大黒柱妻の事情

うちは共働きではありますが、主として妻である私がかせぎ、夫が主に家事をする夫婦役割逆転の一家です。大黒柱妻、ともいいますね。

夫は医療職ではありません。スポーツトレーナーです。働いていないわけではないですが、生活の主軸は私の収入によるものとなります。扶養にはいてていることもあるくらい。一方、今はジム等の務めではなく自由業でもあるので、比較的時間が自由になり、家のことをかなりやってもらっています。主に掃除、洗濯。たまに食事。子供の世話や休日の食事関係は私がやることが多い、といった配分。

大黒柱の私としては、産後もほとんど育休を使うことなく復帰。育休は基本給の半分程度しか出ません。勤務医の給料は基本給はそれほど多くなく半分以上は時間外手当によるものなので(特に外科医の場合)、育休中は大幅な収入減となってしまいます。長期間はとれない事情があるわけです。

また、時短ではなく、フルでの復帰でしたが、時短は基本給が低いことのみならず、時間外に仕事が残って仕事をしていても手当が出ない。おそらく外科では決められた時間が来たからといって必ず帰れることなどないでしょうから(手術中に放り出すことなんかできない)、時短で仕事をするという選択肢は私の中にはありませんでした。

職場の託児所があったこと、3カ月の赤ちゃんでもあずかってくれたこと、授乳にも通うことができたこと、20時までみてくれることなど、恵まれた条件であったことに感謝しています。子供は夜ご飯を託児所でたべさせてもらってから迎えに行き、帰るとお風呂とねかしつけ。帰るとママにかじりつきです。もっとママと過ごしたいと言葉にはしないけど、寝るのも惜しんで甘えてくる様には毎回、もっと子供と過ごす時間を増やしたい、とも思います。

仕事の方は平日フル出勤とはいえ、土日の当番を免除してもらったり、当直は容赦してもらったり、一人分の戦力にはいたっていないな、と思っています。十分に働けていないジレンマ、同僚に負担をかけているという申し訳なさ。一方で母親としても子供の時間がもっともっと、最大限に欲しい。一人二役のように、それぞれの方向から自分に語り掛け、結果、現状。どちらも満足度70%の現状です。

ワーキングマザーなら誰でももつであろう、このジレンマ、せめぎあい。自分の身に起きて初めて、そのつらさや不自由さを現実のものとし感じました。独身時代に考えていたことなんて机上の空論。でもそれはいたし方ないことです。やるしかない。世のワーキングマザーが切り抜けてきたこと、何とかなる。でも、私が大黒柱妻でなかったら・・・。外科医はやめていたかもしれないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?