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女性が自由で豊かに生きられる社会を  女子未来大学ファウンダー / OMOYA Inc. 代表取締役 猪熊真理子さん

凛とした佇まいの中には、強い意志としなやかさが漂う。学生時代から「女性が自由に豊かに生きていける社会」を創るために女性支援の活動を始め、これまでに4000人以上の女性をサポートしてきた、猪熊真理子さんにお話を伺いました。

◼︎ 猪熊真理子さん プロフィール
OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学ファウンダー
東京女子大学文理学部心理学科卒業。認定心理士の資格を取得。2007年(株)リクルートに入社。「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。
会社員の傍ら、「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに、講演やイベント、セミナーなどで女性支援の活動を行い、高校生から70代の女性まで延べ4千人を超える女性たちと出逢う。2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。株式会社OMOYAでは、主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネージメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。経済産業省「平成28年度地域創業促進⽀援研修」講師、「平成28年度中国地域中⼩企業・⼈材コーディネート事業」ダイバーシティ経営セミナー・ファシリテーターなどを歴任。社会人女性の学びの場「女子未来大学」ファウンダー。多様な価値観の多様な幸せを女性たちが歩めるような未来を目指して女性のキャリアや心理的な支援活動などを行っている。
​著書に『「私らしさ」のつくりかた(猪熊真理子著・サンクチュアリ出版)』


「豊かな日本で、自信が持てない女性たちの役に立ちたい」


記者:  まず初めに、現在のお仕事をされるまでの背景を教えて頂けますか?

猪熊さん(以下 敬称略):私は高校の時から、大学で心理学を学んで将来は臨床心理士になりたいと思っていたんです。でも実際に心理学を学んでみて、臨床の場よりも、今現実で生きている人たちの悩みや葛藤を解決したい、特に女性の自信形成についての支援をしたいと思うようになったんです。

自分も自信がなかったですし、見渡したら周りの女性たちもみんな自信がなかった。どうしてこんなにモノも情報も豊かな日本に生まれて、女性たちは自信が持てないのだろう?と、そこに関心があったんです。

女性の支援は奉仕でもやりたいと思っていたので、学生時代からブログの発信や講演活動などをしていたのですが、その後個別にお話した女性たちの大半が、自分の葛藤を話しながら涙を流すのを目の当たりにして。

少しでもその目の前の人の役に立ちたい、そして同じように悩んでいる多くの女性の為にも、「継続して女性を幸せにできる仕組み」をつくって、女性が自由で豊かに生きられる社会にしたい、という思いが強くなっていきました。

そして、すぐに起業するか就職するか悩んだ末、まずビジネスの知識を学びたいと思ってリクルートに入り、そこで学んだ事業企画やマーケティングのスキルを生かして、コンサルティングや企画マーケティングの事業で収益を得ながら、女性支援事業にも投資できたらというポートフォーリオを描いて、2014年に株式会社 OMOYAを設立しました。


「自分が生きる意味とは何か? 問い続けて
、たどり着いた 
  答え」


記者:  今までのどんな認識の変化やあり方の変化が、現在の活動につながっていると思いますか?

猪熊:私自身は、小さい頃に「自分には生きる価値がない」と思って、自分に自信がありませんでした。小学生の時には、バレエ・ピアノ・習字など習い事を週に8つやっていたんですけど、全部に全力投球して、周りに価値を発揮していないと生きていちゃいけない気がしていたんです。
小さい頃から「私はなぜ生きているのか?」「私の生きる意味とは何なのか?」を常に考えているような子供でした。

自分自身に自信がなくて、生きることの意味が見出せなかった時、「自分には何の価値もないんではないか?」という悲しみがありました。でも、悲しい、悲しいと思っていても、悲しみ飽きる瞬間があったんです。自分に自信がない、自分のことを好きになれないと辛い、悲しいと思うよりも、発想を変えて、「周りの人に幸せを感じてもらえるように、自分が幸せになれる生き方をしよう。私が生きていくことの意味は、社会の中で、意味ある生き方を見出していくこと以外にないんだ」という所に辿り着いたんです。


「悩む女性を一人にしない。自分らしさを取り戻せる、
  心の居場所・サード   コミュニティ」

記者:女性支援はボランティアでもやりたいというほどの、猪熊さんの想いの原点はそこにあったんですね。

猪熊:そうですね。自分自身が絶望のどん底にいた時に、誰にも相談もできなかったので、一人で答えを見出すしかない苦しさをすごく実感しているんです。だからこそ、悩んでいる女性を一人にしたくない。その意味で、会社の同僚や学生時代の友達には言えないことも、「女子未来大学」というコミュニティで色々な人達と関わりあいながら、本音を言えたり、本当に望む生き方や働き方をお互いに語って、刺激を受けられるような仕組みをつくりたい、と思ったんです。

家族をファースト・コミュニティとすると、社会の中で自分を実現する場、例えば職場だったり、友人などのコミュニティをセカンド・コミュニティ、その二つのコミュニティとは直接的に関係はないけれど、ステークホルダーじゃないからこそ、本音で人生で本当に大切にしたいことを話せるような心の居場所を「サード・コミュニティ」と呼んでいて、女子未来大学はそういうコミュニティにしたいと提唱しています。

記者:具体的にはどんなことをされているんですか?

猪熊:女子未来大学では、自分らしさを取り戻すためのきっかけ創りとして、女性たちが自らの主体性を持って人生を選択するための“学びの機会”を提供しています。また女子未来大学とは別に、“自信を持てる私になるためのコミュニティサロン「私らしさのつくりかた」”というオンラインサロンを運営しているのですが、このサロンでは毎月のワークをやってもらい、私はクラスの学級委員長の様な立場で、一人ずつにフィードバックをしながら、その人らしさを引き出すサポートをしています。

そこでは、自分らしさを活かすためのいろんな知見や情報を共有しているのですが、その人らしさを開花させるステップとして、「自分らしさを忘れている期」「自分らしさを取り戻す期」そして「自分らしさを活かして自分の人生を創造する期」という「自分らしさの3段活用」という捉え方などをお話しています。

最初はほとんどの方が「自分らしさを忘れている期」にいるのですが、「自分らしさ」とは何なのかということを多面的に考えたり、理解しようと継続的に取り組んでいくと、表情まで変わってくるんですよ。自信があるかないかは、ものすごくその人の表面に出てくるし、出会いの質や行動力、仕事への思いも変わるので、すごく面白いし、やりがいがありますね。人は変われないという説もあるけど、人は変われるんです。


「心の繋がりや、無条件の信頼が 今からの時代に求め
  られるもの」

記者:ではここからは今の時代についてお聞きしたいと思うのですが。これからのAIが活躍する時代に、必要とされるニーズとは何だと思いますか?

猪熊:私は、知能だけが人間の生きる意味ではないと思っているのですが、 AIの登場によって最終的に行き着くところは「人間が生きるとは何なのか?死ぬとは何か?」ということだと思います。

また、人間らしさや心の豊かさが問われる時代でもありますよね。本来人間は、深いところで人間とつながりたいという欲求があると思うんです。私は「人の自信の形成」というテーマをずっと研究してきたのですが、その大きな要素の一つが、「自分以上に、誰かから無条件に信じてもらえること」なんです。

それが初めの一歩になって、さらにもう一歩踏み出せるようになり、その成功体験を積むことが、自信になっていく。じゃあ、もしその最初に信じてくれる相手がロボットやAIだったらと考えると、それはあまり嬉しくないと思うんですね。だからこそ、人間同士の心のつながりや無条件の信頼という、ロジックではない部分が問われる時代ではないかと思います。


記者:これから、どんな美しい時代を創っていきたいですか?

猪熊:これは難しい質問ですね。人間と関わるということは、もちろんポジティブな側面もあれば、嫉妬や恨みや恐れなどいろんな事を経験するので。

人として生きていれば、傷つけるつもりはなくてもそうなってしまうこともある。何かを発信した時にすべての人を幸せにはできないので、パーフェクトに美しくはならなくても、最大限、最適化できるようにと思っています。

そうやって自分自身を研磨して、自分らしさを発揮しながら、皆が社会や周りの役に立っていける状態が、美しいかどうかはわからないけれど、人間らしいかもしれないですね。

「既成概念が外れた先に、 
  自由で豊かな喜び溢れる生き方がある」

記者:では最後に、今の時代を生きる女性たちに向けてメッセージ︎をお願いします。

猪熊:今、時代のパラダイムシフトが起こりつつある中で、一人ひとりの意識のシフトがまだ追いつかない状態なのかな、と感じています。本当はどの道に行ってもいいのに、社会や自分の既成概念によって、いつのまにかこの道しか行けないと思い込んでしまっていたり。

でも、それが緩やかに外れていった先に、自分から新しく創り出す喜びがあるし、呼吸するように自分らしく働き、生きられる世界があると思います。だから、そういう生き方の女性がどんどん増えたら嬉しいし、できる限り応援していきたいですね。

それと、人間は一人では生きられないから。信頼して応援してくれる人がいて、心の安全基地があって初めて、自分もパイオニア(開拓者)になってみようかなと思えると思うので、人との繋がりやコミュニティも大事にして欲しいなと思います。

記者:本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。

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猪熊さんの情報はこちら↓↓

● OMOYA webサイト:
 https://www.omoya-inc.com
● 女子未来大学 webサイト:
http://www.joshi-mirai.com
●オンラインサロン:
https://lounge.dmm.com/detail/764/

◼︎編集後記

記者を担当した、黒田と牧野です。猪熊さんの意志と生き様に心を揺さぶられたのと同時に、同じ女性としても共感する部分がたくさんあり、一緒に女性が自由で豊かに生きられる社会を創っていきたいと感じました。これからも益々のご活躍を、応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人たち”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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