徒然Diary 8/26〜29

26日(土)~27日(日)

毎年の事だが、8月末の週末は某民法で24時間番組が放送される。件の番組は1978年が第1回放送との事なので今年で45回目であるが、自身の記憶を遡ると1980年頃だろうか、日曜朝10時頃からの枠で放送された手塚治虫先生のアニメを見たことを思い出す。
「サライ」という今や殆どの国民が知る唱歌が誕生した事、都合100km超にも及ぶ芸能人の24時間マラソンなどのコンテンツが生まれた半面、チャリティー番組という位置づけにもかかわらず演者に支払われる高額な出演料が話題に上がったことも記憶に新しい。そんな裏側も見せつつ皆が共生できる社会の構築に寄与してきた当該番組ではあるが、多様性という言葉が浸透し、それを受け入れる社会性が醸成された現在においては、その役割も終わりに来ているのではと、表面に汗の付いたグラスを傾けながら感じた夕べであった。

話は変わるが、国や社会を分断するには、マイノリティー側に権利・権威を与えることが手法のひとつであると何かの文献で読んだことがある。少数派が正しいとすることで多数派を取り崩すという考え方だが、知らず、気づかぬうちに私たちの身の回りに蔓延り、それに浸食された社会が、今、私達を取り巻く環境だと考えると杞憂とは言えないだろう。

28日(月)

先日、ソーシャルワークを生業とする方と話す機会があった(以下“Sさん”とする)。そのSさん、日々の出来事や時事に関する手記をソーシャルメディアに書かれている。そこには彼女自身の考えや思いなどが、ごく自然に嫌味なく綴られているだが、もうひとつ特徴的な部分があるのだ。それらの手記には一切ネガティブな事が書かれていないという点である。普通の人間であれば露にするであろう負の感情がここに綴られている手記には殆ど出て来ないのである。彼女の手記を読んだ時からとても気になっていたので、そのことについて訊くと、「負の感情は伝播すると思う。だから、自分から負を発信する事はしない様に心掛けています。読んでくれた方が心地よくなってもらえることが一番嬉しいので。」とのことだった。その他、仕事やプライベート等、いろいろな事について話をした(それらについてはここに書くのは大変なので割愛する)が、最後に今の日本の現状(少子高齢化、貧困、格差拡大等々)についてどの様に思うかと訊いてみた。すると彼女は少し考えた後、

「今のミドル世代(40~50歳台)の男性に元気がないですね。完全に自信を失っています。長く続く不況や現在の社会のシステム、取り巻く環境に原因があるんでしょうね。寧ろシニアの方が元気ですし人生を謳歌しています。そういう意味では“癒し”が必要な時代なのかもしれませんね」

と優しくも強い眼差して答えてくれた。

“癒し”という言葉にとても深い意味を感じた。

もしかしたら、この“癒し”こそが今後の日本を良い方へと向けるキーワードとなるのかもしれない。

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