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7つの大罪①~日本人が英語が話せない理由:リスニング力不足~

こんにちは。
元アメリカ大学スピーチ講師、現 目標達成率90%の英語コーチ、
高橋です。

初めての方はこちらから(自己紹介):

月、木に英語中級者(TOEIC500点台以上)に向けて、スピーキング、プレゼン力アップのヒントを書いています。次は、7/15になります。

ただ、いきなり中級者になるわけではないので、その前の段階の方達も含め、日本人に共通している英語スピーキングができない理由7つがあり、それらを、7つの大罪として、書いたのが、前の記事でした。下です:こちら

その7つを、1つずつ、更に詳しくお知らせしていきます。必要な方に届きますように。第一回目は、リスニング力不足です。

厳密には、英語のリスニングができない、と言うとき①英語の音が聴き取れない、というレベルと、②音は聴けたのだけれど、それがすぐに意味に結びつかない(よって 理解できない)という二種類があります。

初級者が①、中級者が②の問題を抱えやすいのですが、中級者が①の問題とは、無縁かというと、そうでもありません。ですので、①と②、両方について、更に詳しく見ていきます。何が原因でそうなってしまうか、わかれば、対策が打てて、リスニング力が向上する、というわけなんです。

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●英語の音が聴き取れない
まず、①から。英語の音が聴き取れない、ですが、これには、2つ理由があります。a)その英語の音を知らないので、(自分の頭のなかに、その音が取り込まれていないので)認識できない、と b)一語、一語区切って言ってもらえれば、わかるのに、続けて言われるので、聴き取れない、です。

a)に関して、なぜ その音が取り込まれていないかというと、正しい音で習っていない(自己流、日本語話者として、聴き取れる音だけ勉強してきた、英語が聞えても、それを日本語で言える物に変換して覚えてきた、があります。)からです。<-そうやって勉強してきた生徒さん、見ています。

①ネイティブの発音を あまり聴かず、英語の綴りだけ見て、自己流に発音してきたら、そうなってしまいます。また、②日本語にはない英語の音を、どういう口で出したらいいのか、勉強していないと、そうなってしまいます。

解決法は、ですから、おわかりですね。口の開け方から、しっかり正しい発音を学ぶことです。自分で十分に開けているつもりでも、日本語に必要な大きさぐらいにしか、口が開いていないこともありますから、専門家に見てもらうといいですね。そして矯正してもらう。

例えば、hotの母音は、口を開けて、指が縦に3本ぐらい入るまでにして、出さなくてはいけないのです。他の音からこの音に移って、すぐ そのぐらいの大きさに口が開けられますか。日本語では、そんなことはないので、意識的に開ける練習を しなくてはなりません。

また口は 怠け者で、すぐ楽な、あまり開けなくていい日本語口に戻ろうとしますから、定期的に ちゃんと開けられているのか、メンテナンスという名の発音矯正が必要です。お口の筋トレ、という訳です。

さて、英語が聴き取れない理由の二つ目:個々の単語は、聴き取れるのに、つなげて話されると聴けない、に移りましょうか。

まず、残念なことに、英語はつなげて話される物なのです。特に、スピードが上がってきたとき(話者が乗ってきた、話しがはずんできた時)、リラックスした雰囲気の時に、単語がつながってきます。

上のような雰囲気で英語を聴いたり、話したりされたい方、ですから、この続けて話す・それを聴けるという力が大切なのです。相手が何か 続けて言う度に、訊き返していたのでは、その場が興ざめです。外国人の友達を作りたい、趣味の会に参加したい、等の場合がそれに当たります。

では、なぜ 続けて話されると聴けないのか。それは、続けて話された時に、音がどう変ってくるのか、を知らないので、聴き取れなくなるためです。そして、残念なことに、この音がつながることがどういう風に起こるのか、日本の学校では、きちんと教えてくれない傾向が高いです。

では、どうすればいいのか。自明ですね。その音のルールを学んでおけばいいのです。そして自分でも言えるように練習しておくといいです。私のプログラムでは、まずそこを最初にきちんと習得してもらっています。

次に行きましょう。
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音は聴けたけれど、意味が理解できない

最初に なぜ 上のようなことが起こってしまうのでしょうか。
それを考えてみましょう。耳に音は入っている、しかし それが何を指すのか、頭でプロセスできない、だから 何を意味しているのか、わからない、ということなんです。

言い方を換えれば、聴いた音が、それが指す物とつながっていない現象です。では、なぜつながらないのか。音とそれが指す物のつながりが、①できていないか、いても ②緩くつながっているから、です。

1つずつ 見ていきましょう。まず
①音とそれが指す物のつながりが、できていない場合について。これが、何を指すのか。英語の発音と それが何を表すのかが、結びついていないのは、a)その音を知らないか、b)その音がその物を指すのを知らないか、どちらかです。

a) その音を知らない、のは、正しい発音で学んでこなかったから、ですし、b)その音がその物を指すのを知らない・知っていても結びつきが遅い、のは、発音とそれが指し示す物を、つなげる練習をしてこなかったからです。

だったら、a)には、正しい発音練習をし、b)には、絵を描いたカード・実物と発音を結びつける、その過程で脳内に、音と対象物がつながるリンクを作っておく、があげられます。

英語が話される環境で、育ちながら学んできた人達は、
自然に物を見ながら、それがどんな発音で言われるのか、口に出しながら、学んでいます。その環境にいないあなたも、疑似環境を作れば学べます。

ああ あと1つ、音は聴けているのに、何を意味するのか、わからない場合がありました。それは、イディオム等を知らないことに、由来しています。

だから、解決策は、イディオムを覚える、です。
例えば、To take placeという言い回しがありますが、個々の単語、take, placeはわかっても、全体で、take place (催し物などが行われる)は、何を意味するのか、知らないと、理解できませんね。

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心の持ち方、マインドセットを変えることで上がるリスニング
最後に、これも書いておきましょう。ここも、学校であまり教えてくれないからです。

色々な場で、リスニングする必要があると思います。
テストや資格試験が大好きな日本人ですから、リスニングの場は、一方的に英語が流れて、それを聴き取り、問題に答える、のような場合が多いのではないでしょうか。

このような、実は特殊な場から、相手があって、話しながら 聴きながらリスニングできる双方向の場まで、
対策を考えてみましょう。

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一方的に流れる英語のリスニング:こちらにも、活路はあります。一回聴いて、聴けなかったら終わり、ではない、というヒントが。対処方は、諦めない、一回でわからなくても、駄目だと思わない、です。

えっと思った そこのあなた、そうです、英語って、同じことを二回言ってくれる場合が多いのです。
だから、一回目で聞きのがしても、二回目にまた聴いて、捉えるチャンスがあります。

具体的にお話ししますね。二回言ってくれる、には①同じことを、言い換えてくれる、②抽象度を変えて、言ってくれる、があります。

①は、同じことを同じ言い方で、何度も言うのは、英語上級者のすることではないんです。だから、別な単語や 言い回しで、言い換えてくれていることが、多いです。そこを狙ってみてください。諦めないで、「別の言い方をしてくれていないかな。」と思いながら、耳は開けておいてください。二度目に、聞こえるかも知れません。

次に②ですが、これは、結論->具体例で話す、という英語の性格によっています。まず結論をまとめて、抽象度の高い言葉で言い(短く)、その後に具体例が続く形です。もし、結論の所で、聴けなくても、具体例の所が聴ければ、そこから、結論を想像することが、できますね。逆も然りで、結論が聴ければ、具体例はその説明なので、聴けなくても、全体の理解には、さほど支障がないかもしれません。

例を挙げておくと、
Today, I would like to talk about X, namely Y, Z, and W.とか言ったとしましょう。Xが結論で、Y以下が具体例なので、どちらかが、聴ければ大丈夫、という訳です。

更に、ある程度まとまった量の物ならば、結論ー本文(例等)ー結論と来るので、最初の結論を逃しても、例を聴いたり、最後の結論を聴けば、取り返せます。なので、どうか、一カ所聴けなかったとしても、諦めないで、心と耳を閉じないで、ください。最後の一行になるまで、戦い続けてください。

引き算式の考え方も、とても もったいないです。
85%聴けているのに、聴けない15%のことばかり、気になって、「自分はリスニングができない」って 思われている日本人の中級者は多いです。聴けた単語に集中して、これも、あれも、ああ あれも聴けたって思いながら、進んでいってください。

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双方向のリスニング:話し相手がいる場合の、こちらが聴き手にも、話してにもなれる場合のリスニングです。

これは、簡単でしょう。聴けない所があったら、相手にもう一度言ってくれるように、御願いすればいいのです。自分の理解でいいかなと思ったら、「こう理解したのですが、これでいいですか。」って確かめればいいのです。それだけのこと^^Y

はいはい、こんな事を書くと、「うまく 相手の話しているのを止めて、聴けません。」「どう言って、確かめたらいいのか、わかりません。」「質問するのは、失礼では。」何ていう声が聞こえそうですね。

それでしたら、タイミングよく入れるように、練習する、確かめる際の文言を覚える、質問がむしろ相手に歓迎されることなのだと、考えを改めるをしてください。自分の話すことに質問がある=興味を持って 聴いていてくれる、なのです。失礼どころか、歓迎されますよ。

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はい、今回は少し長くなりましたね。これを読まれたあなたが、へえ~そうなんだと思われ、リスニング力アップって 自分にもできそうと思われたら、こんなにうれしいことは、ありません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。自己流を捨てて、きちんと口の形から学べば、マインドを変えて取り組めば、リスニングは上がってくるのでした。

次は、日本人が英語を話せない理由の②、丸覚えさせる教育について、書いていきます。

よろしければサポート御願い致します。いただいた費用は、私の研鑽費、そして日本の英語スピーキング教育改革に使わせていただきます。