クラウドファンディングの「勝敗の95%」は、始める前に決まっている

2016年に、実兄が作った個人向けレーザーカッターという超マニアックなプロダクトをクラウドファンディング(以下、CF)して、過去最高額(当時)の6,011万円の支援を得ました。
モノづくりが、変わる。5万円台のレーザー加工機 FABOOL

もう既に兄の会社からは離れていますが、未だにそのノウハウや勘所を聞かれることがあります。

たしかにググってみても実際にやった人の目線からまとめている情報がほとんど見当たらない。
それなら自分なりの主観的な考えのまとめでも、これからCFする人やちょっと興味はあるという人に少しは役に立てるかもということでここに書いてみます。
(※ちなみに、CFの中でもプロダクト販売寄りのものについて書いているので、ファンドレイジング寄りの案件は少し事情が変わってくるかと思います)

以下、長文ですが、一言で言えばタイトルのような話をします。
クラウドファンディングでは、開始する前に「95%の勝負」が決まってる(、と思う。)

逆にいえば、既存の多くのCF案件がそうであるように(ある意味CFでは定石となっている)「開始したらすぐにFacebookで友達にシェアやいいねをお願いしまくりましょう!」といったような”開始後の頑張り”は、残念ながら残りの5%でしかないということになります。

なぜそう考えるのか?

ここに分かりやすく比較できる事例があります。
モノづくりが、変わる。5万円台のレーザー加工機 FABOOL(総支援額:6,011万円)
一人一人に手が届く超小型パーソナルレーザー加工機(総支援額:314万円)

どちらも「国内」で行われた「個人向けレーザー加工機」の「クラウドファンディング」で「スペックや出来ることもほぼ同じ」という、言ってしまえば”同じもの”なのに、なぜその結果は"約20倍の差"が出たのか?

実は、CF開始後にやったことという面では両者ともほとんど変わりません。(それが乱暴に言えば314万円分=全体の約5%)
残りの95%はCF開始前の準備による差で、その差によって結果として約20倍の差につながったと考えています。

じゃあ具体的にCF開始前に、何をどう準備したのか?
当時考えていたことを大きく2つに分けると、
・「デジタルマーケティングの戦略設計(左脳)」
・「クリエイティブの質(右脳)」

になります。

まずは、自分の中で"左脳"と読んでる「デジタルマーケティングの戦略設計」から、、

当時いろんなことをごちゃごちゃと考えながらやっていましたが、ものすごく単純化してみるとこんな図になります。

すべての詳細はとても書ききれないので省きますが、設計した時に意識したこと考えたポイントは図中で赤字で書いた3つ。

1. 最初の3日間に爆発させるにはどうするか?
2. 顧客のアクションをどう2ステップ化するか?
3. どうやって1ステップ目に純度の高い潜在顧客を効率的に集めるか?

<1. 最初の3日間に爆発させるにはどうするか?>

多くの場合、CFで最終的に集まる金額は最初の3日間に集めた金額の約3倍になります。
(合計金額)=(最初の3日間の支援金額)×3

一部の不可抗力が働いた案件を除き、一定金額以上集めた多くの案件でその方程式は成り立ちます。

ちなみに、我々のCFでも結果は、ほぼその通りになりました。
(最初の3日間で2,000万円強⇒最終着地は6,000万円強)

これはいわゆるフィードバック効果?というか、みんながこぞって支援してるやつは私も!となるし、メディアも初動が盛り上がってるものを「今話題の!」と取り上げたくなる群集心理?によるものが大きいと思います。

じゃあ問題はどうやって最初の3日間に支援を集中させるか、ですが、
そもそもこの問題というか構造って何かに似てる?、、、

そう、ソーシャルゲームです。
ソシャゲーはローンチ直後にAPPダウンロードのランキング上位に入ったら勝ち、入らなかったら死亡。
開発費に今時は何億円もかかるため、最初にどれだけ爆発できるかがまさに生死を分ける大博打。

じゃあその点でプロであるはずの彼らは何をやってるのか?、、、

事前登録キャンペーンです。ローンチ前の今登録すればスペシャルカードがもらえる的なこういうやつです。

そうと分かればソシャゲーの事前登録キャンペーンを研究します。
・登録するインセンティブや、この事前キャンペーン自体を広げてもらうためのインセンティブはどう設計すればいいのか?
・登録率を最大化するフローやUIは? などなど

実際、いろんな事前登録キャンペーンを見てみると、本当に上手に設計されていて目から鱗でした。
登録フローはもとより、特に本人だけでなく周りの人にも広げてもらうためのインセンティブ設計などは、膨大なA/Bテストをハイスピードで回しているソシャゲー業界はならでは。ある意味、知見の結晶だなーと勝手に感嘆してました。

そのソシャゲーに学んだ登録フローやインセンティブ設計を盛り込んだ事前登録ページ(ティザーサイト)を作り、CF開始前から潜在顧客を蓄積することで「最初の3日間の爆発」につなげることが出来ました。
それによって、狙っていたソーシャル上でのP to Pでの拡散や、メディアへの拡散を発生させることができたとおもいます。

次は、<2. 顧客のアクションをどう2ステップ化するか?>、

、、ですが、さすがに長文になりすぎたので今週どこかで続きを書きます!

(続く)

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有井誠

日本から海外で勝負するCrafted in Japanブランドを創ろうと、日々右往左往しています。Unsungs&Web代表。ブラックコーヒーが好きそうな顔と言われますが、コーヒーは飲めません。 レア・ドライフルーツ【FRUITEST】公式HP:www.fruitest.jp/

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