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変わるもの、変わらないもの 第2話

あの頃、
悲劇のヒロインな自分が
心地よかったのかもしれません。
ほとんど確信していることは、
わたしほど努力した同級生はいないし
わたしほど家族に苦しめられた女はいないし
わたしほど自ら人生を開拓したひとはいない

そう、わたしという未熟者は
世の中へのアンチテーゼを抱きながらも
這いつくばって、這いつくばって、
足掻き踠いた人生を送っていたのでした。

臥薪嘗胆、
それでも見上げることを諦めなかったのは
家族が与えてくれた愛に似たなにかと
わたしの感じていたコンプレックスのおかげ。
茨の道を掻き分け、
時に痛みを伴うも、応急処置をして
突き進んでいました。


反骨精神、と呼ぶのでしょうか
わたしのなかのわたしは、
ファイティングポーズを構えながら
世の中の不条理と闘っていました。

そうして生き延びていると
面白いやつだと可愛がってくださる師たちとの出会いに恵まれ
例えば電車の乗り換えのスムーズな車両であるとか
タクシーを捕まえやすい通りに近い会食場所であるとか
愛煙のタバコの銘柄であるとか
念のため持ち歩いている絆創膏であるとか
そういう細やかな気配りには事欠かないわたしになりました。


師たちは、
その先を見据えることを学ばせてくれました。
出来ることを増やすのは言わずもがな、
わたしにしかできない道なき道を切り拓くのが人生であると教えてくれました。


そのためには、視野を広げること。
挑戦を続けること。
努力が身を結ぶこと。
ミライの自分がいまの自分をどう見るか、
俯瞰で捉えること。

そしてなにより、
自分が自分を諦めないこと。


あの頃のわたし、
諦めないでくれて、ありがとう。
いま、わたしは心の底から笑えて、
しあわせなのです。


BGM
タマシイレボリューション/Superfly

つづく

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