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友人が最後に教えてくれたこと

※下書きにしまっておいた記事。心の整理がついたので投稿。

もし、病気がもっと早くみつかっていたら・・・

 

産婦人科医として
「婦人科のがん」をみる道を選んだ時


漠然と、終末期医療に携わりたいと
思っていました。

人間、いずれは最期を迎えます。
その最後の時に寄り添いたい
そう思っていました。


いろいろあって
終末期医療や緩和医療の道から離れ
今は予防医学の道を進んでいます。


道は違えど
病気と命について
考えることは同じ。


最近、一人の友人をがんで亡くしました。


友人と言っても
会ったことは数回しかなく
SNSメインで交流をしていたので

今でも、遠くで彼女が元気でいる
そんな気がしてなりません。


でも・・・


もう、メッセージを送っても返事はこない。


そう思うと

最後に交わした言葉が
「また、連絡します」で終わっていることが
とても悔やまれてしかたありません。


というのも

相談されていたことに対して
彼女が望む返事をできなかったから。


その時、すでに私は頭の片隅で
彼女との別れが早いかもしれないことを
感じていたのかもしれません。


でも、今の医学で治って元気になって欲しい。


そう祈っていました。


人生の終わりはいつかやってきます。

大好きな人との別れもやってきます。


その時に
「ああ、やりたかったことは大体やれたな」

と思うのか


「もっとあれもこれもやりたかった」
と思うのか。


彼女の早すぎる死に
どうしても彼女の描いた夢について
考えずにはいられませんでした。


家族と一緒に叶えたかった夢が
彼女にもありました。

そんな彼女のことを思うたびに


同じように病気で早く旅立ってしまう人が
少なくなってほしい
心からそう思うのです。


女性は、女性特有の病気について
恥ずかしいと思って
中々、病院にいきたがりません。


もっと早くにみつかっていたら
病気は治ったのに

そんな悔しい気持ちが私の中にはあります。


予防することは
未来をつなぐこと


大好きな人達と過ごす時間を増やすこと。


病気は治療すれば治る。

病気になったからと言って
隠す必要はないし
自分を責める必要もない。


不安な人に寄り添うために
私は医者になったのだと
深く心に刻みながら


今まで以上に、みんなに情報を伝えなければ!

そう心に誓いました。

きっと、彼女が私に教えてくれたのは


病気に寄り添う医者
人の心に寄り添う医者になるように

そんなことなんじゃないかなって
思いました。


ありがとう。

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