『さらばピアノよ』を弾く
#note100本ノック
Day 43
去年のクリスマス。サンタさんに楽譜をお願いした。
わたし、楽譜は読めないんだけど…こちらに、ベートーヴェンの『さらばピアノよ』という曲が収録されている。
ゆみちゃんのピアノ
小学生のころ、千葉県で暮らしていた。7階建の社宅の2階に住んでいた。
社宅のとなりには同じ歳のゆみちゃんという女の子が住んでいて、毎日一緒に学校に通っていた。ゆみちゃんはピアノを習っていた。
ゆみちゃんのピアノと、我が家のリビングが壁一枚という立地だったため、毎日、ゆみちゃんが練習するピアノを聞いて過ごしていた。
毎朝、「いま弾いているのは何ていう曲なの?」と聞くのがMAKIの習慣。『アラベスク』、『トルコ行進曲』、『エリーゼのために』そして『乙女の祈り』などなど。おおよその小学生が弾くピアノ曲の名前は、ゆみちゃんから教わった。
幼稚園の頃からずっと、ピアノが習いたくて。しかしなぜか、お習字もスイミングも学習塾にさえ行かせてくれた両親は、ピアノのお稽古に通うことだけは許してくれなかった。
ゆみちゃんのピアノのお稽古にくっついていったり、音楽室のオルガンで「ねこふんじゃった」を弾いたりして過ごした。それが小学生のMAKIにできる、精一杯のピアノとの触れ合いだった。
心に刻まれた曲
卒業を控えた小学校6年生の冬、父の転勤に伴い、唐突に我が家の引越しが決まった。
ゆみちゃんと同じ中学校に行くものとばかり思っていたMAKIには、にわかに受け入れ難い事実だった。春から鎌倉の中学校に通うことになった。
中学校生活を見知らぬ土地で、しかも友達ゼロから始めるのか…。もともとネガティヴ志向なMAKI。希望はほとんど見出せず、不安しかなかった。
そんなある朝。いつものようにゆみちゃんに「いま弾いているのは何ていう曲?」と尋ねた。ゆみちゃんは答えた。
「まるで引越していくわたしへのお別れの曲みたいだな…。」美しいけれど切なさを秘めたメロディは、MAKIの新生活への不安と相まって心に深く刻まれた。
『さらばピアノよ』を弾く
あれから40年。
わたしは2年ほど前から、ピアノのお稽古を始めた。楽譜は相変わらず読めないけれど、階名をびっしりと書き込んでお稽古している。最近、『瑠璃色の地球』や『アンダー・ザ・シー』が弾けるようになった。
次に弾く曲は、クラシック曲にしようと決めていた。クラシックは、幼きころの自分の想いをそうっと癒してくれるような気がしていたからだ。
ふと、気づいた。『さらばピアノよ』を弾いてみたい、と。
発表会に出たいわけではない
発表会に出たいわけではない。どちらかといえば遠慮したい。ただ、『さらばピアノよ』が弾けるようになりたい、それだけなのだが。
ただ「発表会に出る」くらいの負荷をかけないと、楽譜も読めないわたしがこの曲を弾けるようになるわけない。だから、宣言するという暴挙にでてみる。
#今年学びたいことは 、さらばピアノよを弾けるようになること。
スタートのよろよろ動画をこちらに。
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