見出し画像

英単語学習の不自然さを解消したら、楽しく語彙を増やせるようになった🥸

1.英単語学習への違和感
 高校生の英語学習を見ていて、ふと思うことがありました。「英語ができるようになりたい。そのために語彙を増やしたい。」という言葉と、実際の英単語(イディオムも含めて)学習の間にギャップがあると。
 
 どう考えても不自然なんですよね、私たちの単語の覚え方は。本当に語彙を増やしたいと思っている人の行動ではないというか。

 例えばですよ。"幅が広い"は"wide"ですよね。これはみんな知っています。じゃあ、"狭い"は? 答えは "narrow"ですが、なんとなくキョトンとなりませんか?
 同じく、"深い"は"deep"です。じゃあ、"浅い"は?答えは"shallow"です。「あ〜、そうだった」ってならなくないですか?これが不自然なんですよ。

 普通に生活していて、「広い」と「狭い」はほぼ同じ頻度で出会う単語です。「深い」と「浅い」もです。なのに、英単語となると、何なんでしょう、この馴染み深さの差は?

 他にも"床"は"floor"、"カベ"は"wall"、では"天井"は?答えは"ceiling"ですね。一気に馴染みが薄くなりませんか?グルっと見回せば、全部目に入るものなのに、なぜか1つだけ極端に記憶されていない。不自然です。

 "桃"は"peach"。では"柿"は?"熱い"は"hot"、冷たいは"cold"。では"ぬるい"は?

 とにかく私たちは、覚えている英単語のバランスがおかしい、不自然なんです!そしてそれは、「英語の語彙を増やしたい」という言葉が本心ではないことの証になります。本当に語彙を増やしたいなら、目の前に転がっている単語を拾うはずです。なのにそうしていないんですからね。

 でも実際私たちは、英語の語彙を増やすために、一生懸命単語を暗記してきました。その意味では、「語彙を増やしたい」という言葉は"ウソ"ではない。ただ、そこで言う"語彙"が"単語帳の世界"のものだということなんです。

 そして、その"単語帳の世界"では、生活している中での頻度ではなく、入試に出てくる頻度で単語が並んでいるんですね。つまり、入試に対応するために、「効率的に」作られた単語帳は、シンプルに「語彙を増やす」という目的に対しては「非効率的」なのです。

2.英語の語彙を増やす方法
 入試に勝つためだけでなく、単純に語彙を増やす方法について考えてみましょう。

 私たちの脳は、自分にとって大切だと感じるものを記憶に残そうとします。大切だと感じるものとは、具体的には、「単純接触回数の多いもの」と「心が動くもの(特に喜んだりワクワクしたりするもの)」です。つまり、単純接触回数の多い単語を心を動かしながら覚えていくのが最も効率的。

 日常生活に即して、毎日英単語を使うことでたくさんの語彙が身についていきます。とりあえず、目に入るものは手当り次第に英語で呼ぶようにします。例えば、「机の引き出し」を見たら「drawer」、棚を見たら「shelf」と呼ぶ。常にdrawerと呼んだからといって、引き出しという日本語を忘れることはないですから、安心して置き換えましょう。あとは、馴染むまで毎日見ながら呼ぶだけです。

 次に、動作ですね。日常生活の中でとる行動を、英語で言いながらするようにします。「預金するdeposit、お金をおろすwithdraw」なんて、使う中で身につけていくのがいいですね。

また、「服を着るput on、脱ぐtake off」「電気をつけるturn on、消すturn off」「ページをめくるturn over」などのようなイディオムも、使いながら覚えていきましょう。

 この覚え方って、人が自然に語彙を増やすプロセスです。その点では日本語も英語も同じですね。「レンジでチンする」なんてまさにそうやって定着したのです。ですから、古文単語だっていけますよ。職場から帰るとき、「そろそろ"まかり"ます」みたいに。

3.心を動かして単語を覚える
 単純接触回数が多い単語以外にも、心が動く単語は記憶に残りやすいんですね。そういう意味でも、単語帳や赤シートを使って、無機質に暗記する行為は不自然と言えます。心が動かないどころか、やめたいという気持ちを引き出しちゃいますからね。

 では、どうやって心を動かすのか。実は簡単です。人は行動すると、必ず感情がついてきます。逆に、感情なく行動することは難しい。あまりにも習慣化されていて無意識で行うこと以外は、必ず心が動きます。人間の本能といってもいいですね。もちろん、「ダルい」「めんどくさい」などのようなネガティブな感情の時もありますが。

 いずれにせよ、「心を動かしたければ行動せよ!」ということです。特に、動作を表す動詞は、その通り動きながら単語を言うのが一番良い。幼児教育でよくやる方法ですね。「jump jump jump!」「stomp!stomp!stomp!」みたいに。「stomp 足を踏み鳴らす」なんてブツブツと唱えるよりはるかに心が動きます。

 「bend 屈む」とか「encourage 励ます」とか「endure 耐える」とか、実際にやりながら発してみるのが一番効果的。慣れてきたら、頭の中で想像するだけでも心が動くようになります。心が動いていれば、無機質な暗記とはまったく違いますからね。

 心が動くという点では、形容詞なんてまさにうってつけです。湧いてくる感情や、心に浮かぶ気持ちを英単語で表現すればいいんです。すごい雨を見て「hard 」と言ったり、すごい競争を見て「keen 」と言ったりしてみる。「雨が激しい hard」「競争が激しい keen」と暗記するより何倍も残ります。

3.カタカナ語のすすめ
 結局のところ、英単語を覚えるにしても日本語を覚えるにしても、語彙を増やす方法としては同じです。人間の本能、自然の原理原則に沿ったやり方が一番効果的なのです。そのやり方が、日常生活の中に組み込んでいくというもの。これさえ理解すれば、受験で使う単語だっていくらでも身につきます。

 抽象的な概念語は、具体的なものをいくつか見たり、想像したりしながら、それをカテゴライズする言葉として発してみるといいです。

 最後に、このやり方を実践していくと、カタカナ語が多くなるんですね。数行前の「カテゴライズする」のように、日本語化させた英語は、自然な形で身についている英単語と言えます。

 ちょっと古いですが、ルー大柴さんみたいに使うのがベスト。「みんなで、トゥギャザーしようぜ!」って感じでしょうかね🤭「英語→カタカナ語→日本語」が自然な身につき方ですし、語彙を増やす近道だと思います!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?