山小屋造りの練習らしい。竹ひごみたいな細い角材で、ミニチュアハウスを作り出した、旦那さん。
そ、そこから？  
近道なのか遠回りなのか、しかし日々前進しているはずの、旦那さん。

同時進行でバイオトイレやコンポストについての勉強も始めている。
そこから？
と、今度は思わず突っ込んだが、
「建築現場にはまずトイレは必須だろう」と言われて、なるほどと思う。

正直、ここのところ私も旦那さんも停滞していた。
なんとなく病気がちになったのは、体が切実に何か次のステージへと訴えていたから。このままじゃいけないのはわかっていたが、どうしていいかわからなかった。泥の中で模索はしていたんだけど。

でも急に吹っ切れた。
「山を買う」という決断を旦那さんが決めてから、すべてが動きだした気がする。
まず、やらなきゃリストができたじゃないの。これ、いったい何項目あるの？
現実問題として本当に山は買えないかもしれないが（お金とか、想定外の問題で）、でも目指しているあたりがボンヤリ見えた感じ。
次男がもうすぐ小学校卒業。あの、楽しいけれども怒涛のようにあった、サッカーの試合や練習の、土日の送迎や応援がなくなるのも、ちょうどいいタイミングだ。

もちろん、このフリーランス夫婦の大事な貯蓄はこのトライアルでかなり削られる。
しかし、このまま将来の「安定」のために、リスクを取らずに現状維持したとしても、カラダが先に悲鳴をあげたかもしれない。そうしたらストレスや深刻な病と闘う、「不安定」な日々が始まる。
よく使われる「自分らしく生きる」というフレーズだが、自分たちの欲求から外れると、心と身体を蝕んでいくのだ。自分が自分を壊していく。
だとしたら、むしろ冒険したほうが心や身体の安定に繋がるではないか。

とにかく我々の睡眠の質はぐっとよくなった。
やっぱり本当に「山」なのかもしれない。