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経験と知恵と知識。

人間には様々な力というものがある、身体能力、金、地域、異性、そして思考能力

そして、この思考能力というジャンルの中にも細分化された種類があり、それが経験、知恵、知識だと思っている、今回これを語ろうと思った理由はこれら三つを混同する人間をよく見かけると思ったのが一つ、もう一つは私自身これらを混同しないようにする為に、言語化し記録したくなったのが理由である。

皆さんは漫画やドラマのセリフで「学校での勉強なんか、大人になっても使わないし意味なんて無い!」というのを聞いた事はないだろうか?

確かにこのセリフの主の言う通りであり、実際私も、おそらくこれを読んでいるあなたも、ある程度はこのセリフに対し理解を示すだろう、だって実生活で鎌倉幕府が作られた年を意識なんてしないし、ミトコンドリアの生態がお金に変わる事はない、台形の面積を求める機会なんて存在しないし、今は使われてない古文でLINEを打つ事はないからだ、だが大人はそれをわかっていても子供を学校へ向かわせる必要がある。

そんなとき、あなたが親ならそういった子供に何と諭すだろうか?

①「喧しい、みんな学校に行ってるし行け」

と言うのもいいかもしれない、親と子、大人と子供、立場は違うのだから命令する権利がある程度あるだろう。

②「俺にもそう思ってた時があったよ、でも今しか行けないんだから、行けなくて後悔するよりはいいんじゃないか?」

自分の過去と照らし合わせて親身になり相談を受ける、こちらも素晴らしいと思う。

③「学校は勉強が全てじゃないよ、友人や先輩、先生との人間関係を学ぶ場所だよ」

これもアリだろう、別の理由を提示して説得するという王道且つ良い案だ。


しかし、私は反抗期と言われる時代にどれも言われた事があるが、どれでも納得しなかった、結果的に親は諦め末路として中卒という何とも社会的地位の低い肩書を得たのだが、そんな私が大人になり一つ答えを出したので聞いて欲しい。

「学校の勉強なんか大人になっても役に立たないから行きたくない」

「そりゃそうだ、お前が求めてる勉強ってのは知恵であって、学校の勉強ってのは知識を増やす場所なんだ、そこが混ざってるお前が悪い。」

である、タイムマシンに乗れるなら過去の自分に言ってやりたいのだが、不可能なので仕方がない、とりあえず私の後悔は置いておき、解説をしようと思う。

まず子供のセリフだが、コレは経験、知恵、知識、コレらが別種である事を理解していない者のセリフである、故に学校での勉学に求めるものと実際に受けた勉学に自分の中で相違があり、その事に対するSOSなのだと思う。

例①は疑問に一切答えてはいない、それで聞いてくれる子供なら問題無いが、私のような人間も居るだろう。


例②のセリフは、学校に行く意味を経験に見出した大人のセリフだ、確かに間違った事を言っている訳ではないのだが、まともに答えてはいないのに気づくだろうか

「なぜ役にも立たない勉強をしないといけないのですか?」という問いに対し「私も昔はそう思っていました、でも楽しい事もあるかもしれませんよ?」カウンセリングという点では良いのかもしれないが、答えにはなっていないだろう。


例③のセリフも殆ど同じである、こちらは知恵を得た事に意味を見出しており、また同じ様に答えになってるようでなっていない。

「なぜ役にも立たない勉強をしないといけないのですか?」という問いに対し「学校とは社会でも変わらない人間関係という物を学ぶ場です」と答えているのだ、間違いではないのだが、言われた子供はなおさら勉強をやる意味が理解出来ないだろう。


コレらの問題は全て経験、知恵、知識の混同が巻き起こす問題である。

経験とは過去、自分に起こった事からの学びであり、使える場所、相手の限られた応用の効きずらい力である。

知恵とは少人数からの経験に基づいた情報であり応用が効くこともあるが、時や場所が大きく異なると使えなくなる力である。

知識とは人数、時、場所問わず普遍的でありいつでも使う事ができるが、インプットしなければならない情報が非常に多く、コストの掛かる力である。


大人ならば、これらの分別をつける必要があり、疑問に思った子供に明確に答えれるようありたい。


経験と知恵を使って賢いと言われる人間を見る事が増えた、確かに万人に分かりやすく、それでいて必要になる機会が多いのは経験と知恵だ、しかし本当の賢さとは、それに付随して知識も必要であると私は強く思う、故に学校には行くべきである。

コレを読んでくれたアナタが、どれが経験で、どれが知恵で、どれが知識なのかを見極めようとする視点を持ついい機会になってくれたら私は嬉しい、また、この記事の反応が良ければ、それらの見分け方についての記事も書きたいと思う。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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