ひとり社長の育成心得。
こんばんは、桜井です。
私自身、ひとり社長であり今年入社を控えている立場として、ひとり社長が社員・パートナーやインターン生を育成していくにあたり、どのようなスタンスで臨んだほうがいいかを言葉にしてみました。
それではいきます!
前提条件
まずはじめに私の会社の立場について少しご説明したいと思います。
私の会社は主には地方企業さんのマーケティング支援を行っているのですが、職務領域を明確にしていません。明確にできない理由があるからです。
理由は以下の通りとなります。
戦術の相談が来ても、問題は戦術ではなく戦略の策定ミスにあり、戦略の策定ミスには組織のエラーが根幹としてあり、組織のエラーには経営者の資質に問題があり、経営者の問題の裏側には・・・といった感じで、本来の相談とは異なるところに問題の本質がある、ということが往々にしてあります。
そのため、「私の職務領域は〜です」と設定しても、そのはるか先に問題の根本がある可能性がある。その根本を見てしまうと解決したくなってしょうがなくなるのです。そのため、領域を絞れないな!と考えるようになりました。
ちなみに余談ですが、「自分の責務をまっとうすること」と、「自分の得意領域を絞ること」についての違いについても考えてみました。
このように私の会社は再現性・効率性・仕組み化などができない、「オーダーメイド型のサービス」にならざる得ない状況である、というのが前提条件となります。
責任を預ける5つのステップ
ひとり社長でよくあるのが「自分にお客さんがついている」「忙しくてマニュアルを作れない」「任せたいけれどどこから任せていいかわからない」と言ったところではないでしょうか。
私自身も実際にそうでした(今もそう)。ただ、あまりに手が回らなくてえいっ!と預けたところ、うまく行ったところと行かないところがありましたのでそれぞれ書いていきます。
上記のスタンスの場合、いきなり仕事の全責任をスタッフに預けてしまうと、預ける側がストレス過多で倒れます。そのため、少しずつ預けられるのがいいと思っています。
例えば、↓のようなステップを踏むイメージです。
以上の1〜5を経て、徐々に成長して羽ばたいていくのではないかと思っています。まずは1で実戦経験を積み、成功体験を得て、そこから徐々に短期プロジェクトを経験し、3(中長期)〜4(新規事業開発・新商品開発)〜最後に5にたどり着くのではないかと思っています。
スキルが先か?マインドが先か?
メンバーの育成にあたり、何が足りていないのか?の議論になる際に槍玉に上がるのが、スキルセットを磨いていくのがいいか?もしくはマインドセットを整えていくのが先か?という話です。
「両方同時にやったほうがいい」という話と、「その人の資質にあった進め方でレクチャーしていく」という回答になるのですが。
ただ、両方一気に学びを得るには少々カロリーが必要なので、現実的にはまずどちらかから進めていく格好になると思います。
ちなみにそれぞれが欠けるとどうなるか?については、スキルだけでは未熟さが残り、倫理観・道徳心に欠ける性格になりやすく、マインドだけでは大義を実装できない口だけ実力不足な人材になってしまう、と思っています。
どちらがいいか?というとどちらとも言えませんが、個人的には倫理観・道徳心がなくなったらビジネスとしておしまいだと思うため、まずはじめに身につけておくべきマインドセットかなと思っています。
ちなみに↓が私と湯沢の綾さんが共同開発したスキル・マインドマップです。ローカルプレイヤーズという地域プロデューサースクールのカリキュラムの元にもなっています。
結論、「マインドセット👉スキルセット👉マインドセット〜」のようにミルフィーユ状になって徐々に高まっていくスキルなのかなと思っているため、要所要所で学びの不足を補っていきたいと思っています。
メンバーの特性を理解する
次に、メンバーの特性を理解することについて。「リスク認知」を知ることから始めたほうがいいかもしれません。皆さんはこの「リスク認知」という言葉、知っていますか?
さらにリスク認知のバイアスとして、「カタストロフィー・バイアス」というものがあります。
これだけ先が見えない、未来が怖いとされている時代、リスク認知はますます高まり、バイアスがかかっているように見えます。そのため、スタッフメンバーはデフォルトで「未来のことは怖い」くらいのイメージを持っていると思ったほうがいいかもしれません。
ではどのようにしてこのリスク認知のバイアスを払拭していくのか?
これには「体験・経験」しかないのだと思っています。人は(よっぽど頭のいい人ではない限り)経験しなければ深く理解することはできないと私は思っています。そのため、失敗と成功をそれぞれ体験させてあげる、というのも上司の役目なのかな、と思っています。
この死なない程度の失敗を繰り返すことで、リスク認知が徐々に経験則と変わり、リスクがあってもチャレンジしやすくなるのかと思っています。
経営者は特殊変人である
最後、まとめです。
ここまで私の仕事の前提条件(オーダーメイドの仕事で全責任を負うスタンス)から責任の預け方、スキル・マインドのバランス、メンバーの特性についてまとめてきました。
最後は経営者です。私もいろんな社長に会って話してきましたが、元気な社長に共通するのは以下のようなポイントです。
このようなところでしょうか。でもこんな人、経営者以外にはほとんどいないと思います。私の周りにはたくさんいるため麻痺していましたが、よくよく考えたら全然いないよな!という感じです。
なので、この経営者マインド・スキルをメンバーに押し付けてしまうと当然ながらストレス過多で倒れてしまうため、こうした素養のある人は「経営者だけ」くらいに思えるといいのかなと思いました。
以上がひとり社長育成の心得でした。私の実体験も多分に入っているため、バイアスがかかっていますが、参考になる部分があれば嬉しいです。
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