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顎がカクカクする、、、心配なんだけど??

はじめに


こんにちは。

診療をしているとこういう訴えをする方が多いです。
「顎がカクカクします。」「口を開けるとカクってします。」

思い当たる節がある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
でも、これを歯医者さんに相談してもあんまり説明されないことも多いですよね。
ということで今回は、顎がカクカクするのはなぜなのか、治療が必要なのか、自分で気を付けることはあるのか、などといったことを解説していきます。

ボリュームが大きくなる気がもりもりです(笑)。ぜひ最後までお付き合いください!

この記事は、こちらのブログからもお読みいただけますので、よければ覗いてみてください!↓


顎がカクっと鳴るのはなぜ??

まず、顎の関節の構造からみていきましょう。


関節隆起や下顎窩は頭の骨の一部、下顎頭は下顎の骨の一部です。
その間に関節円板が入り、クッション的な役割を果たしています
出典:httpsaih-net.comshikausertopicstopics_26.html

上顎と下顎の骨は別の骨でできています。上顎は頭の骨の一部ですが、下顎は独立した骨です。
下顎は頭にぶら下がっているような状態でくっついています。頭の骨と下顎を結び付けているのは筋肉です。この頭の骨と下顎を結び付けている筋肉が締まったりゆるんだりすることで、口が開いたり閉じたりします。

しかし、この状態で口を開け閉めすると骨同士がこすれてすり減っていき、開け閉めのたびに顎が激しく痛むようになってしまいます。
そのため、頭の骨と下顎の結合部にはクッションがあり、骨がこすれてすり減るのを防いでいます。このクッションを「関節円板」と呼びます。関節円板は頭の骨と下顎のちょうど真ん中に乗っかっており顎の開け閉めのスムーズな動きをサポートしています

そう、顎のスムーズな動きは関節円板によるサポートあってのものなのです。
つまり、顎がカクカクするといったスムーズではない顎の動きは、この関節円板に問題があるときに起こることが多いです。


一枚目の図と見比べてください。関節円板の位置がずれているのがわかるかと思います。
出典:httpsaih-net.comshikausertopicstopics_26.html

この図をみてください。

関節円板が少し前にあるのがわかると思います。この状態で口を開けようとすると、下顎の骨が前に出てきて関節円板に引っ掛かります。これが口が開きにくいときの関節の動きです。
そして、このまま開けようとし続けると、下顎の骨は関節円板を無理やり乗り越えて前に出ます。関節円板はクッションとは言ってもスルメくらい硬いですから、下顎の骨に無理やり乗り越えられたときは大きな音が鳴ります。これが「口を大きく開けるとカクっと音がする」の仕組みです。
この状態を「オープンロック」といいます。

人によっては、関節円板が前に出すぎていて下顎の骨が円板を乗り越えられなくなってしまっています
そのような方は、顎の関節から音はしない代わりに口を大きく開けることもできなくなります。この状態を「クローズドロック」といいます。

口が開きづらくなったりカクカクしたりするのは、この関節円板の位置が原因であることが多いです


顎がカクカクするのは治療すべきなの??

では、顎がカクつくメカニズムがわかったところで、その治療法をみていきましょう。

結論から言うと、痛みがなければ基本は経過観察です。オープンロック、クローズドロックどちらもです。

この関節円板の位置のずれですが、生活習慣との関連性が高いといわれています。例えば、食いしばりや歯ぎしりの癖、硬いものをよく食べる、頬杖をつく、横向きに寝るなどです。
もちろん、これらの癖があるからかならず顎の音が発生したり、顎の音が鳴る方が全員このような癖を持っているというわけではないですが、このような習慣がないかどうかを見直してもらい、極力顎の関節への負荷を日常的に減らしてもらうというのがメインの治療法となります。

痛みが出ていたり、口が開かな過ぎて日常生活に支障をきたしていたりという場合は、リハビリを行ったりマウスピースを用いたりすることもありますが、大学病院クラスになってもそこまでの治療は行わない印象です。
逆に言えば、患者さんに治療が必要ない旨を伝え、顎の関節にとって悪い習慣を気を付けてもらうことで、多くの方は改善しているか、気にならなくなっているということですね。

気にしないというのが治療法というのも面白いですが、顎関節に影響しやすい習慣はストレスとの関連性も強いものが多いですから、納得できる点もあるかもしれませんね。

おわりに

ということで、今回は顎のカクカクにフォーカスして説明してきました!そのおかげで、あまり大きなボリュームにならず済みました(笑)。

今度はもう少し話の範囲を広げて、「顎関節症」というものについても説明をしたいと思いますが、こっちは今度こそボリュームすさまじくなりそうです(笑)。
勇気がでない(笑)。

ここまでお読みいただきありがとうございました!
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