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イメージの変わった絵本 【フレデリック】

小学校で絵本読み聞かせのボランティアをすることになったので、最近絵本をよく読んでいます。大人になると、とんと読むことはなくなりますが、今また絵本に触れる機会が出来たことが嬉しいです。

いろいろ読んでいく中で、レオ・レオニの「フレデリック」と再会しました。

他のネズミたちが冬ごもりの準備をする中で、フレデリックだけは動かずに光や色を集めている。いざ冬になって、だんだんと食糧が減ってきたとき、フレデリックが集めていたものを披露する、ざっくり言うとこんなお話です。

以前読んだときは、フレデリックの魅力が全く分かりませんでした。
忙しいのに働かないで何やってるんだろうって、他のネズミと同じ気持ちでした。最後まで読んでも、すっきりしませんでした。フレデリックは何がすごいんだろう。結局、他のネズミが集めた食料やら何やらもらってるじゃない。フレデリックだけだったら、今ごろ冬を越えられなかったのに。素敵なことを言ってみんなを喜ばせているけれど、それじゃあお腹は満たされない。じっとしているフレデリックがなまけ者に見えていました。自分自身はいつもその他のネズミ側だったから。どうしてグッズになるほど人気なのか分からないまま、絵本の世界から離れていきました。

そして今、改めて読んでみたら、フレデリック素敵!ってなってます。
先のことを考える力、周りに流されず行動できる強さ、そして豊かな表現力。私にはないものばかり。
そして、他のネズミたちがいるからこそ、フレデリックはみんなと違うものを集められたんだと思いました。他のネズミたちがいなかったら、フレデリックも食料を集めなくてはいけないから、光や色を集める時間はなかったはず。フレデリックを除け者にしないで食料を分けてあげて、君は何を集めたんだいって聞けるネズミたちも素敵。

絵本の中ではみんな仲良く暮らしていますが、現実世界だったらどうなるかな。自分はかわりものを受け入れられていたかな、なんて反省しました。レビューも賛否両論あるので、それを読むのもまた面白いです。

同じ本でも読んだ感想がこんなに変わるなんて、自分でも驚きました。絵本は、読むたびに違う発見ができて面白いです。もう、読み聞かせの本を選ぶのなんてそっちのけで読んでいる始末。次は何を読もうかな。

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