甘い部屋 【詩】

自分で選んだ部屋には
毒が満ちていた
甘く柔らかで
透明な毒
こんなに中毒性があるなんて
知らなかったから
当たり前に吸い込んだ
心地よくて息苦しい部屋

わずかに開けた窓から風
空気は冷たく尖っていて
思わず鼻から深呼吸
細胞が眠っていたことに気付く
カーテンが美しく踊って
私をあちら側へ誘う
もう一度やってみようか
つらくて楽しい場所へ

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