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【声劇】消せない履歴【朗読】

☆所要時間 2〜3分
☆1人読み用

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履歴
それは記録

それは
文字が羅列された
メール

それは
時刻表記にしか見えない
通話履歴

それは
なんでもないように見える
検索履歴




履歴
それは「思い出」

文字が羅列された
メールには

一文一文
ワタシの想いが込められていて

アナタからの言葉に
一喜一憂するワタシが居て

遠くのアナタに触れられた気がした


時刻表記にしか見えない
通話履歴には

あっという間に過ぎてしまった
大切な時間が詰められていて

なんであんなに笑いあっていたのか思い出せないくらい

きっと何でもない話をとりとめもなく話していた

遠くのアナタに包まれたような
とても幸せな時間


なんでもないように見える
検索履歴には

とびきりのドキドキが隠されていて

この電車に乗ったら

この駅に着いたら

アナタはどんな顔をするだろう

あの電車に乗ってソワソワしながら見た風景

あの駅の改札を出た瞬間のぎこちなさ

なんでもないフリをして
周りを見ていたこと

アナタは気付いていただろうか

履歴
それは
ワタシの
夢のようなひとときの欠片たち


End

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〜マコのひとりごと〜

形のある思い出って、なかなか捨てられないし、消せなくて。

楽しかった電話のやり取りは残らないけど、発信履歴を見返すとふと笑い声を思い出したり。

読み返すとその時の感情が蘇る文面とか。

目的地に行くまでドキドキしながら検索した乗換案内とか。

思い出や記録とまでは括られない「履歴」の数々。

私、コレ消せないやーって残してあるもの、たくさんあるなぁって気付いたことが書いたきっかけ(*¯꒳¯*)

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