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(68)マルシェの楽しみ その2 大地の恵み

スーパーマーケットより極力マルシェで買い物をしていました。
そこにいるだけで大地の恵みのエネルギーを思いきり吸い込める気がしていたからです。
欧州の田舎を旅するのが好きで、延々と続く田園風景が記憶のストックに豊富にあったのも、作物から食材へのイメージがつながりやすく、心惹かれた理由の一つでしょう。
最初の頃、持ち帰った袋の中に傷んだもの古いものを見つけた時はがっかりしましたが、見極め方にもすぐに慣れ、不揃いの野菜や果物の中から自分の用途に合わせて選んでいく獲得感を楽しめるようになっていきました。

やさい1

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(春だけのお楽しみ白アスパラ。お湯の中にちょっと牛乳を加えて茹でてえぐみを取るのがコツ。マヨネーズよりお醤油を垂らす派でした)

ブーダンノワール
(大好きなブータンノワール。マッシュポテトを添えていただきます。中身は豚の血と脂肪、玉ねぎとスパイス類。これは自宅で難なく調理する自信がなく、レストランでいただくだけです)

かき

(牡蠣は殻をあけるのに技術がいるので、マルシェで開けてもらい、汁がこぼれないようにそっと自宅まで運んでレモンをかけて食べていました)

”You are what you eat”
食生活によって、体調どころか気持ちの持ちようまで変わってくることを年々実感しています。

若い肝臓や腎臓は多少ジャンキーな食生活を送っても、不要なもの害のあるものを排除濾過するよう頑張ってくれますが、ある一定の年齢を過ぎたら、気力でねじ伏せるわけにはいきません。
お客様に喜んでいただけるためには、自分自身が(買付も接客も)良い状態で臨めるよう心身をコントロールしていくのも仕事のうちと留意しています。

質の良い食事と睡眠
適度な運動
心の有り様
いつも理想通り、とはいきませんが、立ち返る場所さえ把握していれば、ブレることがあっても戻りが早いですよね。

料理研究家の友人知人が多く情報を頂ける割には、「美しい食卓を提供する」という観点で合格レベルに至っていないのが玉に瑕ですが、中医学や薬膳の本も横に置き、季節や体調に合わせて旬の食材やハーブ・スパイス類を意識して取るようにしています。

免疫力をあげると言われるビタミンC・D等のサプリも状態に応じて取り、時短で済ませたい時はバイタミックスで必要栄養素をスムージーにして飲み物として摂取。

(厚生労働省のこのサイトでも確認します。

www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html )

よく催事の際に「そのツヤツヤのおでこの秘訣はなんですか?」と、お客様に聞かれるので、私のマル秘健康維持朝のスムージーをここでご紹介しますね。正直美味しくはないです(笑)

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(これは、見た目は似ていますがスムージーではなく、マルシェの帰りに立ち寄るカフェのフロマージュ・ブランにフランボワーズのジャムをのせたもの)

豆乳をベースにアミノ酸パウダー(バリン・L-ロイシン他)・きなこ・すりごま白&黒・ハト麦の粉(ヨクイニン)各大さじ1杯、非加熱バオバブの粉小さじ1杯、甘みを加えたい時はフラクトオリゴ糖、気分でバナナや冷凍ブルーベリーを加えてバイタミックスでガーッと。グラスに2杯分できるので、夫にもおすそ分けしています。(笑)

ビーガンやベジタリアンほどストイックにはできないですが、肉は私の胃には負担がかかる気がして極力避け、(欧州ではラムや鴨肉が美味しいので喜んでいただきます)良質の蛋白質を摂取するのは主にサーモンや青魚の魚貝類、大豆製品中心。
30代超えると徐々にグルテンは消化しづらくなるらしく、確かにパンやパスタが続くと胃腸に膨満感を感じるようになり、なるべく食材もグルテンフリーを選んでいます。

オーガニックのものを扱う店で野菜や果物を購入、鶏舎の中でストレスフルに産んだ卵より放飼いの鶏の卵を選んだり、少しずつできる限りですが、この小さな積み重ねが、移動の多いこの仕事に臨む体調を整えてくれているような気がしています。

今でもパリ出張の際は、早起きしてマルシェで食材を調達します。
威勢のよいお店の人達から旬の「命のエネルギー」いっぱいの食材を教えてもらい、その楽しい会話から、身体になにより大切な「心持を明るくしてくれる幸せビタミン」をたっぷりもらえる気がするのです。

食材

本日の追記(61)パリからの便り
連日のニュースで報じられる戦況。
夫もサハリン1プロジェクトの仕事をしていましたし、欧州に住む友人やロシア・東欧の仕事を夫としていた元同僚のメールの一部を読まさせてもらうと彼らの臨場感がより感じられます。
(サハリン1プロジェクトhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%B31

その一人、パリに住むM.Obataのメールの冒頭の部分。

「ウクライナの首都キエフは地理的に見ればパリよりも北緯、ブルッセルとほぼ同じ緯度なので、想像するに早々と春を告げるプリムヴェーラ(桜草)が残雪の下で小花を咲かせている頃ではないか。尤も、戦闘地区では草花草木等は戦車、軍人達の軍靴で踏みにじられているに違いないだろうが」by M. Obata in Paris

プリマヴェーラ

(M.Obata自宅の庭のプリマヴェーラ)

ウクライナは世界有数の穀倉地帯で、世界第7位の小麦の生産国。(2021年)
www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/wheat.html
またトウモロコシも世界第5位の生産量を誇ります。(2020年)
www.globalnote.jp/post-1072.html
「欧州のパンかご」「世界の食糧庫」とも呼ばれているそうです。
ロシア料理だと思っていた「ボルシチ」は実はウクライナ発祥だったとか。
その食文化を支える農業は、鉱工業に次いでウクライナの大きな産業で、日本の企業も多く参画しています。
今頃の季節に見られる黄水仙は、今年も変わらず肥沃な大地に気高く香り高く咲いていることでしょう。

黄水仙


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