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社内ホワイトデーで執事カフェを開いてお嬢様をもてなした。株式会社ZIZOのWD2020

こんにちは。
ZIZOというクリエイティブエージェンシーでWebディレクターをしています、まきし@ZIZOです。

3月14日はホワイトデーでしたね。みなさんはどんな一日を過ごされたでしょうか?

この4月で10期目を迎えるZIZOでは、バレンタインデーとホワイトデーは社内イベントを開催するという伝統が長く存在します。
2月には女子社員主催イベントとして「普段からコミュニケーションを取っていれば答えられて当たり前」な、女子社員の趣味に関するクイズが男子社員に出題され、その正解数に応じてもらえるチョコレートのランクが変わるという『ZIZO入試センター試験』なるバレンタインイベントが開催されました。

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ちなみに、全28問に対して平均点が10.88点だったことで、女子社員の失望を誘いましたが、一方では問題の難易度が高すぎるんじゃないかという声も上がっているとか。私も10点でした、はい。
このように、ZIZOのバレンタインデーは例年、女子社員が男子社員を(愛をもって)格付けする、というコンセプトでお届けしています。

一方ホワイトデーはどうか?逆に男子社員が女子社員を格付けするのか?

否。
我々がみなさんを評価するなんておこがましいにもほどがあります。

ホワイトデーは男子社員が女子社員をもてなす一日なのです。

いつもはなかなか素直に伝えられない「ありがとう」の気持ちを込めて、とにかく女子をもてなしまくる。それがZIZOのホワイトデーです。

今年のホワイトデーイベントが3月13日(金)に開催され、過去最大のおもてなしを実行したので、その様子をご紹介します。


社内ホワイトデーイベントのコンセプト決定まで

毎年のホワイトデーイベントは、男子社員がプロジェクトチームを結成し、企画を考えるところから始まります。今年は私がSlackに男子社員だけのプライベートチャンネルを作ってプロジェクトの呼びかけをおこないました。

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その後、有志の男性社員が集まってブレストを実施。
途中から、おもしろいこと言いたいだけの大喜利状態になる中、「そういえば最近遅くまで残ってる子が多いよね」という話題になりました。

一般的にWeb制作は3月・9月に納品する案件が多く、つまり今が一番の繁忙期です。ZIZOでも最近は遅くまで残って作業しているスタッフの姿がちらほら。
また、企画→デザイン→実装という工程で案件が進むため、納品ラッシュのこの時期には、案件の後半に作業が入るデザイナー・エンジニアのタスクが重くなりがち。ZIZOではクリエイティブ職種の女性比率が高いこともあり、先ほどの「遅くまで残って作業しているスタッフ」の中には女子社員も多く含まれていたりします。

それならば心身の疲れを癒せるおもてなしを…と考えてたどり着いたのが、執事カフェを開店するというアイデアでした。

数ある案の中から執事カフェが推された根拠としては、

・執事カフェ=お仕事に疲れた都会のお嬢様が癒しを求めて立ち寄る場所。であるからして、疲弊しきった今の女子社員の皆さまなら喜んでくれるに違いない。

・執事になりきることで、シャイボーイ揃いの男子社員でも自信を持って振る舞えるかもしれない。

・なんとなく女性は属性とかが好きそうな気がする。

などが挙げられます。

基本的にZIZOの男子社員は女心がわからない野暮天揃いのため、ほとんどの仮説は想像の域を出ていないことをご承知ください。
今思えば、本当に執事カフェが最適解なのか疑問が残りますが、そのときは割と名案っぽい空気が漂っていたので、そのまま進行しました。

※以降、女子社員のことはお嬢様と記載します。


ホワイトデープロジェクトはトップシークレットで

ZIZOではホワイトデープロジェクトが進行していることをお嬢様に知られてはいけない、という不文律があります。お嬢様はサプライズに弱いという話をいろいろなアニメやラノベでも見るので、たぶん間違いないんだと思います。

とはいえ、執事カフェをオープンする3月13日(金)にお嬢様がオフィスに出社するのかどうか(特に今年は世情的にリモートワークが平時より実施されている状況)を事前に確認する必要があります。これは、参加人数によって執事カフェで提供するメニューや、場のセッティングが変わるためです。

ということで、Slackでさり気なくみなさんの予定を確認しました。

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たまたま、お嬢様が揃いも揃って暇だったのか、レスポンスは早く集まりました。

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調整さんには様々なコメントがついていますが、幸い、この時点でホワイトデーのサプライズには誰も気づいていないようです。ウブなお嬢様たちですね。


当日の期待感を高めるために告知スライドを作成

いよいよホワイトデーイベントが近づいた前日、3月12日(木)の夜に企画内容を告知するスライドをKeynoteで作成し、Slackでお嬢様に共有することに。

ここでも、お嬢様に当日への期待感を存分に高めていただけるようにフォーマットを考えました。

今回のイベントで、我々は執事になりきって、お嬢様に日常からかけ離れた夢のようなひと時を提供しなければならない。それならば、その世界観を補強することができる告知方法を目指すべきではないか!
そう考えた結果、お嬢様の夢を叶えるコンテンツの代表格である乙女ゲーを模したデザインのスライドを作成することにしました。

※知らない方のために説明しておくと、乙女ゲーとはいわゆるノベルゲームや恋愛ADVと呼ばれる、テキストを読み進めて物語を楽しむゲームで、ギャルゲーの対義語にあたるものです。

お嬢様にぴったりの世界観を構築すべく、優雅な雰囲気の背景を入れて…

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執事の立ち絵を載せて…

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メッセージ画面をつけたら…

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うん、完全にゲーム。

このあとBGMやSEを入れたり、キービジュアルをデザイナーの杉本に発注したり、ボタン操作に合わせてテキストを読み進められるようにしたり、ポーズ違いの差分立ち絵を用意したり、オブジェクトがふわっと出るアニメーションを入れたりと、Keynoteの機能を限界まで引き出すほど作り込みました。完成するまでシャレにならない工数が掛かりましたが、すべてはお嬢様の笑顔のためです。

ちなみに、選択肢によって甘々のトゥルーエンドとホラー展開のバッドエンドに分岐するという案も考えましたが、Keynoteのスライドでルート分岐を実装するアイデアが思い浮かばなかったことや、周囲のメンバーにものすごい勢いで止められたことなどを理由に断念。

立ち絵のイラストは、素晴らしい素材を無料配布されている三日月アルペジオ様より拝借いたしました。

そして、できあがったのがコチラ。
※PDF版のためアニメーションはつきませんのでご了承ください。


ZIZOには日本語習得中の海外出身メンバーも多いため、英語バージョンも合わせて作成しました。


いよいよ渾身の乙女ゲースライドを投下

正直、ノリノリでKeynoteを作成している途中で、ふと冷静になって「もしかしてこの世界観はお嬢様に引かれるんじゃないか…」という思いが頭をよぎったこともありました。

いよいよお嬢様へスライドを送る時間になれば、Slackでメッセージを送信する手にも力が入ります。

いざ。

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ん?

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めちゃめちゃスタンプついとる!!

本気のクリエイティブがお嬢様の心を動かしたのか。はたまた、わが社には腐ったお嬢様が多いのか。

上々の反応に背中を押されて、いよいよ当日へ。


本番を間近に控え、ワクワクが止まらない男子社員たち

さっきから「この人、一人で楽しんでて怖い」と思われかねない紹介の仕方をしていますが、当然このプロジェクトには多くの男子社員が関わっています。

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事前に配布したシフト表に対する確認もきっちり。
ちなみに、役割としては私が店長で、コアメンバーを副店長、ホールリーダー、キッチンリーダーに任命しています。


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こちらから何も言わずとも動いてくれる頼れるスタッフ(ホールリーダーの大曽根、副店長の山中)。

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やる気に満ちたアルバイトスタッフの図。

平時は「時空がゆがんでメッセージが届いていないんじゃないか」と思うぐらいSlackの反応が薄いZIZOの男子社員たちも、イベント前日ともなると否応なしにテンションが上がってきました。


本番当日は執事が朝からセッティング

ZIZOは大半のメンバーが裁量労働制で働いているため、普段は各自の出社時間は自由なのですが、この日は朝から男子社員は集合。『カフェ・ジゾー』のセッティングを行いました。
ちなみに、今回は「みなさん思い思いの執事スタイルで着飾ってきてください」というオーダーを男子社員にしたため、一般的な執事のイメージからは、割と離れたファッションの人も映り込んでいると思いますが、気にしないてください。

テーブルクロスを敷いて…

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いい感じの器にスイーツを載せてテーブルに並べると…

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圧倒的お茶会感

ちなみに、テーブルクロスが寸足らずなのは発注ミスによるものです。

また、昨今の情勢を鑑み、キッチンスタッフはアルコール消毒・マスク・ビニール手袋必須で業務にあたりました。

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いよいよお嬢様をお誘いし、お茶会スタート

定刻になるとお嬢様にぴったりの優雅なクラシックがオフィスに流れ出し、ホールスタッフより「お茶会のお時間でございます」の呼びかけがなされました。

緊張の面持ちでお嬢様をお出迎えするホールスタッフたち。当然、第一声は「おかえりなさいませ、お嬢様」です。

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お嬢様へのご挨拶を済ませたら、まずお席にご案内します。
このとき、大量に出現したお嬢様の圧にたじろいでフロアが一気にわちゃわちゃしましたが、なんとかパニックを起こすことなく対処して持ちこたえました。

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一方、その頃キッチンではお紅茶が準備されていましたが、バーカウンターの影に隠れて大量のティーパックを高速でひたひたさせている姿がシュールで、なんかよかったです。

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予算の都合でお紅茶は近所のスーパーなどで手に入れられる安価なものにしましたが、お嬢様から特にクレームはこなかったので、きっと大丈夫だったのだと思います。
また、事前にお紅茶が苦手なお嬢様がいらっしゃることをリサーチしていたので、ジュースもご用意しました。

その後、ホールスタッフから本日のケーキのお味の説明があり、お好みの種類を取り分け。

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お紅茶のおかわりもホールスタッフがおつぎします。

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ちなみにおかわりのお紅茶の味が異常に薄かったことが、あとから発覚しましたが、お嬢様から特にクレームはこなかったので、きっと大丈夫だったのだと思います。

お嬢様を飽きさせない秘密兵器、チェキが登場

カフェ・ジゾーの接客サービスは、ホールスタッフのアドリブ力にすべてを託すというストロングスタイルで運営されています。また、非・体育会系なインドア男子で構成されたチームであるため、途中でイケメン執事風のトークが思い付かずに変な間が生まれることも…。

そんなときの奥の手として、チェキのサービスを事前に用意しておきました。

本場のメイドカフェや執事カフェよろしく、ご指名いただいたスタッフがお嬢様と一緒にチェキを撮影し、手書きメッセージをつけて進呈します。ブレストで発案された当初は「誰がこんなもんやるんだ」と失笑を買ったコンテンツでしたが、正直、これがなかったら間がもたずに大事故が起こっていたと思います。

言葉では伝えられない気持ちも、メッセージにすれば…

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フランス出身のリアルガチイケメンエンジニアRenaud(写真左)がダントツの指名率だったため、越えられない壁を感じたスタッフ一同でした。

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ジュテーム。


そのころ、南青山支店では

男性2名、お嬢様2名が在籍する南青山支店(東京オフィス)では、スタッフからの事前の申し出により、近所のお店にお嬢様を連れ出すことに。有り体に言えば同伴です。

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全二名の南青山支店で不動のツートップ、加藤と鈴木がお嬢様をエスコート。

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これぞおもてなし〜。

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行き帰りはもちろん送迎付き。ズボンのおしりがパツパツです。

お茶会が終わればいつもの日常へ

お茶会はつつがなく進み、「お嬢様、お出かけのお時間でございます」の声とともに閉店となりました。
ちなみに11時と15時の二部開催だったため、間に通常業務へ戻る空白の時間帯があり、気持ちの切替が大変だったことを記しておきます。

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蝶タイしながら普通に仕事する代表・仲島の様子。

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お茶会が終われば当然、お片付けも執事がすべておこないます。

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そしてお嬢様たちはいつもの日常へと戻っていくのでした。


あとがき

当日を迎える前は、様々な不安もありましたが全体をとおしてほどよい盛り上がりを見せ、お嬢様の笑顔も多数見られました。

ただ、お茶会の半ばではやっぱり変な間が空いてしまい、お嬢様に気を使わせるタイミングがあったことや、オーダーの聞き取りに時間がかかったことなど、反省点も多々あります。

また、

・イベント終了直後に、乙女ゲー風Keynote第2弾を投下したが、「実は今日のイベントはすべて、バレンタインデーの格付けで最下位だったエンジニア武田の作り出したVRゲーム世界の中で起きた出来事だった」という展開が、異世界転生モノの素養に欠けるお嬢様たちには全くウケなかった。

・事前に「黒と白を基調としたファッションが執事っぽさを演出するポイントである」という情報を男子社員に共有したところ、当日、何かの行き違いでカオナシのコスプレで現れた者がいた。

など、noteで紹介するのが憚られる失態も起きていたことを、最後に正直に報告させていただきます。

ともあれ、今回の学びを、今後の社内イベントの運営にも活かしたいゾと思ったのでした。


(おしまい)




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