコンの画面を見ることができているけど、
遠くはもちろんちょっと離れたテレビの画面はよく見えない。

ど近眼だったゆえに、
白内障の手術をした人が言う
「目の前がパーッと明るくなった」経験はできなかったけど、
仕事をするには不自由はなさそうだ。

長い間友達だったメガネをかけないと、
なんとなく間が抜けたような顔に見えるうえに、
目のお化粧も当分できないらしい。

たった二日だけど、何かを見ることができない生活は、
手持ち無沙汰で本当に不自由だった。
五感というように、
そのどれ一つが欠けても、生きづらくなることを思い知った。
視力が落ち着いた頃には桜の花がきっと満開。

なんでも、できなくなって、失って、
初めてその大切さ、ありがたさを感じるんだ。きっと。

いくつになっても、まだまだ修行が足りないな。

生きていること、生かされていることに、感謝。
今日もありがとう。






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