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Vol.11【雨上がり決死隊解散に伴い不可避となるアノ人達への甚大な影響】

2021年8月17日、蛍原徹と宮迫博之による【雨上がり決死隊】が、結成32年の歴史に幕を下ろすことが発表された。

当人達の話によれば、お互いが新しく前に進むための分水嶺として避けては通れなかったということだが、全く以てその通りだと思う。蛍原さんが初めて言及したように、宮迫さんがその主戦場を長年お世話になったテレビからYouTubeに移した事がその引き金を引いた結果になった。そしてそれは何の意外性もない。

現在多くのタレントはテレビを主戦場としながらも、明石家さんま曰く【素人さんの土俵】であるYouTubeに乗り込み、その肥沃な土壌の恩恵を多大に受けている。宮迫さんはいわばその先駆者のようなもの。勿論カジサックや霜降り明星・四千頭身など、彼よりももっと早くYouTubeの有用性に気づいていた若手などもいるが、彼らとその後のタレント大量流入は決してリンクしない部分がある。

それは、彼らのホームがYouTubeかTVかの違いであろう。今でこそ若手冠番組等が乱立し始め、バラエティ界は新たな局面を迎えてはいるが、YouTubeは芸人にとっての厚い壁である【スポンサー】を気にしなくてよい(当然YouTube側の倫理規定等はあるが)点が大きなメリットである。暴論になるがテレビ番組というのはまずスポンサーありきで番組が制作され、キャスティング等にも大きく影響を及ぼす存在だ。いわば顔色を窺いながらやりたいことが100%やれるか、という点で障壁と化す。所謂第7世代とその周辺に位置する世代はYouTubeの傍らテレビもこなす、というスタイルが確立されつつあるため、TV業界にそこまで未練はないという。

だが宮迫さんを筆頭に80年代から90年代を戦った芸人は違う。YouTubeはコロナ以降その業務に大きく支障を来す様になった制作会社とタッグを組み、あくまでTVの副産物、もしくは趣味チャンネルの運営といった意味合いのほうが強い。実際蛍原さんは【ホトゴルフ】というチャンネルを立ち上げた。宮迫さんのYouTube開設がトリガーであるが、YouTubeそのものを否定しているわけではない。先の理論に基づいて話すと、TVを主戦にできないという点で今後二人の線が交わることは無いと判断したのだろう。

恐らくは今後宮迫さんはユーチューバーとして、蛍原さんはタレント活動メインで副産物的にYouTubeチャンネルを運営、といったスタイルを明確にしていくと思われる。二人の新しい展開を心より応援したい。

だが。

だがしかし。

この雨上がり決死隊を先駆けとして、人生の岐路に雨上がりと同じ選択をしたコンビが2組ある。

TKOとアンジャッシュだ。

TKO木下さんは松竹芸能を退所しているが、アンジャッシュ渡部さんはまだ人力舎に籍を置いている。木下さんはYouTubeチャンネルを頑張っている辺り宮迫さんと同じといえるが、渡部さんはそれすら動かせていない。

ちなみに相方のTKO木本さん、アンジャッシュ児嶋さんも個人でYouTubeチャンネルを開設している。特に児嶋さんは渡部事変以降の開設にも関わらず、登録者数94万人(2021年8月18日時点)と破竹の勢いで成功を収めている。

共に相方の不祥事でコンビ活動を停止している状況は継続中だが、この雨上がり決死隊の解散を受けてどのような判断をするのか。個人的に注視したい点である。

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