見出し画像

ワークショップデザイナー おしごと実績 オンラインによるわかりあえなさ 2020/05/30

ワークショップデザイナーとしてのお仕事実績を紹介します。

日時:2020/05/30(土) 20:00~22:30
会場:Zoomにてオンライン
参加者:最大約190人
発起人:オンライン・ワークショップを実践する有志の会
スピーカー:平田オリザさん
ワークショップデザイン:オンライン・ワークショップを実践する有志の会
プロデュース:小瀬一幸さん(かーず)
 Online Synaptic technology 主宰

☆発起人紹介
オンライン・ワークショップを実践する有志の会
ワークショップデザイナー育成プログラム、日本ファシリテーション協会、北海道大学CoSTEPに関わりのある4人の有志で結成。

☆イベント募集ページ(現在は募集しておりません)
わかりあえないことからはじめよう - これからを生きるためのミニワークショップ

☆経緯
ネット社会となった昨今、ちょっとしたことでネットが「炎上」するのをよく見かけるようになりました。日々の活動の中で、「コミュニケーション」も重要なテーマである我々。「炎上」をはじめ世の中にあふれる行き違いは、「人と人がなかなかわかりあえない」ことで生じるのではないでしょうか。今回、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラムの講師であり、著書に「わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か」がある平田オリザさんを招き、大規模なオンラインワークショップにチャレンジしてみようということになりました。


☆概要
①平田オリザさんを招くということで、WSDの講座でも受講した「カードを使ったゲーム」をオンラインでやってみる!

②「フィッシュ・ボウル」をオンラインでやってみる!

☆当日の様子

①平田オリザさんを招くということで、WSDの講座でも受講した「カードを使ったゲーム」をオンラインでやってみる!

今回実施したワークは、対面の場合は、数字が書かれたカードを配ったり、一列に並んで順番に点呼して自分の数字にしてもらいます。あるテーマについて、その「自分の数字」に合わせて行動し、周囲の人と対話をしていくというものです。

テーマは、「全体の数字は1~190(およそ)。この数字は、趣味の活発度を表します。「自分の数字」をみて、「自分が思う数字にあった活発度の趣味」を紙に書いてください。そして、同じような趣味の人で集まって、それぞれの数字がいくつなのか、どうしてそう思うのか、対話してください」というものでした。

まず、対面であれば簡単なこの「振り分け」をどうするか。当初、かーず(小瀬さん)の発案で、皆さんが購入していただいたチケット番号をzoomの名前の頭に入れてもらう、ということを考えていました。しかしスタート直後から「チケット番号を把握していない」「名前の変え方が分からない」などトラブル続出。チケット番号を名前に入れること、名前の変え方などは事前にかーずがHPに掲載していたにもかかわらず、です。当時はコロナ禍前なので、そもそもオンラインツールに慣れている人が少なかったのかもしれません。結局ホスト権限を持つスタッフ4人が、参加者の入室順にバシバシ名前を変える、ということで何とか切り抜けました。事前のレクチャーって大事ですよね・・・。

このワークの妙は、人によって「趣味の活発度」に対する考え方が違うということ。人数が多かったので、数字の小さいものと大きなものについては皆さんだいたい考えが近かったですが、真ん中あたり、例えば「マラソン」について、30くらいだと思う人もいれば、150だ!と思う人もいて、「考え方は人それぞれ」ということを分かっていただけるワークとなりました。

②「フィッシュ・ボウル」をオンラインでやってみる!

もう1つのプログラムは「フィッシュ・ボウル」をオンラインでやってみたらどうなるか?ということに挑戦してみました。

「フィッシュ・ボウル」とは、まず会場の中央に、数名の対話を行うメンバーを置きます。他の参加者は、その周りを取り囲む様に座り、対話しているメンバーの話に耳を傾けます。

中央のメンバーの席には一つの席を空けておき、周りの参加者は対話に参加したくなったらその席に座って、対話に加わります。

一方、中央のメンバーである程度話をしたと感じたメンバーは、席を離れ周りのメンバーとなるという対話手法です。

zoomに「ビデオ以外の参加者を非表示」という機能があります。これを参加者全員に設定しておいてもらいます。そうすると、画面上は話している人だけが映り、そのほかの参加者は「聴衆」となることができます。こういった形で、オンラインでも「フィッシュ・ボウル」ができるのではないかと考えたわけです。

この「フィッシュボウル」のデモをスタッフで行ったのですが、「入れ替わる」ということを分かったもらうことに意識を傾けすぎたために、皆「一言しゃべって抜ける」みたいなデモになってしまいました。もう少し「対話してから抜ける」という風に見せたら、もう少しうまくいったかもしれません。

その後、全体をランダムにブレイクアウトルームに分けて対話してもらいました。各グループでは、少人数になったが故か、フィッシュボウルを試してみたり、参加者全員で対話をしたグループなどがありました。

③その後

ほぼ時間通りにワークショップが終わったところで、「オリザさんももう少し残ってくださるそうなので、残りたい人はまだ残っても良いです」と言ったところ、30分以上もの間100人近い人が残り、夜11時近くまで対話が続きました。さすがに長くなってきたので、ここでオリザさんのご出演は終了としました。

オリザさんがいなくなられた後も、多くの方が残って、フィッシュボウル式の対話へのチャレンジが続きました。オンラインでのフィッシュボウルは初めてのこともあり、上手く回るまでにはなかなか難しいと感じましたが、zoomに頼るだけではなく他のツールを使ったり、プログラムデザインをもう少し丁寧に構築しておけば、もっと得るものが多いワークショップができるかも!と感じました。

☆振り返って
ワークショップを実施してから、この記事を書くまでに、コロナ禍により、日本、ひいては世界のものの考え方が大きく変わろうとしています。

このワークショップの後にも、オンラインでコミュニケーションをとるツールが続々と増え続けています。コロナ禍が終わったとしても、「オンラインでの円滑なコミュニケーション」を求めていくことは変わらないと思います。日々いろいろなツールに触れ、体験していくことで、『リアル/オンライン いずれでもコミュニケーションの場を作ることができる』よう研鑽を積んでいきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?