夢と現実

梅雨どきになると、15歳の頃を思い出す。

高校の担任に母と一緒に呼び出され、二週間の停学をくらったあの日も小雨が降っていた。

GW中に髪を染めたことがばれて停学を言い渡されたわたしは、(何故わたしだけ)と納得いかず、やっとでさえ人間関係に悩んでいたのにますます学校に行くのが億劫になりそのまま退学してしまった。
GWが終わる前に黒髪に戻したにもかかわらず、停学になったわたし。
日頃から、髪を明るく茶色や金に近く染めながらも普通に通学する同級生達。
おそらくわたしは生活指導の先生に嫌われていたのだ。なんとなく先生がわたしに接する態度がつめたかったし、思い過ごしではないと今でも思う。冷静に考えても、二週間の停学はフェアではなかった。

そこからしばらく、出口の見えないひきこもり生活が始まったのだけど、思い返しても、苦しかったはずの日々にわずかな輝きがそこには暗と一緒に共存していた。

夢。

わたしには夢があった。

正しくは、ひきこもり生活の日々のなかで、夢を持つようになり、なんとか前向きでいられたのだ。

文章を書くことは、小学生の頃から好きだった。

当時の担任に文章を褒められ、単純だけどそれがきっかけで好きになったのだ。

ひきこもりの日々も、わたしは詩や短歌、エッセイを書いては公募ガイドに掲載されているコンクールに送る。
入選、入賞を何度もし、次第に自信が芽生えてさらに書くことが好きになった。

わたしの夢は詩人や作家になることだった。

詩や文章なら、こうしてひきこもっていながらも書けるし、自分が書いた詩や文章はどんなに拙くても宝のように愛おしかった。

そんなわずかな光を希望にあの頃のわたしはずいぶん「夢をみること」に助けられた。

漫画家にもなりたくて、実は16歳の頃、超大手の出版社に数回漫画を送ったことがあった。

結果、毎回最下位のクラスに分類され、漫画家はあきらめた。(直感で絶対に無理だ、となぜかその頃は思った)

それから時を経て、わたしはいつのまにか出口の見えないトンネルを抜けて・・・

わたしは漫画家になった。

あの頃絶対に無理だと諦めていた漫画家に。

きっかけは、漫画家の古泉智浩先生の漫画教室に通ったことからだった。

https://cul.7cn.co.jp/programs/program_792482.html

過去に漫画原作ではお仕事をした事があり、当初漫画原作者希望で、勉強のために教室に通ったのだが・・・

古泉先生から言われた言葉。

「緑丘さんの漫画は、緑丘さんのその下手な絵だからいいんだよ! 自分で漫画描いた方がいいですよ」

最高の褒め言葉である。

下手すぎる絵がコンプレックスだったのに、古泉先生のお言葉のおかげで「自信を持つ」魔法をかけていただいたのである。

noteで描いているいまだ完結していない漫画『マイコの夜』も、漫画教室に通うようになったのがきっかけでうまれたようなものだ。

http://koizumi69.hatenablog.com/entry/2016/04/10/083444

(マイコの夜の元祖作品『サタデーナイト』が収録された同人誌)

16歳の時のわたしが一度てばなした夢の漫画を、今わたしは連載してお仕事としている。

正直、最近鬱状態がひどくて一日中ベッドから起き上がれなかったり、かと思うと急に元気になったり、まるで晴れたり曇ったり嵐だったりの心模様。

そんななか、わたしはあの頃のように、やっぱり「夢をみること」に助けられている。

漫画をもっと描いて、沢山の人に読んでいただきたい。
いつか、いつか、いつか単行本を出版したい。

大好きで読んでいるだけだった漫画を、こうして描かせていただいている事に感謝。

・・・と大きな前置きになりましたが、サイゾーウーマンさんにて、最新の漫画がアップされました。

情緒不安定で母にやつあたりしてしまい新幹線で号泣した話の続きです。

http://www.cyzowoman.com/2018/06/post_189873.html

いつもいつもありがとうございます。

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@makoishappy777

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