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福岡堅樹のトラーイ!!

「福岡堅樹のトラーイ!!」
会場に轟く実況と共に、忘れもしない2019年9月28日土曜日の記憶が呼び起こされる。

日本が世界に再び衝撃を与えたアイルランド戦での勝利。

営業部はその日、土曜の夕方だというのに首都圏支店のみんなで仕事をしていた。

そんな中、営業部の姉御的リーダー、通称「姉さん」がアイルランド戦の中継を徐にスマートフォンで流し始めた。
数十秒とかからず携帯をみんなで取り囲み観戦し始める中、当時「早く終わらせて早く帰りたい」しか考えていなかった私はキーボードを打つ手を止めること無く作業を黙々と続けていた。

入社2年目の秋。
一匹狼で集団行動をなるべく避けて生きて来た私は、
初めて社会性と協調性を四苦八苦体に叩き込んでいる最中だった。

14人いた同期も気がつけば半数程度の人数に。「他人は他人。自分は自分。」そう言い聞かせながらしゃかりき止まることなく走り続ける傍ら、「私がいる環境ってそんな可哀想な環境なんだっけ?」というもやもやも正直あった。
周りの先輩からは「紙やハンコが大嫌いで、暗黙の了解が尊重できない。いまいち何が好きで何が嫌いかもよく分からない。マーケ部に早く行きたそうな今っぽい若者。すぐ辞めそう。」くらいに思われていたと思う。

野球・ラグビーなどチームプレイ経験者も多い営業部で、陸上やテニスなどどちらかというと、職人気質・マイペースなタイプの人が多い気がするスポーツに取り組んできた私は、「体育会系と言って一括りにしないでくれ!チームプレイ出身の陽キャとは全然違うんだ!」などと、バイアス甚だしい思い違いの下、案の定若干組織に馴染めずにいた。

兎にも角にも、ラグビーって、なんだか「陽キャのスポーツというイメージ」ってことで、天邪鬼な性格の私は、おいこらさっさと観戦の輪に加わる事が出来なかったのである。

そんな時、「本田!何が何でも見とけ!後悔する!!得意先に急かされてるかもしれないけど、一旦中断しろ!」と姉さんにキツく言われてやっとこさ観戦の輪に加わわった瞬間、ゴールラインまで一直線に突き刺さる光の矢を見た!

福岡堅樹のトラーイ!!!!

「きっとこの子すぐやめると思われてるし、なんか合わない気がするから会社の人とあんま深く関わりたくない」そんなことを心のどこかで思っていたことも忘れて、みんなで喜びのハイタッチをした。
ハグ!もみくちゃ、バンザーイ!
それから、ワールドカップ期間中は本当に色んな先輩たちと試合を見に行かせてもらった。
「一緒にあの試合応援した」
それだけで、なんだか心の繋がりも生まれてくるものである。
みんなで商談へ行って決めてくることをジャッカル、目標達成することをトライ、などと言い楽しんだ。
人が大切にしている物事を私も大切にしようと思った。

そんな感じで、普通に生活をしていれば、結びつくはずのなかった人の心と心を、突然ギュッと縮めてくれるところも、スポーツの魅力だろう。

これだから、スポーツからは離れられない。

あの時の福岡選手のトライが無ければ、今頃もっと会社で生き辛かったに違いない。
彼のトライはどれだけの人を救ってきたのだろう。

今日の福岡選手の引退試合も素晴らしかった。
これまでの福岡選手の尽力に感謝し、これからの活躍を祈って。

#福岡堅樹 #秩父宮 #パナソニック #Panasonic #トライ #ノーサイド #トップリーグ #ラグビー #rugby

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