君たちはどう生きるか

スタジオジブリ製作最後のアニメで、宮崎駿氏の最後の作品と言われています。
アニメは大幅に翻案されており、原作と脚本と監督を宮崎駿氏が手がけています。
宮崎駿氏の生家は太平洋戦争中、工場をやっていて零戦の風防を作っていたといいます。
君たちはどう生きるかの描写に宮崎駿氏の自伝的要素があるというのは本人にしか語りえないものが表現されていたからでしょう。
戦争に関する関心というのは世代の特徴でもあり、宮崎駿氏の世界観にある生きるとは戦いであるということや、宮崎駿氏のアニメの描写によく出てくる「食べる」ということの本質は「他者を食べる」ということです。
君たちはどう生きるかでも食べる描写がありありと描かれ、宮崎駿氏のアニメは液体の描写が生々しいです。そして汚物の描写が割とあります。
ジブリご飯というとなにかいいもののように扱われがちですが食べるとかご飯というものはもっと根源的な動物的なものが本質で、宮崎駿氏のアニメで食事は動物的な本質がきちんと描かれています。
面白かったです。
未来少年コナンをテレビでカリオストロの城を映画館で観て以来、長い年月をアニメで楽しませてくださり本当にありがとうございました。

生憎とユーモア溢れることも言えませんがなんであんなにたくさん出てくるんでしょう。
観ていて途中から理解するのではなく感じるようになりなんだか楽しかったです。
この映画ネタバレなど出来るものですか。無理ですよ無理。
これと同じものを二度と誰も作らないでしょう。
言語化を阻害する何かが夥しく描かれていました。感じたものを言語化することがいかに無力か。言語化した途端違う何かに変質してしまうのです。
これが結構重要なことなんですが面白いか面白くないかと言えば面白いのです。
ジブリとはモロッコやサハラ砂漠辺りで吹く熱風のことです。
熱く長く吹いた熱風の時が終わるのでしょう。